2006年10月6日〜9日
10月6日 多摩=(車)=原村
10月7日 原村=長野=戸隠キャンプ場 戸隠キャンプ場付近散策
10月8日 戸隠キャンプ場=白馬=黒菱平〜八方池山荘〜黒菱平=雨飾高原キャンプ場
10月9日 雨飾高原キャンプ場〜雨飾山〜雨飾高原キャンプ場=豊科=多摩
三陸沖の低気圧に振り回された3日間でした。6日夜に雨飾高原キャンプ場まで入り、7日に雨飾山を登る計画でしたが、7日の天候が回復しそうにないので原村に泊まり様子を見ることにしました。7日は戸隠のキャンプ場へ行き、天候が回復すれば飯綱山を登ろうと考えましたが、雨のため奥社の散策に留まりました。
8日は早朝から高妻山に登る計画でしたが、7日夜からの豪雨と強風がおさまらず高妻山は断念し、白馬に向かいました。三陸沖の低気圧が発達して強い冬型になり北アルプスは猛吹雪になったようです。黒菱平まで車で上がり八方池山荘まで登りましたが、その上は雪と強風のコンディションです。黒菱平から雨飾高原キャンプ場へ向かいましたが、途中の中谷川の物凄い濁流に豪雨の迫力を感じました。
9日はやっと晴れ、素晴らしい天候の中、紅葉の雨飾山を存分に楽しんで登りました。
10月6日
当初は深夜に雨飾山の登山口まで入る計画だったが、7日の天候の回復が午後になる天気予報なので原村に泊まる事にした。三連休のせいか、雨の中央高速は車が多いような感じだ。原村に着くと、雨は小降りになり月も出てきたので明日の天候回復に期待するが、どうやら長野県北部は明日も一日雨の予報である。
10月7日
6時に起床するが、相変わらずの雨である。今日の行動は天気しだいという事でゆっくり朝食を済ませて原村を出発する。不思議に諏訪湖だけ雲が切れて日が当たっているが、小雨模様である。次第に雨は弱まり、天候の回復が期待される。長野で高速道路を降り、善光寺の南を通って県道で戸隠へ向かう。バードラインと合流すると戸隠神社に到着した。さらに進むと戸隠キャンプ場に到着する。キャンプ場に到着すると雨足が強まってきた。キャンプ場の入場手続きをして、バーベキュー場の屋根の下で雨を避けて昼食をとっていると風も出てきた。今日は登山はせずに近くを散策する事にする。
昼食後、高妻山の登山口に行ってみた。登山口の駐車場はキャンプ場のすぐ横にあり、40台程度駐車できる。少し上の戸隠牧場の近くの駐車場は牧場の駐車場なので登山者は駐車できない。戸隠牧場は有料(250円)だが、通過する登山者からはお金は取らないとの事だ。
車で奥社入口の駐車場に向かう。駐車場からは雨具を着て、空身で奥社へ向かう。素晴らしい杉並木の参道を歩いて行くと屋根が草に覆われた随神門に到着する。さらに行くと次第に参道は登りになってゆき、石段の階段になると奥社は近い。手を清めてから、戸隠神社の九頭瀧社と奥社にお参りする。社務所の左下に戸隠山の登山口がある。
来た道を戻り、随神門の所からささやきの小径を戸隠牧場の方へ少し散策してみる。樹林は紅葉が始まっており、静かな気持ちの良い道である。天気が良ければ荒々しい戸隠山の山稜が望める所だ。適当な所で引き返し、駐車場へ戻る。
中社の駐車場に車を止め、中社にお参りする。境内の杉の木はとても立派だ。戸隠スキー場辺りまで行って時間をつぶしてから少し早い夕食にする。この辺りは戸隠ソバの店が多いが、6時過ぎには閉まってしまう。中社近くの宿坊極意のソバはなかなか美味しく、見た目もきれいだ。
夕食後、近くの神告げ温泉へ行く。ここは9時半まで営業しており、8時まで食事ができるので便利である。時間があるのでゆっくりと湯につかり、キャンプ場へ戻る。雨と風が強まってきて天候の回復どころではない状況だが、キャンプ場はたくさんのテントで賑わっている。我々はテントを張らずに車中泊にした。夜になってさらに風雨が強まり、風で車が揺れる程である。
10月8日
朝、4時に起床するが、相変わらずの風雨のため高妻山の登山は中止にする。ゆっくり朝食を取りながらラジオのニュースを聞くと昨日の北アルプスは猛吹雪で、白馬岳で遭難事故が発生した模様である。朝食後、とりあえず白馬まで行き、明日の行動を判断する事にする。
中社を経由して下って行く。道路は昨夜の風のため木の葉や枝で覆われている。途中で鬼無里(きなさ)へ向けて右に入る。雨の大望峠で一休みする。晴れていれば北アルプスの眺めの良い所だ。さらに下ると長野からの道と合流する。鬼無里を過ぎると右に水芭蕉群生地として有名な奥裾花への道がある。時間があるので寄ってみようとしたが、途中で入山料(400円/1人)を徴収しており、雨の中行くまでもないので引き返した。
