レンゲツツジの山

南アルプス  甘利山  1731m /千頭星山  2139m
     あまりやま/せんとうぼしやま




2004年6月13日

6月13日 多摩=広河原登山口〜甘利山〜千頭星山〜甘利山〜広河原登山口=多摩

週末は八方尾根と甘利山へ行く予定でしたが、あいにくの台風上陸のため八方尾根は中止にしました。甘利山のレンゲツツジは昔のような素晴らしさは見られないようですが、今年は特にできが悪いようです。しかし、素晴らしい鳳凰三山の眺めや新緑の山が十分に楽しませてくれました。


6月13日

朝起きると雨がザーザー降っていた。天気の回復が遅れているようだ。6時に自宅を出発し、豊田駅を回って中央高速で韮崎へ向かう。中央高速を順調に走り双葉SAで一休みした後、韮崎で降りる。

20号線を少し甲府方面に戻り、甘利山方面へ右折する。集落を抜けて山登りになる手前で止められて地図を渡された。朝9時から午後3時まで上り専用の一方通行になるため、下りための林道の地図であった。

ツヅラ折れの道をどんどん上り高度を稼ぐ。すれ違いが困難な所もあるが、舗装されたしっかりした道である。途中、開けた所があり、甲府盆地が一望できる。登山口の駐車場は混んでいたが、幸い第一駐車場に車を止める事ができた。この駐車場には仮設のトイレが有り、テントの出店も有る。

支度をして軽くストレッチをして出発する。「つつじ苑」前の登山口の白板を見ると、今年のレンゲツツジは例年以上の不作だとの事である。比較的ツツジの多い真ん中のルートを登るが、確かにツツジの花は少ない。それでも所々に咲く元気な花に歓声を送りながらゆっくりと登って行く。



賑わう駐車場から「つつじ苑」へと進む。




「つつじ苑」周辺のレンゲツツジ。


やがて左からのメインルートを合わせ、少し登るとベンチのある平坦地に着く。この辺りは一面のレンゲツツジの野原だが、そのほとんどが枯れかけていて、花はポツポツとしか咲いていない。一面のレンゲツツジの花という光景からは程遠いが、何とか楽しめる。木道を歩いて、一登りすると甘利山の頂上に到着し、一休みする。雲は多いが八ヶ岳や金峰山の眺めを楽しむ事ができた。



新緑と笹原の中を気持ち良く歩く。




一面のレンゲツツジの野原だが。




ひっそりと咲くスズランの花。




甘利山から金峰山を望む。




甘利山の山頂にて八ヶ岳をバックに。


甘利山から下る道は何本かあるが千頭星山への道には道標がついている。南側へ一旦下り、奥甘利山への登りが始まる。少し急登だが、所々にレンゲツツジが咲いており、ウマノアシガタの小さなお花畑もあり楽しめる。道端に咲くマイヅルソウ、ツマトリソウ、タカネグンナイフウロ等を探しながらゆったりと歩く。奥甘利山山頂への道を右に分けると道は下りになり、気持ちの良い笹原の鞍部に着く。ここで八ヶ岳を眺めながら一休みする。



元気に咲くレンゲツツジの花。




雲に浮かぶ八ヶ岳。左に蓼科山が見える。




珍しいギンリョウソウ。




みごとなレンゲツツジの花。




ウマノアシガタの小さなお花畑。




サルオガセがよく見られる。




気持ちの良い鞍部に到着。


鞍部でゆっくり休んだ後はすぐに急登が始まる。登山道は尾根の左側を巻くようについており、カラマツの樹林の中を単調に登って行く。尾根はコブ状になっており二か所の平坦地を過ぎると稜線への最後の登りになる。やがて上方が明るくなり、稜線が近づいてきた。御所山との分岐を過ぎると傾斜は緩くなる。少し登って明るく開けた所で一休みする。



マイヅルソウの群生。


ここからは緩やかな尾根歩きになる。左の樹林が切れた所から雲の上に少し頭を出した富士山が見えた。さらに進むと右手に鳳凰三山の薬師岳が見えた。さらに進むと気持ちの追い笹原が広がり、地蔵岳も見えるようになった。



可憐に咲くイチョウランの花。




鳳凰三山の薬師岳。




オベリスクの地蔵岳。


笹原を過ぎるとしだいに傾斜がついてくる。ふと左下を見ると、甘利山の山頂が箱庭のように見えた。最後の急登を一登りで千頭星山の山頂に到着した。樹林に囲まれた狭い山頂で記念撮影をして来た道を早々に下る。



甘利山の山頂が箱庭のようだ。




千頭星山の山頂にて。


笹原の所まで戻る事にする。甲府盆地の東側の山は濃い雲に覆われているが、こちらは良く晴れている。鳳凰三山の眺めの良い所を選んで昼食にする。今朝の雨が嘘のように夏の日差しが照りつけてくる。昼食後は鳳凰三山や金峰山などを眺めて時を過ごす。ゆったりとした良い時間だ。地蔵岳のオベリスクも太陽を受けて輝いている。



笹原で鳳凰三山を眺めながらの昼食。


残念だがいよいよ下る時間になった。樹林の中の急な下りは木の根が滑りやすいので慎重に下る。そして今朝と同じ八ヶ岳の見える鞍部で一休みして、ゆっくりと南面からの八ヶ岳を眺める。



ゆっくりと八ヶ岳を眺める。




ひっそりと咲くツマトリソウの花。


奥甘利山を過ぎると甘利山の山頂が見えてくる。振り返ると千頭星山が高い。隣の櫛形山もよく見える。急な斜面を下り、一登りで甘利山の頂上に到着し今日最後の展望を楽しみ駐車場へ下る。



甘利山と千頭星山を振り返る。


4時近いのに、この時間でも家族連れが登って来るし、テントの売店も賑わっている。地元の人が多いのであろう。車で舗装された山道を快適に下り、甲府の「やまなみの湯」に向かう。

ゆっくりと温泉で温まり、外のベンチで櫛形山を眺める。今日は暑くも寒くもない、良い気候だ。帰りは甲府南から中央高速に乗る。上野原と小仏トンネルで渋滞があったがあまりひどい渋滞ではなく、8時半には無事に帰宅した。

甘利山のレンゲツツジは今年は特に不作のようだが、枯れている株が多いので例年もあまり期待はできない。千頭星山付近の笹原からの眺めが素晴らしいので、あくまでも登山を目的に登り、レンゲツツジの花はその付け足し程度に考えるのが良い。地味だがマイヅルソウなどの花も道端に咲いており、楽しめる。タクシー利用であれば夜叉神峠からの縦走も楽しめる。

6月13日 標高 到着 出発
堀之内 115 5:55
双葉SA 370 7:40 7:50
広河原登山口 1640 8:30 8:54
甘利山 1731 9:22 9:37
鞍部 1800 10:20 10:29
稜線 2060 11:27 11:37
千頭星山 2139 12:10 12:13
笹原 2070 12:26 13:25
鞍部 1800 14:17 14:27
甘利山 1731 15:11 15:29
広河原登山口 1640 15:50 16:06
やまなみの湯 250 17:08 18:08
堀之内 115 20:42
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