唐沢鉱泉から

八ヶ岳  天狗岳  2646m
てんぐだけ




2004年10月16日

10月15日 多摩=原村
10月16日 原村=唐沢鉱泉〜黒百合ヒュッテ〜東天狗岳〜西天狗岳〜唐沢鉱泉=多摩


10月15日

夜8時に多摩を出発し、中央高速で原村を目指す。道路は空いていて快調に走り、原村に到着した。素晴らしい星空なので家に入る前に近くの公園の駐車場に行きしばらく星空を眺めた。

10月16日

朝5時に起床し、ゆっくりと朝食をとる。今日の天気予報は晴れだが、まだ空は雲に覆われている。7時過ぎに出発し、近くの公園に寄ってみる。予想通り北アルプスの素晴らしい展望だ。雲海が広がり、その向こうに槍穂高が輝いている。



朝日に輝く新雪の槍穂高。


八ヶ岳を右手に見ながら鉢巻道路を走り、右手に美濃戸口への道を見て、チェルトの森へのダートを走る。正面の雲海へ向かって走って行くと、右手に甲斐駒ヶ岳が現れた。

チェルトの森の先で左に大きくU字に曲がり、すぐに三井の森へ右折する。ゴルフ場の脇を抜け、T字路にぶつかり右折する。唐沢鉱泉へ向けてどんどん登る。右に桜平への道を見ると、道はダートになるが平らな走りやすい道である。途中寄り道をしたので遅くなってしまったが8時に唐沢鉱泉に到着した。

唐沢鉱泉のトイレは室内なので靴を脱いでトイレを借りる事になる。車を下の無料の駐車場へ移し、軽くストレッチをして出発する。西天狗岳への道を右に見て唐沢沿いに幅の広い道を真っすぐ登って行くと右手に橋があり、これを渡る。しばらく斜面の登りになるが、やがて沢に沿って登るようになる。振り返ると木曽の御岳山が見えた。しだいに樹林の中の登りになり、広い場所で一休みする。



唐沢鉱泉で軽くストレッチをして出発。




振り返ると雲海の上に木曽の御岳山が見えた。


さらに登ると左の沢が近づいてきて、渋の湯からの道を合わせる。ここからは沢とからみながらの樹林の登りになる。苔むした岩がゴロゴロしていて北八ヶ岳らしい風情だ。ここで一休みして、さらに黒百合平へ向けて登る。左に中山末端の岩が積み重なった山肌を見るようになると黒百合平は近い。11時に黒百合平ヒュッテに到着した。小屋の前のベンチで一休みして、トイレ(200円)を使わせてもらう。



苔むした岩が北八ヶ岳らしい。




苔むした樹林帯を登る。


小屋からテント場を抜けて、木道を渡り中山峠へ向かう。中山峠では奥秩父方面の眺めが広がり、八ヶ岳の裾野の紅葉も素晴らしい。ここでしばらく展望を楽しんでから東天狗岳へ向かう。



黒百合ヒュッテを後に中山峠に向かう。




中山峠から望む奥秩父の金峰山。


しばらくは左手に奥秩父の山々を眺めながらの樹林帯の登りが続くが、樹林が切れると素晴らしい展望に包まれる。右手には御岳山、乗鞍岳に続いて穂高の山々、槍ヶ岳、そして後立山の山々が連なっている。登るに連れて後方には浅間山を中心とする上越の山々、左手には上州から奥秩父の山々が連なる。時々立ち止まって眺めを楽しみながらゆっくり登り、展望の良い岩峰の上で休憩しながら展望を楽しむ。



左が東天狗岳、右が西天狗岳。




稲子岳の南壁と紅葉。




東天狗岳の手前の岩峰を望む。




穂高、槍ヶ岳、後立山の山々が連なっている。


双眼鏡を覗くと、白馬岳の右に雨飾山から焼山、火打山、妙高山が連なっているのが見える。また、四阿山と浅間山の間に横手山が見え、その右奥に先週登ったばかりの岩菅山も見える。今日は高層に雲が有り曇りの天気だが、とても遠望が利く。さらに、北アルプスの上空は晴れていて昨日降ったばかりの雪が白く輝いている。



黒い煙をはく浅間山。




黒百合ヒュッテを見下ろす。蓼科山の向こうに素晴らしい展望が広がる。


気持ちの良い稜線を登って行くとしだいに傾斜がきつくなってゆく。次の岩峰横のクサリのあるガリーを登って少し下った所で西天狗岳を眺めながら一休みする。気温は10度以下で少し寒いが、風も弱くゆっくり休める。



