第2章 市民権 |
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第8条 |
(市民権) |
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この憲法の施行時にネパール国内に住所をもつ次の者はネパールの市民とみなす。 |
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(A) |
旧ネパール憲法第7条〔1962年〕またはネパール市民権法第3条(1964年)によりネパール市民である者 |
(B) |
ネパール市民権法第6条(1964)によりネパールに帰化し市民権を取得している者 |
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第9条 |
(市民権の取得と消滅) |
(一) |
この憲法の施行後に生まれ、かつ出生時にその父がネパール市民である者はネパール市民となる |
(二) |
ネパール国内で発見されかつその両親が所在不明の全ての子供は、その子供の父親が確認されるまではネパール人とみなされる |
(三) |
新たに領土が取得されネパール王国に統合される場合には、その住所を領土内に持つ者はネパール市民となる |
(四) |
外国人のネパール市民権の取得は以下の諸条件を満たす法律を定めることができる |
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(A) |
ネパール語を話し,書くことができること |
(B) |
ネパール国内で職業に従事していること |
(C) |
他の国の市民権を放棄していること |
(D) |
ネパールに15年以上居住していること |
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(五) |
第4項の規定にかかわらず、ネパール市民と婚姻関係にある外国国籍の女性で、かつ他国の市民権を放棄した者、及びネパール市民権を放棄して出国し、その外国市民権を放棄した者はネパール市民権を取得する事ができる |
(六) |
省略 |
(七) |
省略 |
第10条 |
(名誉市民権の授与) |
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第9条に規定にかかわらず、国際的な著名な者に名誉市民権を授与できる |
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第3章 基本的人権 |
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第11条 |
(平等権) |
(一) |
すべての市民は法の前に平等である。 |
(二) |
宗教、人種、カースト、部族、イデオロギーなどを理由として法律の適用において市民を差別してはならない |
(三) |
国家は宗教、人種、カースト、部族、イデオロギーなどを理由にして市民と市民を差別してはならない
ただし、女性、子供、老人、身体的、精神的障害者、経済的、教育的に立ち遅れている階層にたいする保護と向上を図るための法律を別途作ることが出来る |
(四) |
何人もカーストを理由として不可触民として差別されることはない
この規定に対する違反は処罰される |
第12条 |
(自由権) |
(一) |
何人も法律による場合を除いて人身の自由を奪われることはなく、また、死刑を定める法律を作ることはできない |
(二) |
すべての市民は次の自由を有する |
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(A) |
表現の自由 |
(B) |
武器などを持つこと無く集会する自由 |
(C) |
組合などの結社を組織する自由 |
(D) |
王国内を自由に移動し、いずれかの地域に居住する自由 |
(E) |
職業選択、および事業,交易の自由 |
ただし、 |
(一) |
第12条(A)の規定は、ネパール王国の主権と統合を著しく崩し、カースト、部族もしくは社会的集団の間の関係を損なう恐れのある行為に対して、または名誉毀損、法廷侮辱、犯罪教唆,公序良俗に反する恐れのある行為にたいして合理的な制限を課するための法律を作る事ができる |
(二) |
第12条(B)の規定ハ、ネパール王国の主権、統合もしくは法と秩序を損なう恐れのある行為に対して、合理的な制限を課するための法律を作る事ができる |
(三) |
第12条(C)の規定は、ネパール王国の主権、統合を損なう恐れのある行為、カースト、部族、もしくは社会的集団の調和関係を害する恐れのある行為または、公共に反する恐れのある行為に対して、合理的な制限を課する法律を作ることができる |
(四) |
第12条(D)の規定は、カースト、部族もしくは社会的集団の調和的関係を損なう恐れのある行為にたいして、合理的な制限を課するための法律を作る事ができる |
(五) |
第12条(E)の規定は、健康や道徳に反する恐れのある行為に制限を課するための法律、特定の産業、事業などの排他的権利を国家に与えるための法律、または事業に条件や制限を付する為の法律を作ることができる |
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第13条 |
(出版の権利) |
(一) |
記事、論説その他著作物は検閲されない
ただし、ネパール王国の主権と統合を損なう恐れのある行為、またはカースト、部族および社会的集団の調和関係を害する恐れの野ある行為、または扇動、名誉毀損、法廷侮辱、犯罪示唆、公序良俗に反する恐れのある行為に対して、合理的制限を課するため法律をつくることができる |
(二) |
いかなる印刷所も記事、論説または著作物を印刷した理由により閉鎖または押収されない |
(三) |
新聞、定期刊行物の登録は、記事、論説、その他著作物を印刷したという理由のみで取り消されない |
第14条 |
(裁判に関する権利) |
(一) |
なにびとも、罰せられなかった行為について、再審で罰せられることはなく、法律の規定より重い刑罰を科せられることもない |
(二) |
なにびとも同一犯罪で重ねて訴追され罰せられることはない |
(三) |
犯罪の訴追を受けた者は,自己に不利益な証言を強制されない |
(四) |
取調べ中もしくは裁判の為または他の理由により拘禁されている者は何人も肉体的、精神的拷問を受けることなく、残酷、非人間的または不名誉な扱いを受ける事は無い
こうした扱いを受けた者は法律の定めるところにより補償される |
(五) |
省略 |
(六) |
省略 |
(七) |
省略 |
第15条 |
(予防拘禁に対する権利) |
(一) |
なにびとも、ネパール王国の主権、統合または法と秩序を損なう脅威を示す証拠が無い限り予防拘禁されることはない |
(二) |
予防拘禁される者は、なにびとも、それが法律に反するか悪意に基ずいた者であるときは法律のい定めるところにより補償をうける権利を有する |
第16条 |
(情報に関する権利) |
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すべての国民は公的重要性を持つ事項に関する情報を要求し受ける権利を有する
ただし、本条の規定は法律により秘密保持が認められている事項に関する情報を強制的に提供させるものではない |
第17条 |
(財産権) |
(一) |
すべての市民は法に従い財産を獲得、所有、売却、またはその他の方法で処分する権利を有する |
(二) |
国家は公共の利益のために必要である場合を除き。なにびとの財産を徴発してはならない |
(三) |
公共の利益のため国家が徴発取得または負担を課した財産に対する補償手続は法律に定める |
第18条 |
(文化及び教育に関する権利) |
(一) |
ネパール王国内の全ての社会集団は自らの言語、文字および文化を保存し奨励する権利を有する |
(二) |
すべての社会集団は自らの子供たちに母語で教育を与える為初等教育までの学校を運営する権利を有する |
第19条 |
(宗教に関する権利) |
(一) |
何人も古くから継承されてきた自分自身の宗教を信仰し実践する権利を有する ただし、なにびとも 他人を改宗させる権利を持たない |
(二) |
あらゆる宗派は独立したものとして存在する権利、および信仰の場と財産を運用する権利を有する |
第20条 |
(搾取に対する権利) |
(一) |
人身売買、奴隷制,農奴制およびあらゆる強制労働は禁止されるこの規定に対するいかなる違反も処罰される
ただし,公共の目的のために義務的勤務を法律で定めることを禁ずるものではない |
(二) |
未成年者を工場もしくは鉱山で働かせるため雇用してはならないし他の危険と認められる仕事に従事させてはならない |
第21条 |
(追放に対する権利) |
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いかなる市民も追放されない |
第22条 |
(プライバシーに関する権利) |
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法律の定める場合を除きいかなる者の人身,住居,財産,記録,通信その他個人に属する情報も侵害されない |
第23条 |
(憲法による救済に関する権利) |
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第3項にて規定去れている諸権利の実現は他の条項でこれを保証する |