ニューズ・ライン(12月16日~31日)
2012年1月3日
■ セメント工場稼働
建築ブームが続くネパールでは年間90billionルピーを超えるセメントをインドから輸入しているが、新たに2つのセメント工場が今春早々にも稼働することになった。チトワンのダン地区のソナプール・セメントとゴラヒ・セメントであるいずれも日産700トンから1200トンを目標としており輸入量の10%を占める。
■ 結束でもなく、分裂でもなく
マオイスト派は実質上は殆ど分裂状態である。強硬派のバイデイア副議長、ラム・バハドール・タパ書記長派はダハール議長、バッタライ副議長派と一線を画しており、連日議長派に対し攻勢に出ている。
結果的には理由がどうであれ主導権争いであり、もはや修復は不可能と言われているが、多くの幹部は分裂することによって少数派に転落することを恐れていることも事実である。両派ともナラヤン・カジ・シュレスタ副議長(外務大臣)と自派に取り込むが直近の目標のようである。
■ 温家宝首相のネパール訪問延期
両政府は12月20日から予定されていた温家宝首相のネパール公式訪問の延期を発表した。中国がわからの発表によれば国内事情とのことであるが、ネパール国内では外交上の失敗であるとの批判が強く、あらためてガチャダル副総理が北京を訪問して折衝のあたることになった。
■ 国軍の予算
ネパール国軍は現在92,753名の陣容であるが、マオイスト派の兵士6500人とマデシからの3000人が加わることによって10万人を超えることになる。明らかにされている軍の過去5年間の国家予算をみると
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2007/8 |
11.392 BillionRupee |
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2008/9 |
12.272 BillionRupee |
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2009/10 |
17.811 BillionRupee |
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2010/11 |
19.491 BillionRupee |
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2011/12 |
19.100 BillionRupee |
■ マオイスト派兵士への支出
政府は終戦以来幕営地に収容されている19,527名のマオイスト派兵士への支出を公表した。
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1.食糧費 |
2,584,755,766 |
Rupee |
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2.給与 |
5,249,249,877 |
Rupee |
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3.雑費 |
459,886,724 |
Rupee |
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4.前途金 |
461,067,200 |
Rupee |
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5.電気代 |
34,966,979 |
Rupee |
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合計 |
8,789,926,546 |
Rupee |
(約8.78BillionRupee) |
■ 国家予算が理解されていない!!!
大蔵省予算局によれば予算が成立しているにもかかわらず各省から新たな事業等への支出への要求があとをたたず、困惑している。予算局では事業は決められた予算での執行が当然としているが、予算システムを理解しない大臣が多く予算とは別に支出を求めているものであり法律上でも違法と説明している。
■ 路拡幅工事始まる
カトマンズ市内全域で道路の拡幅工事が始まった。カトマンズ盆地は車両の急激な増加で交通渋滞が激しく車での移動も時間がかかり仕事に差し支えることも多い。政府は都市計画の一環として道路の拡幅工事を始めたが建物等が公共用地を侵食していることが多く強制的に家屋等を取り壊している。
■ 前タイ首相がネパールへ
12月15日タクシン前タイ国首相がネパールに突然やってきた。前首相は釈迦の生誕地ルンビニを訪れたもので、専用機でミャンマーからモンテネグロ共和国のパスポートで入国、ルンビニ訪問後現地で一泊、カトマンズからドバイに向かった。
■ 証券市場
ネパールの証券取引所には約80社が上場していいるが、外国企業個人の参入は禁止されている。隣国インドが最近外国人に門戸を解放したことを受けてネパールの証券取引所も検討を始めているが未だシステムが確立していない事でとうぶんは難しいようである。
■ 70%の若い人達が携帯電話を所有している!
厚生省の調査によれば都市部の10歳から24歳まで若い人達の約70%が携帯電話を所有している。調査の方法は明らかにされていないが9,000所帯14,754人の調査によるものである。
■ アメリカ平和部隊がネパールへ
2004年9月に撤退した平和部隊がネパールに帰ってくる。平和部隊は1962年100名でスタートし農業、教育等の分野で活躍し撤退するまでに約4,000人を数えている。
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