2004年5月1日
4月30日 多摩=飯田=広河原臨時駐車場
5月 1日 広河原臨時駐車場〜広河原登山口〜恵那山〜大判山〜鳥越峠〜広河原臨時駐車場=原村
連休の初日に恵那山を登りました。神坂峠から登る計画でしたが、道路事情により広河原から登ることになりました。御岳山、中央アルプスの眺めも良かったですが、昔、大崎君と縦走した南アルプスの仙丈岳から光岳の稜線を一望でき、大変感激しました。
4月30日
夜、8時半に家を出発する。連休初日の前夜とあって中央高速は渋滞こそ無いが、普段の倍以上の車が流れている。そのまま順調に行くかと思っていたら、岡谷JCTの先で5キロの事故渋滞との表示があった。諏訪SA出口の先で数分停止したが、後はゆっくり流れるようになった。事故は伊那北の手前の対向車線であり、こちらの車線は事故見物渋滞であった。
飯田の手前のトイレしか無い座高寺PAでトイレ休憩を取り、飯田で中央高速を降りる。園原ICへ向けて国道を快調に走る。名古屋方面からしか出入口が無い園原ICを過ぎるとしだいに山深くなる。桜が満開の戸沢を過ぎると峰越林道に入る。林道入口にゲートがあり、「崩壊の危険のため1.7キロ先の臨時駐車場の先は通行止め」との事だ。ゲートから林道に入り、まだ車のいない臨時駐車場に車を止める。時間は0時を過ぎていた。今日は神坂峠まで入れなかったので、明日は広河原から登る事にして眠りについた。
5月1日
朝、6時に目を覚ます。もう辺りは明るく、カーテンを開けると2台の車が止まっていた。ゆっくり朝食をとり、支度をして7時に出発する。7時前後に車がどんどん入ってきて15台くらいになり、もうすぐ満車になりそうだ。
広河原の登山口までは2キロの道程だ。林道は水谷川の左岸を行く。すぐにS字のツヅラ折れになるが、後はゆったりと登って行く。道端に咲くマメザクラやツツジの花が目を楽しませてくれた。
トンネルを越えると堰堤があり、広河原は近い。正面に大判山が見え、左にこれから登る尾根が見える。広河原の登山口にはすぐに到着した。広河原の登山口には3台分の駐車スペースがあり、ゲートをどけて入ってきた車が1台止まっていた。落石がありそうな、あまり条件の良くない駐車スペースであり、臨時駐車場から30分歩いて来たほうが得策のようだ。
登山口で一休みした後、一旦河原に降りる。丸木橋で対岸に渡り、尾根に取り付き恵那山への登りが始まる。比較的新しい道だが良く整備されていて歩きやすい登りが続く。
あまり視界の利かない樹林の中の単調な登りが続く。登るにつれて神坂峠から大判山への稜線が見えるようになった。やがて尾根状になり、傾斜は少し寝てくる。芽吹きしているカラマツの樹林の中で一休みする。
1716mピークへ一直線の登りになる。樹間から右手に恵那山のピークが見えるようになり、振り返ると白い御岳山が望める。1716mピークは小さな広場になっているが展望は無い。傾斜が無くなった尾根をさらに進むと左手に南アルプスの山々が見え隠れするようになった。少し登りになった所で一休みして、双眼鏡を取り出し南アルプスの連山を眺める事にする。左から、千丈岳、北岳、間ノ岳と続き少し離れて尖った塩見岳ある。その右には悪沢岳、赤石岳、聖岳の3つの大きな頂が連なる。茶臼岳、大河内岳に続いて光岳があり、大無限山へと高度を下げる。昔、縦走した千丈岳から光岳の稜線を一望できてとても懐かしい。
少し下り、恵那山への登りが始まる。1900メートル辺りから雪の上を歩くようになった。気持ちの良い笹原の小さな雪渓の上でゆっくりと南アルプスを眺めながら休憩する。
少し細くなった樹林の尾根を登る。雪も増え、木の根につかまって登る所もあるが、さして困難は無い。あっけなく稜線に出る大きく右方向に曲がり緩やかな雪の尾根を歩くようになる。展望は無く、薮のうるさい登りだ。やがて人声が聞こえ、三角点のある2190mの三角点が有る山頂に到着した。早速記念撮影をして、昼食にする。
狭い山頂の広場は樹林のため展望は無いが20名以上の人で賑わっている。早々に昼食を済ませ、祠にお参りして、トイレのある避難小屋へ向かう。ここにも大勢の人が休んでいる。我々も一休みすることにした。
小屋の左手から恵那山の2191メートルの最高峰を通り、神坂峠方面へ下る。小さなピークをいくつか越え、薮のうるさい雪の稜線を緩く下って行く。やがて2168mピークに到着した。ここには廃道となっている西方の中ノ小屋ルートとの分岐がある。
分岐から右に直角に曲がり、北東に神坂峠への稜線を行く。上部は尾根状ではなく樹林の急斜面になっている。雪は軟らかいが念のため4本歯の簡易アイゼンをつけて下る。所々雪の落とし穴が有り、歩きにくい。やっと雪の急斜面が終わり、緩い尾根状になった辺りの雪の上で御岳山を眺めながら一休みする。
