岩稜登山

北アルプス  前穂高岳  3090m   奥穂高岳  3109m
まえほだかだけ        おくほだかだけ




2005年9月22日〜23日

9月22日 新宿=
9月23日 =上高地〜岳沢ヒュッテ〜紀美子平〜前穂高岳〜紀美子平〜奥穂高岳〜穂高岳山荘

三連休を利用して前穂高岳、奥穂高岳、西穂高岳を縦走しました。台風17号が接近する中、悪天候も覚悟しましたが、大陸の高気圧のおかげで好天の穂高を満喫しました。


9月22日

夜11時に新宿の都庁地下駐車場から上高地行きの夜行バスに乗る。11時半に消灯になり、眠りにつく。

9月23日

5時半に沢渡に着くまで良く寝た。沢渡で環境対応のバスに乗り換え、上高地へ向かう。上高地のベンチで朝食を取り、河童橋へ向かって歩く。予想に反して岳沢の穂高の稜線がすっきりと見える。梓川の右岸を行き、林道の分岐から岳沢へ入る。



朝日に輝く穂高の山々。


しばらく暗い樹林の登りが続く。岳沢ヒュッテまでは10から0間での番号が入った道標がある。1660m付近になると樹林が切れ、穂高の稜線が見えるようになる。程よい傾斜の登山道を気持ち良く歩く。天狗沢が正面に望めるようになると頭上に小屋が見える。やがてトラバース道から岳沢へ入る。岩がゴロゴロした岳沢を少し登り、岳沢ヒュッテに到着する。小屋のベンチで一休みする。



1660m付近の樹林から望む大正池。




1740m付近の石段を行く。




1760m付近から見上げる西穂高岳の稜線。




同じく天狗ノ頭(中央)とコブ岩ノ頭(右)。




同じく天狗ノ頭、ジャンダルム、ロバの耳と奥穂高岳山頂(右)。




2080m付近から見上げる岳沢上部の吊尾根。




同じく前穂高岳山頂。




岳沢ヒュッテが見える。


岳沢の右岸の小屋から左岸に渡る。少し沢の中を登って行くとテント場になる。さらに樹林の中を登って行くと右に明神側へ斜上するようになり、次第に急登になってゆく。かなり切り立った急登になると2400m付近に垂直なハシゴがある。これを越えて登って行くと2511mの「カモシカの立場」に着き、一休みする。岳沢を見下ろし、穂高の稜線の眺めが良い所だ。



2300m付近から間ノ岳(左)と天狗ノ頭(右)を望む。




2400m付近のハシゴの登り。




カモシカの立場でジャンダルムをバックに。


さらに急登は続き、簡単なクサリ場を次々と越える。森林限界を越えて展望が開けてくると2668mの「岳沢パノラマ」に到着する。ここでひとまず急登から解放される。ルートは尾根状になり傾斜も緩みハイマツ帯を行く。トラバースぎみの歩きやすい道から2850m付近の小さな岩峰をハシゴで下る。頭上には前穂高岳が聳え、その手前の紀美子平には人影が見える。沢のガレを登る辺りから再び急登になり、クサリ場も出てくる。急登を続け紀美子平に到着し、一休みする。



簡単なクサリ場を次々と越える。




頭上には前穂高岳が迫る。




「岳沢パノラマ」からの展望。
左から西穂高岳、間ノ岳、天狗ノ頭。




2690m付近から見上げる前穂高岳。




2770m付近の傾斜の緩んだハイマツ帯を行く。




「岳沢パノラマ」を見下ろす。




2800m付近からジャンダルムとロバの耳。




同じく奥穂高岳の山頂を望む。




2850m付近の小さな岩峰をハシゴで下る。




階段状の岩を越えると紀美子平だ。


前穂高岳の山頂へはあまり傾斜がきつくなく、比較的歩きやすい道が続く。途中にザレたガリーの登りの手前で右にV字に曲がり岩稜に取り付く所がある。右手の明神岳が眼下に見えるようになり、前穂高岳に到着する。正面に迫力の有る北尾根が望める。



紀美子平から前穂高岳への登り2930m付近。




頂上直下から梓川を見下ろす。




同じく明神岳を見下ろす。




山頂から北尾根を見下ろす。




意外と広い前穂高岳山頂。




奥穂高岳と涸沢岳(右)を望む。




北穂高岳(左)の奥に聳える槍ヶ岳。


紀美子平へは同じ道を下る。紀美子平からは奥穂高岳へ向けて吊尾根を行く。しばらく岳沢側の巻道の下りが続く。所々、岩のへつりがあるが道が整備されているので安心して歩ける。岳沢側はあまり切れていないので高度感もあまり感じ無いで歩ける。振り返ると前穂高岳に突き上げる北尾根が迫力有る。最低鞍部を過ぎて少し登った辺りで一休みする。



紀美子平から吊尾根に入る。




岳沢側にしっかりと道が刻まれている。




前穂高岳と北尾根四峰。




北尾根の四峰(右)、五峰、六峰(左)。




吊尾根中間点から岳沢を見下ろす。




中間点から奥穂高岳への登りが始まる。




涸沢を見下ろす。




屏風ノ頭の向うに常念岳が聳える。




北穂高岳東稜。


岳沢側を登って行くと3100m付近に30m程のスラブ状の登りがある。クサリが有るが、傾斜があまり立っておらずホールド、スタンスが豊富なので容易に越えられる。稜線を登り南稜ノ頭を過ぎると程なく奥穂高岳に到着する。奥穂高岳の山頂は霧に包まれ、展望は利かなかった。



3100m付近のスラブ状の登り。




クサリが有るが、スタンスが豊富なので容易。




南稜ノ頭が見えると頂上は近い。




奥穂高岳の山頂が見えた。




奥穂高岳の山頂にて。


西穂高岳へのルートを左に見て、西の尾根を少し標識にしたがって右に曲がる。槍ヶ岳方面へ向けて歩きやすい広い尾根を下って行くと、次第に傾斜がきつくなり左に滑落者止めのネットが見える。眼下に穂高岳山荘が見えるようになると鉄ハシゴの上に出る。垂直なハシゴを2つ下ると穂高岳山荘の立つ白出のコルに到着した。



穂高岳山荘への鉄ハシゴの下り。




穂高岳山荘から見上げる奥穂高岳からの下り。


小屋は賑わっており、ゆったりとはできない様子だ。明日の支度を済ませて6時の夕食までウトウトする。夕食後、気持ち良く布団に入ったが、深夜になってかなり暑くなった。

上高地から奥穂高岳まで行く場合、岳沢で切るべきかどうか悩ましい。岳沢ヒュッテが上高地に近すぎるので岳沢で切る判断は難しいが、午後に雷などの悪天が予想される場合は岳沢ヒュッテで切るべきであろう。稜線に出てしまったら逃げ場が無い。前穂高岳までは急峻な登りが続くので体力勝負である。

9月23日 標高 到着 出発
上高地 1503 6:04 6:37
分岐 1530 6:52
岳沢ヒュッテ 2173 9:01 9:17
クサリ場 2418 10:02
カモシカの立場 2511 10:20 10:31
岳沢パノラマ 2668 11:05
紀美子平 2912 12:07 12:22
前穂高岳 3090 12:57 13:12
紀美子平 2918 13:40 13:50
最低鞍部 2822 14:12
岩稜 2985 14:47 14:55
クサリ場 3097 15:26
南稜ノ頭 3145 15:39
奥穂高岳 3190 15:51 16:04
穂高岳山荘 2996 16:38
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