白馬には9時過ぎに到着し、白馬駅で一休みする。相変わらずの雨模様だが、長野からのバスが到着し、八方尾根へ向かう登山客がたくさん降りてきた。明日天候が回復しないようであれば原村に戻るつもりだったが、どうやら明日の天気は期待できそうなので、今日は八方尾根を少し歩いて雨飾に向かうことにした。
雲の中を車で黒菱平まで上がる。時々雲が切れて白馬の町が見下ろせる。黒菱平には20台程度の車が止まっており、リフトで黒菱に上がって行く。リフトの横にはトイレもある。我々は雨具を着て空身で歩くことにした。黒菱のバーンを左に登り、左のアルペンリフト沿いに急なコンクリートの斜面を登り、オリンピック滑降コースのスタート台に着く。ここから木道でさらに上へ行くのだが、間違えて遊歩道の木道でリフト乗り場に出てしまった。再び戻り八方池へ向けて登る。
トラバース状にリフトに向かって登り、リフトに沿ってジグザグに登る。時々雲が切れて下が眺められ気持ちが良い。この辺りの紅葉もなかなか立派できれいだ。リフト沿いに直登するようになるとみぎに第一ケルンが見え、リフト終点の八方池山荘に到着した。小屋の入り口で風雨を避けて一休みする。八方山辺りから上は雪で白くなっている。また、稜線の風は相当強そうだ。もちろん、白馬岳や不帰は雲の中で見ることはできない。我々はここで引き返すことにした。
同じ道を下り、黒菱平に到着した。車の中で一休みして白馬に下る。白馬で明日の食料を買い込み南小谷へ向かう。南小谷の先で小谷温泉へ向けて右に入り中谷川沿いに走る。茶色い濁流の中谷川が凄い迫力で、豪雨を感じさせる。小谷温泉の手前に工事中の崩壊地があり、山から滝のように流れる濁り水に不安を感じる。
雨飾山の登山口まで行き、下山してきた人から登山道の状況を聞くが、木道の一部が浸水している程度で荒菅沢の渡渉も問題無いようだ。近くの雨飾高原キャンプ場で管理人から得た情報も同様である。今晩はここの駐車場に泊まる事にして、ひとまず北小谷まで下って、道の駅で夕食にする。夕食後、再び雨飾高原キャンプ場へ戻り、今夜も車中泊とする。7時過ぎに寝たが、目が覚めても雨音は強く、また天気に裏切られるのか不安がよぎる。
10月9日
朝、4時に目覚ましで起きる。やっと雨があがっていた。早々に朝食を済ませ、支度をしてヘッドランプを点けて5時過ぎに出発した。念のため雨具のズボンを着けて出発したが、その必要は無かったようだ。登山口で山行計画書を出し、少し下り気味に行くと登山者の数を数えるカウンターがある。120mほど行くと小川があり橋を渡る。ここから小川に沿って左に行く。ほとんど平らだが、緩やかな登りである。
しばらく木道を歩く。既に水は引いており、木道が水につかる程度の水量である。しばらく行くと黄色い道標があり、ここから右に急登が始まる。初めは赤土の土壁のような登りで、雨後は登り辛い。辺りは明るくなり、ヘッドランプを消して登る。しばらく急登を繰り返し、緩い尾根状になった所で一休みする。
しばらくブナの樹林帯の中の気持ちの良い登りが続く。緩やかな登りなので楽だが、所々にぬかった所がある。やがて水平道から緩やかな下りになると、突然目の前に雨飾山の布団菱岩峰群と紅葉が広がる。素晴らしい眺めである。ここでしばらく眺めを楽しみ、眼下の荒菅沢へ向かって下る。荒菅沢に降り立った所で一休みして眺めを堪能する。
荒菅沢の水量は普通で、幅も狭いので難無く渡渉できる。渡渉するとすぐに急登が始まる。所々に短い木の梯子があり、ロープも垂れているが、ロープに頼る程の急登ではない。しばらく樹林の中の急登を続けているとようやく樹林を抜け、後方に高妻山が見える。さらに登って行くと前方に白く雪を被った焼山が間近に迫っている。やがてすっきりした尾根状の登りになり、梯子や岩の登りが出てくるが危険な所は無い。登るにつれて焼山の右奥に火打山が見えてくるが、妙高山は天狗原山の陰で見えない。やがて左手に雨飾山の山頂や雪を被った北アルプスの山々が見え、眺めの良い所で一休みする。
ここから笹平の稜線まで一投足である。荒々しい頚城山塊の山々や日本海の眺めが良い。笹平をだらだらと下り登り返すと雨飾山の山頂への最後の急登が始まる。時間的に下ってくる人とのすれ違いが増えてくる。浮石を落とさないように慎重に登り、山頂に到着した。早速、南峰で記念撮影をして西斜面で一休みする。薄い雲が通り過ぎて行き、目の前の白馬岳や雪倉岳、朝日岳が見え隠れしている。北アルプスの山々は雪を被って素晴らしい眺めだ。