この先は樹間から正面に中央アルプス、左に御岳山、右に南アルプスの連山を眺めながらの稜線歩きになる。しばらく下ると正面に尖った小ピークが現れ、これを登る。振り返ると大きな恵那山の頂を望む事ができる。
小ピークからの下りは急なうえ雪が凍った所もありてこずる。次の小ピークを越えると左に天狗ナギの崩壊がある。この辺りの登下降は急なので注意が必要だ。崩壊のおかげで左の中津川方面の眺めが広々として気持ちが良い。中央高速を走る車が見える。
いくつかの小ピークを越え、1時間近く歩いてやっと大判山が近づいて来た。稜線は穏やかになり、草原状の中を南アルプスを眺めながら進む。一旦下り、登り返すと大判山の頂上だ。ここからの恵那山も素晴らしい。しかし、思いのほか遠い道のりだ。
大判山を下りしばらく稜線を歩くと後は鳥越峠への巻道になる。この辺りから下に林道が見えるようになるが、残念ながら林道へ下る道は無い。鳥越峠からは稜線通しに神坂峠へ向かう道と「ヘブンスそのはら」のスキー場への巻道がある。
一見楽そうな巻道を行く事にしたが、意外にてこずった。初めは気持ちの良い歩きやすい道だったが、短いが崩壊地の通過も出て来た。途中で一休みするが、その先もしだいに道は細くなり歩きにくくなる。林道は下に見えるが、お互いに水平道なのでなかなか着かない。谷が意外に深く切れ込んでいるので直線距離に比べて歩く距離がとても長い。稜線を行くべきだったかもしれない。鳥越峠から1時間半かかって、やっと林道に到着した。
林道はここから広河原方面が通行止めになっている。先ほどまで眼下に眺めていた林道を、今度は広河原へ向かって逆方向に進む。上からは立派に見えた舗装された林道も老朽化していて、崩壊しそうな壁や沢がいくつもあった。ぐるっと大回りして大判山の下を過ぎ、橋を渡ると広河原は近い。広河原を過ぎるとしだいに黄昏れてきて、駐車場に着くと同時に暗くなった。駐車場にはテントを張って一晩過ごす車が1台いたが、後は我がデリカ1台だ。
すぐに出発して林道を下る。明るい時に通りたかった戸沢の桜は車のライトで見る事で我慢する。戸沢の近くの月川温泉に寄って見たが本日の日帰り温泉は終了とのこと。名古屋方面しか使えない園原ICを過ぎ、飯田へ向かう。途中に昼神温泉郷が有るが、広すぎて日帰り温泉が見つからない。温泉はあきらめて家で風呂に入る事にして飯田に向かう。
飯田でゆっくり夕食を取り、中央高速で諏訪に向かう。道は空いており快調に走る。明日から始まる御柱祭を前にした諏訪の夜景を左に見て諏訪ICを降りる。20号線で茅野へ向かい、10時に無事に原村に到着した。
恵那山への登山路は神坂峠からのルートが一般的だが、途中の小ピークの登下降が多く、距離も長いので早朝に神坂峠を出発する計画でなければ苦しい。広河原からのルートは直登になるので距離も短く短時間で往復でき、南アルプスの眺めが良い。南面の黒井沢からのルートは林道の崩壊が多く、入山者も少なく、展望も良くないのであまりお勧めできない。
4月30日 | 標高 | 到着 | 出発 |
多摩 | 115 | − | 20:25 |
座高寺PA | 600 | 23:27 | 23:30 |
広河原臨時駐車場 | 1145 | 0:18 | − |
5月1日 | 標高 | 到着 | 出発 |
広河原臨時駐車場 | 1145 | − | 7:10 |
広河原 | 1260 | 7:39 | 7:46 |
尾根上 | 1610 | 8:42 | 8:55 |
展望 | 1745 | 9:19 | 9:27 |
雪渓 | 1975 | 10:12 | 10:27 |
恵那山 | 2190 | 11:21 | 12:00 |
避難小屋 | 2180 | 12:10 | 12:19 |
2168ピーク | 2168 | 12:49 | 12:56 |
雪渓下部 | 2040 | 13:13 | 13:20 |
大判山 | 1696 | 15:01 | 15:18 |
鳥越峠 | 1550 | 16:01 | − |
ヘブンス園原水平道 | 1590 | 16:23 | 16:30 |
林道 | 1570 | 17:32 | 17:37 |
広河原臨時駐車場 | 1145 | 18:54 | 19:02 |
飯田 | 585 | 19:50 | 20:45 |
諏訪 | 760 | 21:38 | 21:45 |
原村 | 1225 | 22:07 | − |