クサリのあるガリーを登る。


東天狗岳の山頂に近づくと南アルプスの山々も見えてくる。赤岳や阿弥陀岳の向こうに南アルプスの北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈岳が聳えている。その右には木曽駒ヶ岳を中心とする中央アルプスが望める。双眼鏡で見ると宝剣岳が小さく尖って見える。頂上付近も風が弱く、お湯を沸かしてラーメンを作り、コーヒーを飲みながら360度の展望を満喫する。



北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈岳が聳えている。




東天狗岳の山頂に立つ。




素晴らしい展望の中で昼食。


西天狗岳へは一旦コルへ下ってから、ほぼ同じだけ登り返す事になる。登りは少しガレたいやな登りに見えるが、難無く楽に登れる。山頂からは紅葉した八ヶ岳の山肌を眺める事ができる。



振り返る東天狗岳。




西天狗岳の山頂にて。




硫黄岳の右に横岳、赤岳、中岳そして阿弥陀岳。


西天狗岳からの下りは大きな岩がゴロゴしていて難渋する。丸印に沿って下るが、ルートははっきりしているので間違える事は無い。下り切ったコルは樹林の中で、少し登り返すと第二展望台に出る。ここからの西天狗岳の下りは凄い急斜面に見える。少し休んで、八ヶ岳や南アルプスの山々を眺める。高層の雲と青空との境界線が本州を縦断するように引かれている。



御岳を望む。高層の雲と青空との境界線がきれいだ。




西天狗岳からの下りは大きな岩がゴロゴしている。




西天狗岳の下りは凄い急斜面に見える。


以前の崩壊の上の道は崩れてしまい、新しい道が尾根の右側にできているので危険は無い。しばらくは樹林の中の登下降が続く。再び樹林を抜けると第一展望台である。眼下の鳴岩川あたりの紅葉は八ヶ岳には珍しく赤が多く鮮やかだ。



今日の雲はとても素晴らしい。


再び樹林の下りが始まる。尾根が不明量になり斜面の下りになると急速に高度を下げ、途中で一休みしてさらに下ると枯尾ノ峰へ向けて尾根通しに下る道と別れて右に唐沢鉱泉への道を下る。この下りは右へ左へと水平な下りが多くなかなか高度が下がらない。日暮れの時間が近づいてきたので途中で休んでヘッドランプを出す。さらに下って行くと正面に槍穂高の夕景が見えた。そろそろヘッドランプに灯を灯す時間だ。



槍穂高が夕日で赤く燃えている。


この下りはなかなか高度が下がらないばかりではなく、岩や木の根で足元が不安定である。おまけに暗くなるとルートも分かりにくくなる。さすがにルートを誤る事は無かったが、闇夜に下るのに適さない道である。

樹間から唐沢鉱泉の宿の明りが見えるようになると橋の上に出る。橋を渡り、駐車場の車に着いたのは6時であった。6時から夕食なので浴場は空いているはずだ。計ったかのようにちょうど良い時間に到着した。車から温泉セットを持って、宿の浴場へ向かう。

桧造りの温泉で汗を洗い流しゆったりと湯に浸かる。今日一日の素晴らしい眺めを思い浮かべながらのリラックスしたひとときである。7時過ぎに唐沢鉱泉を発って、原村の「ペチカ」で夕食を済ませて、諏訪南から中央高速に入る。久しぶりに渋滞の全く無い中央高速を走り、11時前に無事帰宅した。

天狗岳は北八ヶ岳では展望の良い山で、天気の良い日に登りたい。黒百合ヒュッテに泊まれば楽な山行ができる。バスが入る渋の湯からのルートが一般的だが、西天狗岳にも登るなら唐沢鉱泉からのルートが便利だ。稲子湯からのルートも良い。

10月16日 標高 到着 出発
原村 1225 7:03
唐沢鉱泉 1870 8:00 8:18
樹林帯 2050 9:09 9:14
唐沢上部 2205 9:59 10:04
黒百合ヒュッテ 2390 10:50 11:12
中山峠 2410 11:21 11:23
展望 2460 12:02 12:12
頂上直下 2610 13:01 13:14
東天狗岳 2640 13:23 14:18
西天狗岳 2646 14:42 14:49
第二展望台 2500 15:33 15:43
第一展望台 2416 16:13 16:22
尾根上 2190 16:52 16:58
唐沢鉱泉 1870 18:05 19:11
原村ペチカ 1015 19:47 20:35
多摩 115 22:49
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