30分ほど眺めを楽しんでから北峰の地蔵さんにお参りして、来た道を下る。山頂にも人が多いが、見下ろすと下る人、登る人で登山道は相当な賑わいである。ただでさえ人気のある紅葉の雨飾山がやっと晴れたのだから、この混雑も止むを得ないのだろう。すれ違いで思いのほか時間がかかる。笹平から少し下った眺めの良い場所で再び一休みして焼山や高妻山を眺める。
少し下ると梯子の所で大渋滞である。急いでも仕方がないので、素晴らしい眺めを楽しみながら下る。やがて樹林の下りになると景色は無くなり、滑りやすい岩と泥の下りに気を使いながらの下りになる。沢の音が次第に近づき、荒菅沢に降り立つ。再び布団菱のスラブや紅葉の眺めを楽しみ一休みする。朝とは違った光線具合で楽しみも二倍だ。
荒菅沢から70m程の急登が始まる。これを登りきった所で雨飾山の眺めとはお別れになってしまう。ここからの眺めが本当に素晴らしく、しばらくは去りがたい気持ちで眺める。
あとはひたすら樹林の中の下りが続く。やがて樹林の間からかなたに駐車場の車が見えてくる。朝休んだ所で休み、さらに下り、土壁を下ると平坦地に降り立つ。ここからは清流沿いに穏やかな木道歩きになる。素晴らしい山行であった。
駐車場で支度をして温泉に向かう。無料の露天風呂に入る予定だったが、込んでいるので雨飾荘の温泉に入る事にした。こちらは無料ではないが、300円と安い。3時過ぎに雨飾荘を出発して豊科へ向かう。途中、白馬岳、五竜岳など逆光に沈む北アルプスの山々を望みながら走る。白馬駅前で若干の渋滞があったがそれを避けて青木湖へ向かう。順調に大町を過ぎ、豊科に着く頃には日も暮れかかってきた。
豊科のドライブインで夕食を済ませ、高速道路に乗る。渋滞も無く甲府まで順調に走るが、小仏トンネルで相変わらずの大渋滞である。渋滞を避け、10時前に無事に帰宅した。
岩肌に包まれた雨飾山は、やはり紅葉の季節が素晴らしい。焼山や白馬岳、そして日本海の眺めも素晴らしいので天気の良い日に登りたい。キャンプ場下の登山口の駐車場は50台程度駐車可能だが、シーズン中は早朝に満車になってしまう。200mほど下った所にも第二駐車場があるのだが、できるだけ早い時間に駐車場を確保する方が良い。トイレ、水場は登山口にある。
10月7日 | 標高 | 到着 | 出発 |
原村 | 1225 | − | 7:58 |
戸隠キャンプ場 | 1179 | 11:21 | 12:30 |
奥社駐車場 | 1215 | 12:35 | 12:36 |
戸隠奥社 | 1354 | 13:30 | 13:45 |
奥社駐車場 | 1215 | 14:36 | 14:38 |
戸隠中社 | 1215 | 14:43 | 16:24 |
神告げ温泉 | 1222 | 16:27 | 18:02 |
戸隠キャンプ場 | 1179 | 18:19 | − |
10月8日 | 標高 | 到着 | 出発 |
戸隠キャンプ場 | 1179 | − | 7:28 |
大望峠 | 1063 | 7:52 | 7:55 |
白馬駅 | 693 | 9:22 | 9:42 |
黒菱平 | 1533 | 10:09 | 10:35 |
八方池山荘 | 1842 | 11:43 | 11:55 |
黒菱平 | 1533 | 12:43 | 12:53 |
雨飾高原キャンプ場 | 1173 | 14:24 | 14:55 |
道の駅小谷 | 394 | 15:44 | 16:31 |
雨飾高原キャンプ場 | 1173 | 17:05 | − |
10月9日 | 標高 | 到着 | 出発 |
雨飾高原キャンプ場 | 1173 | − | 5:17 |
尾根 | 1279 | 5:58 | 6:06 |
荒菅沢 | 1457 | 7:07 | 7:22 |
稜線直下 | 1872 | 8:38 | 8:57 |
雨飾山 | 1963 | 9:28 | 10:00 |
稜線直下 | 1872 | 10:39 | 10:51 |
荒菅沢 | 1457 | 12:00 | 12:14 |
尾根 | 1279 | 13:13 | 13:22 |
雨飾高原キャンプ場 | 1173 | 13:55 | 14:26 |
村営雨飾荘 | 972 | 14:34 | 15:20 |
豊科 | 558 | 17:02 | 17:56 |
多摩 | 115 | 21:53 | − |