伊豆の踊り子歩道から

伊豆  天城峠・八丁池   
あまぎとうげ




2004年4月17日

4月17日 多摩=(車)=旧天城トンネル〜天城峠〜八丁池〜寒天橋=多摩

今回は、すっかり春になった伊豆の山を登りました。当初、深田久弥の百名山であり、伊豆半島の最高峰である天城山の万三郎岳に登る計画でしたが、登山道崩壊のため登山禁止になっており断念しました。そのおかげで天城峠から八丁池までブナとヒメシャラの素晴らしい樹林を歩き、満開のマメザクラに出会うことができました。帰りが遅くなってしまいましたが、天気にも恵まれ素晴らしい時間を過ごすことができました。


4月17日

朝7時に豊田駅を出発し、橋本駅を経由して箱根方面へ向かう。厚木の渋滞を避けて厚木小田原道路に入り、順調に走る。小田原の手前のパーキングで休憩するが、箱根方面は1キロの渋滞との事。小田原西で降りるが、箱根方面の渋滞は動きそうにないのでターンパイクで行く事にする、登りきった大観山で箱根の山を眺める。富士山も見えるが、今日は霞んでいる。大観山からは右に芦ノ湖を見て、左にヤマザクラの咲く山肌を眺めて、素晴らしい景色だ。

熱海峠から伊豆スカイラインに入る。伊豆の山々を眺めながらゆっくり走る。終点の天城高原で伊豆スカイラインを出て天城高原ゴルフ場へ向かう。ゴルフ場クラブハウスの手前を右に駐車場へ入ると、駐車場はガランとしていた。悪い予感がしたが、トイレに行くと「登山禁止」と書かれていた。石南花コースばかりでなく縦走コースも通行止めになっていた。



天城高原ゴルフ場横の駐車場に到着。しかし・・・。


登山口にはロープが張られ、「縦走コースは工事のため4月いっぱいは通行止め、石南花コースは復旧の目処立たず」との事だ。強行して登って行った人もいたが、我々は安全と自然保護のために登山をあきらめる。再び車に乗り天城峠を目指し出発する。伊豆スカイラインを冷峠で出て修善寺方面へ向かい、ショートカットして峠を越えて湯ケ島温泉に出る。南下して天城トンネルを越えて、すぐに左の旧道に入る。寒天林道はワイヤーでゲートが閉じられており、そのまま旧道天城トンネルまで行く。トンネル手前の駐車エリアに車を止めて登山の準備をする。



旧道天城トンネルにて。


トンネルの左に踏み跡があり、これで峠まで登れそうだ。あまり踏まれていないが、所々に赤テープも有り、道はしっかりしている。涸れ沢に沿って暗い樹林を登って行くと頭上が明るくなり天城峠に到着した。



あまり踏まれていない天城峠南側の道。




天城峠に到着。


峠のベンチで行動食を食べながら地図を広げる。八丁池まで行って寒天林道を下れば日没までに寒天橋まで下れそうだ。

天城峠から北に下る道はきれいに整備されている。我々は東に御幸歩道を歩く。御幸歩道は稜線の北側を緩やかな上りで巻いている。とても歩きやすい道だ。しかし八丁池まで5.6キロと距離は長い。マメザクラのきれいな所で一休みする。



ブナとヒメシャラの御幸歩道。




山肌のサクラが気持ちよい。


相変わらず歩きやすい、気持ちの良い道が続くが、沢を横切る所で崩壊している場所もある。左の沢がしだいに上がってきて、藤ガ沢源頭のワサビ田を回り込むと、少しづつだが傾斜が増してきた。ブナとヒメシャラの森になりとても気持ち良く歩ける。コマドリ歩道分岐で一休みする。



藤ガ沢源頭のワサビ田。




満開のマメザクラ。




素晴らしいブナとヒメシャラの森。




毛細血管のように空に伸びるブナの枝。


ここからはアセビの樹林の登りになる。しばらく山登りらしい登りが続き、稜線の近くで寒天林道に到着した。左に少し歩いた所に立派なトイレがあり、ここが展望台への分岐になっている。



アセビの樹林の登り。


鉄でできた展望台は味気無いが、眼下に八丁池が見え良い眺めだ。今日は温かく霞んでいて見えないが見晴らしが良ければ富士山も見えるはずである。東に万三郎岳が聳えている。手が届きそうではあるが、なかなか遠い。



東に万三郎が聳えている。


再び分岐に戻り、八丁池へと下る。八丁池の周りには高い山は無いが、しっかりと水をたたえた立派な池である。小鳥の声がするとても気持ちの良い場所だ。時間が遅いのであまりゆっくりはできないが、温かいお汁粉でゆったりとした時間を過ごしてしまった。見るとここから万三郎への道も通行止めになっている。



