2006年1月9日
1月9日 多摩=焼山登山口〜焼山〜姫次〜蛭ヶ岳〜丹沢山〜塔ノ岳〜大倉=多摩
正月に緩んでしまった体力を締め直すべく、焼山から塔ノ岳へ縦走しました。移動性高気圧で安定した天候を予想していましたが丹沢周辺だけ雪雲に覆われチョイ悪の天候を楽しんで来ました。連休3日目のせいか入山者は少なく、わずか14名の人とすれ違っただけでした。その代わり、沢山の鹿と遭遇しました。
1月9日
昨日同様、朝6時の電車で橋本へ向かう。橋本からはバスで三ヶ木に向かう。三ヶ木で接続している月夜野行きのバスに乗り換える。乗客は私の他、東野へ向かう3人パーティーだけである。まだ人通りの無い焼山登山口でバスを降りる。ここは石砂山からの東海自然歩道になっているのでトイレもある。
道志方面へ少し歩くと焼山近道の道標があり左の林道に入る。しばらく行くと橋を渡り廃車が散乱する作業場に出る。作業場の少し先に右へ尾根に上がる道がありこれを登る。しばらく登ると尾根に出て西野々からの道に出る。ここからはしばらくのんびりした尾根歩きが続く。樹間から石老山も望め、適当な所にベンチもあり、日だまりの尾根をゆったりと登る。
やがて樹林の斜面の登りになると焼山の山頂は近い。東側の尾根に出て巻き道の分岐を過ぎ少し登ると白樺の林が有り、見晴し台のある焼山の山頂に到着する。
巻き道を合わせしばらくは緩い下りになる。道が登りになると次第に道が白くなり、雪道になる。平丸、大平と分岐を過ぎると初めて人に遭遇した。さらに行くと犬を連れたおじさんに出会った。言葉を交わし、良く見ると犬は5匹もいて背中には銃を背負っている。そういえば以前、同じような時期にこの辺りで猟師に出会ったことが思い出された。
この辺りからは左に本間ノ頭から丹沢山への稜線が見えるのだが、今日は本間ノ頭から上は雪雲の中だ。東京方面は相変わらず晴れており、どうやら昨日同様、丹沢だけが雲の中らしい。雲の中に突っ込むのは少し気が引けるが丹沢なのでそう悪くはならないであろう。
八丁坂ノ頭を過ぎると東野から登って来たのだろうか、初めて先行者を見た。姫次に着き小休止する。ここからの蛭ヶ岳の眺めは迫力があり素晴らしいのだが今日は雲の中だ。蛭ヶ岳から来た6人のパーティーは焼山方面に下ってしまい、先行者は袖平山へ向かい、山は再び静けさに包まれた。神野川方面を見ると、犬越路より上は雲に覆われており、山はすっかり雪山の様相である。
蛭ヶ岳を目指して南に下る。しばらく小さな登下降が続き木道が出て来ると、そろそろ蛭ヶ岳の登りになる。蛭ヶ岳の登りは見た目ほど急ではなく、整備された木の階段をゆっくりと登って行けば良い。登るに連れて霧氷が素晴らしい。時折、雲の中からアラレのような雪が落ちて来る。そこそこの荒れた天気が冬山らしくて良い感じだ。
蛭ヶ岳の山頂に着くと、小屋の周りは人影が無く静まりかえっている。南側は雲に覆われて見晴しが無いが、東側は新宿辺りまで見通せる。遠くの町を眺めながら一休みする。
緩やかな尾根道を丹沢山へ向かって下る。前方にいる鹿の群れが熊避けの鈴の音で逃げて行った。登山道を越えて2メートルぐらいの高さで飛んで行く鹿もいて驚かされた。この後、塔ノ岳まで何度も鹿の群れに遭遇することになる。
やがて鬼ヶ岩の登りになる。雪の状態が良いのでアイゼンを着けずに快適に登る。途中で今日10人目で最後の登山者とすれ違った。焼山まで行くとの事だ。鬼ヶ岩を過ぎると棚沢の頭、不動ノ峰と続く。不動ノ峰の下りは広々として気持ちが良い。右手には丹沢山から塔ノ岳、鍋割山の稜線が広がる。
大きく下ってコルから丹沢山の登りが始まる。あまり急な傾斜ではないが直登ぎみなので滑らないように気を使う。樹林帯を登り、小屋が見えるといったん下り、少し登り返す。小屋には人影は無く、静かな丹沢山の山頂で一休みする。ここから眺める蛭ヶ岳はとても大きく見える。
塔ノ岳の山頂には小屋が見える。塔ノ岳へは小さな登下降が続き、途中の竜ヶ馬場からの大山や相模湾の眺めも良い。最後の登りが終わると塔ノ岳に到着した。小屋には人影が有ったが、山頂には誰も居ない。箱根の山は雲の中だが相模湾が広々と望める。振り返ると蛭ヶ岳の雲が切れて白い山頂が見えた。
後は大倉尾根を下るだけである。ヘッドランプをポケットに入れて出発する。楽なはずの大倉尾根の下りに意外とてこずってしまった。下るに連れて日当たりの良い尾根の雪が融けて踏まれて凍りついている。ここまでアイゼンを着けずに快適に歩いて来たのに、慎重に下らざるを得ない。5時を過ぎると右手に夕日が、左手に町の明かりが輝き、なかなかの眺めである。
やがて樹林に入ると真っ暗になり、ヘッドランプの明かりを頼りに下るようになる。暗闇の下山は意外と時間がかかり、大倉のバス停に着いた時には6時20分頃になっていた。渋沢から小田急で多摩へ向かい、8時過ぎに帰宅した。
通常は1泊のコースだが早朝に出発すれば日帰りも可能である。日帰りの場合、大倉のバスは夜の8時代まであるが、焼山の方は冬の休日には1日に2本しかバスが無いので事前に時間を確認する必要がある。ルート上には危険な所は無いが、蛭ヶ岳と塔ノ岳の間は登下降が多いので時間がかかる。
1月9日 | 標高 | 到着 | 出発 |
多摩 | 115 | − | 6:03 |
橋本 | 140 | 6:10 | 6:20 |
焼山登山口 | 297 | 7:10 | 7:18 |
焼山 | 1060 | 9:05 | 9:12 |
大平分岐 | 1200 | 9:59 | 10:04 |
姫次 | 1420 | 10:51 | 11:00 |
蛭ヶ岳 | 1673 | 12:40 | 12:49 |
丹沢山 | 1567 | 14:35 | 14:41 |
塔ノ岳 | 1491 | 15:56 | 16:03 |
大倉 | 293 | 18:25 | 18:38 |
渋沢 | 166 | 18:52 | 19:01 |
多摩 | 115 | 20:13 | − |