春山入門の山

信州  草津白根山  2150m
くさつしらねさん




2004年5月8日

5月7日 多摩=原村
5月8日 原村=志賀高原=白根火山〜逢ノ峰〜本白根山〜鏡池〜白根火山=上田=原村

今週は春山入門として、八ヶ岳のニュウと草津白根山を登る計画でした。しかし、日曜日は雨の予報なので、土曜日に草津白根山を登りたっぷりと雪と楽しんで来ました。意外に雪が多くてこずり、少しハードでしたが、充実した春山入門になりました。


5月7日

予定通り夜8時に自宅を出発し、豊田駅を経由して原村に向かう。連休明けのせいか中央高速は空いており、順調に10時半過ぎに原村に到着した。ミーティングをして、12時過ぎに就寝した。日曜日は雨なので、予定を変更して土曜日に草津白根山を登る事にする。

5月8日

朝、5時半に起床し6時に出発する。諏訪ICから中央高速に入り、右手に諏訪湖を眺めながら快適に走る。松本を過ぎ、梓川SAで朝食にする。朝もやがだんだん消えて来たので、展望の良い東屋で食べる。常念岳を中心に蝶ヶ岳から燕岳への稜線を眺めながらの豪華な朝食になった。

豊科から山を越えて長野に出る。新秋中野ICで高速道路を出て志賀高原へ向かう。志賀中野道路を走り湯田中の道の駅でお土産の野菜を買う。しだいに山の中に入って行き、雪の無いスキー場の間を登って行く。気持ちの良い木戸池で一休みする。



気持ちの良い木戸池で一休み。


さらに行くと正面に笠ヶ岳が見え、熊の湯を過ぎる。熊の湯や横手山のスキー場は部分的だがリフトも動いており、スキーを楽しんでいる人がいた。横手山手前の展望の良い所に車を止め、しばらく展望を楽しむ。見上げる横手山の右にこれから登る白根山が連なり、その右には四阿山が雲上に浮かんでいる。さらに右の北アルプスは鹿島槍から白馬まで見えるが少し霞んでいて明確ではない。さらに右には黒姫山や妙高山が望める。



横手山を見上げる。




万座山の向うに草津白根山が望める。




妙高山を望む。


スキーヤーで賑わう渋峠を過ぎ、白根山へ向けて下る。芳ヶ平を左に見下ろしながら回り込み、万座への道を右に分けると白根火山の駐車場に到着する。ここで登山の支度をして、トイレを済ませ、観光客で賑わう白根山のお釜を背に10時半に本白根山へ向けて出発する。

まず、逢ノ峰への登りを行く。わずか100メートルの登りだが、右手の弓が池が眼下に見え、振り返ると白い白根山の湯釜を登る人が小さく見える。途中から雪道になり、さらに登ると六角形の展望台がある逢ノ峰の山頂に到着する。ここからの横手山方面の眺めも良い。



白根山の湯釜をバックに登る。




白根山の湯釜は遥か下に見える。


しばらく眺めを楽しんでからゴンドラ駅のあるコルへ向けて下る。すぐに雪が無くなり、雪の無いゲレンデをジグザグに下って行く。右手には登山道もつけられている。コルには白根火山駐車場からの車道もあり、帰りは楽ができる。



本白根のスキー場の奥が本白根山。


コルから本白根山への登りが始まる。鏡池コースは帰りに使う事にして直登コースを登る。すぐに雪道になり、雪の詰まった沢状の登りになる。登り切ったコルの手前でルートを左にとる。沢には通行禁止のロープ張ってあり、このまま沢沿いに登って行かないようになっている。この辺りは間違えやすい場所だ。

左の稜線上の樹林の中を行くと正面に2171mの本白根山最高峰が見えた。やがて雪の斜面のトラバースが始まった。危険な場所ではないが、念のため6本歯のアイゼンを着けて行く。雪が腐っているのでステップを崩さないように注意して歩く。40メートル程でトラバースは終わり、雪の無い歩きやすい登山道になった。



稜線上の樹林の中を歩く。




アイゼンをつけて雪の斜面のトラバースを行く。


樹林の2171mピークを右上に見てトラバースして行くと旧火口に到着し、水の涸れた本白根山の火口を覗く事ができる。さらに下り気味にトラバースして行くと分岐に着き、ここで昼食にする。



