九日目
タトパニ=ベニ=マルデュング=ポカラ
今日は予定を繰り上げて、ベニまで歩きバスでポカラまで帰ることにする。ここまで下ってくると山中というより村里という感じになる。ベニまでの歩きは長かったが、あまり印象に残っていることは無い。山の上では緑だった麦もここまで下りてくると収穫期の黄金色に輝いている。またやたらにたくさんのロバとすれ違った記憶が残っている。
ベニは大きな町だ。公園なども作られている。ベニにバスが迎えにきている筈だったが、なんとバスはここまで来られないということだ。やれやれマルデュングまでまた歩きかと暗然としたが、幸いタクシ−が雇えるということになった。これでマルデュングまで行く。
川沿いの砂利道をタクシ−で走る。この道には多数のロバが歩いている。ロバをかき分けかき分けという感じでドライブする。タクシ−は物凄いおんぼろだ。ダッシュボ−ドをみたらカロ−ラと書いてある。カロ−ラと私がつぶやくと運転手もうれしそうにカロ−ラと答えた。しかしこのカロ−ラ何年製だろう。積算計はいったい何回まわったのだろう。こんなボロになっても走るとはカロ−ラもたいした車だ。
マルデュングは汚い町だ。タクシ−を乗り捨てたあとかなり歩く。道の両側には粗末な貧民窟が。粗末な土造りの家。中をちらりと見ると家具など何も無いようだ。ただ壁と土間だけだ。あとから聞いたところでは、ここは山から下りてきた人たちの住まいだそうだ。山の人々は貧しくはあったが、それなりに楽しそうに暮らしていた。しかしここは本当にひどい。赤貧洗うが如しとはこのことだ。山で養える人口が限られるので追い出されたのか、それともより良い生活を求めて自発的に出てきたのか。いずれにせよこの場所で抜き差しならなくなってしまったという感じだ。
貧民窟を通り抜けてやっと町の広場につく。貧しい身なりの少年達がサッカ−の練習みたいなことをやっている。片目がつぶれている少年もいる。とにかくここの暮らしは大変だなあという実感だった。
バスにパサン氏が現れない、チャ−タ−バスなのに土地の人や白人のトレッカ−が乗り込んでくる、バスの調子が悪くて全行程ロ−ギアで走った、屋根にシェルパたちが乗っていたので罰金をとられたとかいろいろあったが、とにかく無事にポカラまで帰ってきた。今年は高山病もなく全員無事で健康に帰還。まずは成功のジョムソム街道トレッキングだった
十、十一、十二日目
ポカラ、カトマンズ、バクタプ−ル
次の日は予備日が余ったのでポカラの観光スポットを見て回る。ラマ教のお寺。デビッドの滝。ポカラ博物館。鍾乳洞。鍾乳洞は行く価値がなかった。
この日のポカラでの収穫はマチャプチャレが見えたことだ。雨上がりの雲の間から神々しい姿が。ガラスで出来た塔のようで透明感がある。近くではもっと素晴らしいだろう。 更に二日間カトマンズでショッピングと観光。今年は世界遺産の仏教都市バクタプ−ルを訪問した。ここは見る価値のある名所だった。但し入場料は外人料金の1,500円。ドルちゃんかなり怒っていた。切符売りの小屋の壁にはカ−ル・マルクスの写真が貼ってあった
金持ちからは搾取せよ、ということか。去年のランタン・ヒマ−ル、今年のアンナプルナ・ヒマ−ルとすると来年はエベレスト領域か。もう一度頑張るとしよう。
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