Himaraya Trekking
風と歩くプーンヒルと石楠花の道(その1) 比地原正明
「風と歩く会」の始めてのヒマラヤトレッキングは中野さんのお世話でプーンヒル実施することになりました。今年は雪が多く、石楠花の開花が一週間ほど遅れたようですが、プーンヒルからのガンドルンにかけてのマャチャプチャレ、アンナブルナ、ダウラギリの迫力あるヒマラヤの山々の眺め、そして素晴らしい石楠花の花に皆、大満足でした。
また、スイストレッキングなどでは味わえない沿道の人々やトレッキングスタッフとの気持ちのふれあいにも心を動かされるものがあり、子供たちの写真を撮ったり片言のネパール語で話しかけたりと楽しませてもらいました。経済的には貧しくとも心の豊かさではかなわない彼らとのふれあいが帰国後も気持ちを温めてくれる、そんなトレッキングでした。
3月14日〜
バンコックを経由してカトマンドゥへ
10名の仲間が成田空港に2時過ぎに集合し、カラパタールへ行く5名のグループと共に中野さんのお世話でチェックイン。夜、順調に
バンコクへ到着し、郊外のホテルに一泊。朝、バンコックを出発し、お昼過ぎにカトマンドゥへ到着。ホテルのロビーでコスモトレックの大津社長からオリエンテーションを受けると早速買い物へ。夜はサーダーのカエラさんを囲んで中華料理で盛り上がる。
3月16日
カトマンドゥからポカラへ、ナヤプルからヒーレまでトレッキング
朝、カトマンドゥの空港へ行くと、早朝出発したカラパタールのグループがまだ待機している。早朝の濃い雲のためフライトが遅れているようだ。我々も2時間ほど待ってポカラへ飛び立った。ポカラの空港を降りると暑い、もう夏だ。荷物を車に移しそのまま車でナヤプルへ向かう。道は舗装されていて意外と快適だ。ノーダラの手前で車を止めてマチャプチャレの眺めを楽しんだ。道はモディーコーラの川へ向けて下りになり、やがて売店の並ぶナヤプル(Nayapul/1000m)に到着した。
ナヤプルでスタッフバッグをポーターに預け、リュックを背負いモディーコーラの上流へ向けて緩やかに下って行く。いよいよトレッキングの開始だ。気持ちがワクワクしてくる。
支流のドーリコーラの吊橋を渡ると登りになり、その先でキッチンボーイが持ってきたジュースを飲んで一休みする。少し先のビレタンティの手前のバッティーで遅めの昼食になる。
モディーコーラの鉄橋を渡るとビレタンティ(Biretanti/1050m)に到着する。シャクナゲの咲くロッジの間を抜けて行き、ブルンディーコーラの左岸を少しの急登を交えながら緩やかに登って行った。 左手に滝が見え、急登を終えた所で一休みする。
マタンティ(Matanti/1150m)を過ぎると道は二分する。直進は雨季の道なので左に行き、河原の近道を行く。小石を伝って二度ほど川を渡る。
スダメを過ぎると正面にウレリの登りが、その奥にデオラリ辺りの稜線が見えてきた。あそこまで登るんだなと少し緊張する。
もう一登りしてヒーレ(Hille/1524m)のテント場に到着した。既にテントは張ってあり、リュックを入れて一休みする。歩いている時は暖かったが、日が落ちると寒くくなってきた。
食堂で夕食を済ませた後、カエラさんからスタッフの紹介をしていただいた。シュラフに入ると暖かく、すぐに寝入ってしまった。
3月17日
ヒーレからウレリの登りを経てゴラパニへ
ヒーレ(Hille/1524m)からは目の前にウレリの急登が見え、その右奥にはデオラリ辺りの稜線が見える。ヒーレのテントサイトから少し登り、平坦な道を行くとティケルドゥンガに到着する。少し下って吊橋を渡るといよいよウレリの急登が始まる。
きれいに積まれた石段が続く。途中のバッティーの前で一休みしてさらに登る。ウレリの登りの下部は荒れた斜面だが、登るに連れて樹木や畑が見られるようになり、秋桜、桃、梨の花が咲いている。石楠花の花も心を和ませてくれる。
谷間からアンナプルナサウスとヒウンチュリが見えた。展望の良いバッティーで一休みする。素晴らしい眺めに囲まれて疲れも忘れてしまう。まさに至福の時だ。
