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ネパール憲法の概略 <その7−4>

第9章 立法に関する手続き
第68条 (法案提出)
(一) 法案はいずれの議院へも提出できる
ただし財政法案は下院にのみ提出できる
(二) 財政法案およびネパール軍に関する法案は政府法案としてのみ提出される
これらの法案に対する修正案は国王の事前の承認を得なければならない
(三) 財政法案は次の事項のいずれか、または全てに関わる法案である
(a) 租税の賦課、徴収、廃止、軽減、変更または調整
(b) 省略
(c) 政府による公債募集または保証供与に関する事項または、政府が引き受けているか、引き受けることになる財政負担に関する法律の修正に関する事項
(d) 省略
(四) 法案が財政法案か否か疑義が生じた場合には議長がこれを判定する
第69条 (法案の可決手続き)
(一) 一方の議院で可決された法案は、速やかに他方の議院に送付されなければならない
両院で可決されたら裁可を得るために国王に提出されなければならない
(二) 下院で可決された財政法案は上院に送付される
上院はその法案を審議し、必要な場合には勧告を付して、受理日から15日以内に下院に送り返す
(三) 下院は第二項により勧告を付して送付されてきた法案を審議し妥当とみなすことの出来る勧告を付して裁可のため国王に提出する
(四) 上院が第二項により受理した法案を15日以内に送り返さないときは、下院は裁可のためその法案を国王に提出することが出来る
(五) 財政法案以外で下院が可決して上院に送付した法案は受理の日から二ヶ月以内に承認または勧告を付して送り返される
上院が期間内に法案を送り返さないときは、下院は出席議員の過半数により可決された決議を国王に提出することができる
(六) 一方の議院で可決された法案が他方の議院で否決又は修正を付して可決された場合、その法案はもとの議院に送りかえされる
(七) 第六項により上院が否決または修正した法案を下院が審議し出席議員の過半数以上で再度もとのまま、もしくは修正して可決した場合、その法案は裁可のため国王に提出できる
(八) 省略
(九) 次の法案は両院の合同会議に付託される
合同会議が原案のとおり、または修正を付してその法案を可決したときは、先議した議院は裁可のためその法案を国王に提出できる
(a) 上院は可決したが下院が否決した法案
(b) 下院が修正を付して上院に送り返したが、上院ではその修正が可決されなかった法案
(十) 法案審議中に議院の会期が終了したときは、当該法案の審議は次の会期に引き継ぐことができる
ただし、下院の解散もしくはその任期満了の説き、下院に提出された法案が審議中の場合、または下院が可決して上院に送付された法案が上院で審議中の場合、当該法案は廃案になったものとみなされる
第70条 (法案の撤回)
法案を提出した議員は議院の承認のもと、その法案を撤回することができる
第71条 (法案の裁可)
(一) 第69条により裁可のため国王に提出される法案は、下院議長または先議した議院の議長の署名のうえ国王に提出される
ただし、財政法案は下院議長が署名、認証し国王に提出される
(二) 国王による裁可は両議院に速やかに通知されなければならない
(三) 財政法案を除き、国王が審議継続の必要性を認める法案については、国王はその法案の受理日から一ヶ月以内に法案に意見を付して先議した議院に送り返すことができる
(四) 国王が意見を付して送り返された法案は、両院合同会議において審議される
審議後その法案が原案とおり、または修正を付して再度可決されたときは、国王は30日以内に当該法案を裁可しなければならない
(五) 法案は国王の裁可をもって法律となる
第72条 (命令)
(一) 両議院の会期中を除き、国王が緊急事態があると確認するときは、国王は憲法に抵触しない限りにおいて必要と思われる命令を発布することが出来る
(二) 第一項により発布された命令は、法律と同じ効力を有する
ただし、すべての命令は
(a) 両院の会議に提出され、両院で可決されなければ失効する
(b) 国王によりいつでも廃止される
(c) (a) または(b) により無効、廃止されない場合発布後六ヶ月または両院の会期開始後30日を経て効力を失う
なお、両院のうち遅い方の会期開始日が本項の期間算定の基準となる



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