八丁池にて。




静かな八丁池。




東屋でゆっくり食事。


再び分岐まで登り返し、トイレを済ませてから寒天林道を下る。しばらく傾斜の緩い歩きやすい道を下り、青スズ台からの道を合わせた所からショートカットして下る。素晴らしいブナとヒメシャラの森の中を感嘆しながらゆったりと下る。下った所から再び林道歩きが始まる。



ブナとヒメシャラの森の中をゆったりと下る。


やがて杉林になりコンクリートの単調な下りになると寒天駐車場のバス停に到着した。もちろんバスは無い。ここから寒天橋までほぼ河津川に沿って立派な舗装されたバス通りが続く。所々に桜が咲いており新緑の緑と調和してきれいな山肌が心を和ませてくれる。つづら折れで急降下すると後は平坦な下りだ。立派な3本の御礼杉を左に見ると、しばらく杉林の中を歩くようになる。遠くにバイクの音が聞こえるようになると寒天橋に到着する。



寒天林道脇のサクラ。




立派な3本の御礼杉。


寒天橋にリュックを置いて旧天城トンネルまで車を取りに行く。15分程歩いて車に着くころにはしだいに暗くなってきた。途中で道路で跳びはねる鹿の姿を見たのは幸運であった。車のライトをつけ、寒天橋に戻り皆を乗せて蚊を河津方面へ向かう。

河津で海岸線に出て、暗い海を右手に見ながら車を走らせる。7時半に大川温泉に到着し浜辺の野天風呂を目指す。暗い駐車場から歩いて国道をくぐり、左に船の脇を抜けて行くと浜辺に目指す野天風呂がある。8時までなので500円を払って急いで温泉に浸かる。暗くて海が見えないのが残念だが貸し切りの野天風呂は気持ちが良い。

大川温泉を出発して、途中のレストランで夕食にする。手早く夕食を済ませて、後は橋本へ向けて夜道をひた走るだけである。幸い道が空いているので気持ち良く走る。熱海の夜景を眺め道はしだいに快適になってくる。湯河原からはトンネル、海の上と飛ばして行き、小田原から快適に厚木を目指す。厚木の町も短時間で通り抜け、129号で橋本に向かう。何とか11時少し過ぎに橋本駅に到着し間に合った。

万三郎岳への道は5月1日から開通予定となっていました。シャクナゲコースの開通予定は無いようです。登山道崩壊の原因が限界を超える多数の入山者によるものでもあること。崩壊した登山道を避けて周囲の樹林が踏み荒らされてしまっていること。それでも無理をして入山する人後をたたないことなど考えさせられました。我々はまた来れば良いと思って天城峠へ行き素晴らしい山行ができました。

天城山登山道 土砂崩れによる「通行止め」のお知らせの全文を紹介します。

最初にお伝えしたとおり、7月4日の集中豪雨により、天城山で広範囲にわたり大規模な土砂崩れが発生しました。それにより「天城縦走コース」、「シャクナゲコース」の通行が不能となり、登山道を通行止めとしました。
天城縦走コースの万二郎山頂付近では、幅20m〜30m、長さ150mにわたり崩壊し、これまであった登山道は見る影がありません。馬の背ではコースのすぐ下から崩壊しており、石楠立付近にも大きな崩壊箇所があります。そのような崩壊箇所がその他にも数ヶ所ありました。
今回、崩壊の規模が大きいため、未だ復旧のめどが立っていません。さらに、その後降った雨により崩壊は更に進行していて、大変危険な状況となっています。そこで、町と伊豆森林管理所、県で検討した結果、二次災害の恐れが十分にあるという判断から、天城山登山道を通行止めとしました。
通行止めにより、天城山の登山を楽しみにされていた方、またその他の方にも、ご迷惑をおかけすることになります。しばらくの間皆さんのご理解とご協力をよろしく願いします。

4月17日 標高 到着 出発
堀之内 115 6:42
小田原東PA 15 8:22 8:27
天城高原ゴルフ場 1050 10:07 10:26
旧天城トンネル 720 11:40 12:00
天城峠 830 12:23 12:35
御幸歩道 930 13:22 13:33
コマドリ歩道分岐 1050 14:28 14:48
見晴台 1200 15:20 15:34
八丁池 1180 15:44 16:23
八丁池口 990 17:08 17:11
寒天橋 660 18:07 18:31
大川温泉 10 19:21 20:05
伊豆高原 80 20:14 21:02
橋本駅 140 23:03
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