冬山入門

八ヶ岳  西岳  2398m
にしだけ




2005年1月8日

1月7日 多摩=原村
1月8日 原村=富士見高原〜西岳〜富士見高原=原村

昨年12月の八ヶ岳は例年に無い雪不足でしたが暮れに2日間ほど降ったので、予定通り八ヶ岳で雪の西岳を登りました。一名先行する人がいたのでトレースの無い雪山歩きの予定は崩れましたが、静かな雪山歩きを堪能できました。


1月7日

夜8時過ぎに多摩を出発し原村へ向かう。3連休の前夜であるが混雑はなく中央高速を順調に走る。小淵沢の先から雪が舞いだしたが、積る程の雪ではない。原村の家に到着し寝るころには雪は止んでしまった。

1月8日

6時に起床すると外は良い天気だ。冷え込みもさほどではない。朝食を済ませて7時半に出発した。雪道をノロノロと慎重に走ったが8時前に富士見高原スキー場に到着した。

スキー場の駐車場を右に見て少し行くとゴルフ練習場があり、そこの駐車場に車を止める。既に1台の車が止まっていたので行き先をたずねると、西岳とのこと。トレース無しの期待は崩れ、残念。彼は我々が支度をしている間にスノーシューを履いて出発した。



駐車場で準備完了。


練習場の階段を登り、登山道の看板に導かれて練習場の北側から樹林の中に入る。少し雲が有るが、見上げる北岳と甲斐駒ヶ岳が素晴らしい。しばらく鹿やウサギの足跡を見ながら雪の山道を歩く。丸木橋で左に小さな沢を渡り、一登りで林道に着く。



ゴルフ練習場から見上げる北岳と甲斐駒ヶ岳。


練習のためここでアイゼンを着ける。斜め右に編笠山への登山道が分かれて行くが、我々は斜め左の林道を進む。10分ほど林道を歩くと不動清水に到着した。ここにはトイレやベンチが有り、一休みする。

再び山道になり、山頂へ向けて真っすぐ登ってゆく。登るにつれて少しづつ傾斜がついてくるが楽な直登である。2つ目の林道との交差点で一休みする。



静かな樹林の中を歩く。


さらに単調な樹林の登りが続く。雪は年末に降っただけのようで量は少ない。さらさらの雪なので抵抗は無いが、時々雪の中に隠れた石を踏んでしまうので足首への負担が大きい。再び林道と交差して少し登って振り返ると南アルプスや中央アルプスの展望が広がる。しばらく展望を楽しんでから登り始めると、前方の樹林の樹氷が素晴らしい。



見上げる樹氷が素晴らしい。




入笠山の向こうに中央アルプスが聳える。




とても気持ちの良い樹林の中を登る。


再び樹林の登りになり、少し登った所で一休みする。長い樹林の登りが続く。登りはしだいに急になってきたが、単調な登りである。頂上までもう少しの所で樹間の編笠山を望みながら一休みする。



長い樹林の登りが続く。


狭い樹林の中の登山道を登って行くと、やっと頂上直下の開けた場所に出た。久々に展望を得た感じだ。眼前に編笠山がせまり、その左に富士山が控えめに見えている。甲斐駒ヶ岳を中心とした南アルプスが堂々と聳えている。



眼前に編笠山がせまる。


先行していた男性はここで引き返したようで、トレースは無くなった。岩がゴロゴロした雪の斜面を登り、再び樹林の急登になる。少し我慢して登って行くと西岳の山頂に到着した。記念撮影をしてから周囲の山々の展望を楽しむ。



西岳の山頂はもうすぐ。




新雪を踏んで山頂へ向かう。




西岳の山頂にて。


山頂の北側は低い樹林になっておりあまり開けていないが、天狗岳や硫黄岳を望むことができる。白い阿弥陀岳や赤岳の眺めが素晴らしい。そして、旭岳やギボシ等を従えてひときわ尖った権現岳も凄い迫力だ。さらに右には富士山を従えた編笠山が堂々としている。



迫力ある阿弥陀岳。




すっかり白くなった赤岳。




ひときわ尖った権現岳。




富士山を従えた編笠山。


正面に、北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳等の南アルプスの山々が堂々と聳えている。富士見パノラマスキー場で目立つ入笠山の向こうには中央アルプスの空木岳、宝剣岳、木曽駒ヶ岳が望める。その右には真っ白な木曽の御岳山、雲に覆われた乗鞍岳が見える。残念ながら北アルプスの山々は樹林の陰に隠れている。

今日は冬型の気圧配置なので山頂でゆっくりできるとは思わなかったが、今日は冬の八ヶ岳とは信じられない程、穏やかな天気である。日没前に下山できそうなので山々の展望を楽しみながら、山頂での贅沢な昼食で時間を過ごした。

下りは意外に急に感じた。4人で踏んだお陰で少しは歩きやすい。それでも雪の下に隠れた石に気をつけながら下って行く。どんどん下り、林道の少し上の見晴らしの有る所で一休みする。ここまで下ると甲斐駒ヶ岳が高く感じる。



下りは意外に急に感じた。


傾斜の緩んだ単調な樹林の道を下って行く。朝に比べて雪は少し解けてきたようだ。今日はラッセルの練習ができる場所が無かったので、明日にする。不動清水で一休みした後、アイゼンを外して下る。ゴルフ練習場まで下ると、スキー場の向こうに聳える甲斐駒ヶ岳の夕景が素晴らしい。



南アルプスの下に白く輝く山麓。




見上げる甲斐駒ヶ岳と鋸岳。


駐車場に到着し、車で近くの鹿の湯へ行き、山の疲れを癒す。原村の食堂で夕食を済ませた後、原村の家で歓談して10時に就寝した。外は快晴で、空は満天の星が輝いていた。

西岳は八ヶ岳の中では低い山であるが、登山口の高度が低いので標高差は千メートルある。年によっては上部でラッセルに苦しめられる事も有り侮れない山である。冬の入山者が多い八ヶ岳にあって、静かに楽しめるのが良い。

1月8日 標高 到着 出発
原村 1225 7:35
富士見高原 1340 7:54 8:20
林道 1485 8:50 9:25
不動清水 1510 9:38 9:46
林道/TD> 1730 10:27 10:38
樹林帯 2020 11:38 11:47
編笠山展望 2220 12:42 12:50
西岳 2398 13:33 14:10
見晴し 1940 15:06 15:14
不動清水 1510 15:56 16:10
富士見高原 1340 16:35 18:00
原宿 1040 18:20 18:58
原村 1225 19:07
閉じる