石段の急登はさらに続くが、やがて急登が終わり緩やかな登りになり、見晴らしの良いバッティーで一休みする。この辺りがウレリ(Ulleri/2220m)の中心になるのだろうか。
ブルンディーコーラの流れを遥か下に見て平坦な道を行くとやがてバンタンティ(Banthanti/2300m)に到着し昼食になる。
バンタンティーからはブルンディーコーラの支流に沿って深いシャクナゲの樹林の中を歩く。今年の2月の大雪で倒れたシャクナゲの大木を所々で見た。先週の雪のためシャクナゲの開花も10日程遅れているそうだ。
石橋を渡り。川の左岸を行くようになると樹林帯は少し明るくなる。
コンスタントに高度を上げて行くとやがてゴラパニの下村に着く。ここで一休みしてもう一登りでゴラパニ上村(Ghorapani/2874m)に到着した。
ゴラパニではストーブの炊かれた部屋で夕食になる。夕食後は土地の人が歌と踊りで歓迎してくれた。
3月18日
ゴラパニからプーンヒルを往復してタダパニへ
朝5時、暗い中プーンヒルへ向けてゴラパニ(Ghorapani/2874m)を出発する。しばらく登ると暗い中、マチャプチャレやアンナプルナサウスの黒いシルエットが見えるようになった。1時間30分の登りでプーンヒル(Poon Hill/3198m)に到着する。プーンヒルからはダウラギリとアンナプルナの大展望が広がる。
左の遥か向こうに西ネパールの山々が見え、左から、ダウラギリ、アンナプルナT、アンナプルナ・サウス、ヒウンチュリ、マチャプチャレが望める。マチャプチャレの右のマナスルは逆光でよく見えない。
プーンヒルは風が強く、寒い。それでも記念撮影をしたり、写真を撮ったりしていると50分の時間があっという間に過ぎてしまった。
昨日は夕方の濃い霧のためゴラパニから山々を眺めることができなかった事もあり、プーンヒルから望むヒマラヤの神々しい山々に全員、興奮状態になってしまったようだ。
いつまでいても飽きることがない素晴らしい眺めに後ろ髪を引かれるようにゴラパニへ下る。
ゴラパニに戻り、朝食を済ませてデオラリへ向かう。テントサイトから少し戻り、左のロッジの庭を横切って行く。すぐにシャクナゲの樹林の登りになり、時々アンナプルナサウスが樹間から望める。
尾根上にたどり着くと展望台があり、振り返るとダウラギリが素晴らしい。さらに尾根を登ると開けた所に展望台がありマチャプチャレの頭も見える。
さらに雪まじりの尾根を登って行くと3番目の展望台がありここで大休止して、記念撮影をする。
ダウラギリからアンナプルナの展望が素晴らしくプーンヒルに負けないほどの眺めだ。
さらにシャクナゲの尾根の登下降が続き、やがて尾根の左の斜面をデオラリに向けて下る。樹林の中はまだ雪が残っている。
デオラリ(Deorali/3103m)には売店がある、一休みしてからお土産を買ってみるのも楽しみの一つだ。
デオラリからはしばらく急下降が続く。始めはトヨ状の下りだが、沢沿いの石段の下りになり、これを下りきると橋があり沢の左岸に出る。沢沿いの急下降はさらに続き、右岸に渡る。道は所々雪が凍っており滑りやすいのでシェルパのサポートの元、慎重に下る。
一度沢へ降り、左岸へ渡ると傾斜は緩み一安心だ。やがてバンタンティ(Banthanti/2300m)に到着し右岸のロッジへ渡り昼食になる
バンタンティから右岸を下り、左岸に渡ると左岸の斜面の登りになる。これを登り切るとバッティがある。ゆるい登下降で石楠花の樹林の中を歩く。霧がかかっていてよく見えないが、ここのシャクナゲは既に満開のようだ。
途中のバンタンティヒルのバッティで一休みしていると霧雨になってきた。しばらくシャクナゲの樹林の中を緩やかに下ると川がある。橋は工事中なので石伝いに川を渡る。橋を渡るといよいよ急登が始まる。
石段の急登を終え緩やかな登りになるとタダパニは近い。タダパニ(Tadapani/2712m)のテントサイトに到着しコタツ暖房の食堂で夕食になる
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