旧火口から本白根山の外輪山と火口を望む。




外輪山の岩峰をバックに。


昼食後、遊歩道最高点まで散歩する。この辺りは今は瓦礫の広場だが、夏になればコマクサのお花畑になる。雲が出て来て北アルプスの山は望めないが、眼下に草津の町が見下ろせる。最高点のベンチからは横手山や笠ヶ岳が眺められる。本白根山最高峰の2171mピークには道は無い。



夏にはコマクサが咲く本白根山遊歩道を歩く。




気持の良さそうな絨毯。




本白根山の火口方面。




本白根山遊歩道の最高地点。


同じ道を分岐に戻り、近くの岩峰のあるピークに登る。分岐に有った案内板ではこのピークが山頂となっていたが、頂上には遭難碑が有るだけで山頂を示す看板は無い。



近くの岩峰のあるピーク。


鏡池へ向けて外輪山の上の道を下る。樹林に入ると雪道になり、少し行くと右下に鏡池が見下ろせる。ここも噴火口である。雪庇状の雪の上を下って行くと鏡池下降点に到着し少し休む。池の水中に亀甲状の岩を見る事ができた。



外輪山から鏡池を見下ろす。




鏡池をバックに。


登山道は池と反対につけられている。トラバース状に古びた長い桟橋がつけらており、一人づつ歩くように注意書きがある。左前方に逢ノ峰が見えた。ここめで来ればコルは近い、と思ったが下降点を見失ってしまい少し薮をこぐ事になってしまった。廃止されたリフトの上に出て、さらに先に行ってみたが良い道が見つからないので、リフトの下の薮の薄い所を下る事にする。



古びた長い桟橋を慎重に歩く。


アイゼンを着け、念のためロープをつないで下る事にする。上部は急斜面だが、まばらに樹木が有るので心配は無い。斜面が緩くなった辺りで右の樹林の中に登山道を発見した。しかし左手の樹林の中にはそれらしい道は見つからない。さらにスキーコースまで下る事にする。雪の無いスキーコースに降り立ち一休みする。



下ってきたリフト下の急斜面。


コルへ向けて緩やかなスキーコースを登って行く。コルの下の急斜面はどこも登りつらそうだ。とりあえず登山道の所まで登ってトラバースすることにする。再びアイゼンを着けて、ロープでつないで行く。キックステップでステップを作りながら斜上して行く。雪が腐っているのでステップが崩れやすい。スキー場のゲレンデなので滑っても危険は無いが、ストックで確保しながらゆっくり慎重に登る。登るに連れて斜面は急になってきた。あと数メートルの所でステップが崩れて難航したが、何とか急斜面を登りきった。



ロープで繋いで最後の急斜面を登る。


コルから車道を通って駐車場へ向かう。もう6時になっていた。おかげで弓池で湖面に浮かぶ太陽を見る事ができた。いつの間にか霧がたちこめてきて、白根の湯釜は霧に包まれてしまった。時間も遅いので今日は湯釜は断念して、車に乗る。



弓池の湖面に浮かぶ太陽。


夕暮れの道を万座温泉に下ると本白根山が遥か頭上になって行く。万座の立派なホテルを右に見て、万座ハイウェーを下って行く。新緑の道を下り万座鹿沢口に着く頃には暗くなっていた。車にガソリンを入れ夜道を上田に向かう。途中の真田温泉で汗を流す。古い小さな温泉だが料金が300円と安く感じもよい。さらに下って上田の町で夕食にする。後は夜道を1時間半走って夜の11時前に原村に到着した。

本白根の鏡池コースは北斜面なので雪が多い。古びた長い桟橋を過ぎて稜線に出た所から草津側に下るポイントがわかりにくい。リフトの下を下った方が間違えが無いだろう。

5月8日 標高 到着 出発
原村 1225 6:05
梓川SA 580 6:50 7:39
湯田中 560 8:37 8:59
木戸池 1625 9:20 9:26
横手山手前 1980 9:38 9:58
白根火山 2000 10:13 10:39
逢ノ岳 2110 11:02 11:13
雪渓 2130 12:23 12:29
本白根山外輪山分岐 2115 13:02 13:33
遊歩道最高地点 2150 13:49 13:55
本白根山外輪山分岐 2115 14:03 14:06
本白根山 2140 14:18 14:22
鏡池下降点 2080 14:53 14:56
リフト下 1980 16:25 16:35
白根山頂駅 2030 17:35 17:42
白根火山 2000 18:01 18:14
万座鹿沢口 790 18:55 19:00
真田温泉 1130 19:30 20:11
上田 465 20:35 21:15
原村 1225 22:47
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