山岳ガイド講習会

富士  富士山・御殿場口
ふじさん・ごてんばぐち




2003年12月13日〜14日

省略

11月に行われたJMIA新保さんの山岳ガイド講習会の実践編として富士山御殿場口の新六合目付近でJMIA伊東グループの山岳ガイド講習会を実施しました。


12月13日

朝8時に新宿に集合し車で御殿場へ向かう。東名高速は空いており、快調に進む。途中で真っ白な富士山を御殿場から真っすぐ富士山へ向かって登って行くとしだいに白い中に黒い地肌が目立つようになってきた。自衛隊の演習場脇を通って、御殿場口の入り口に10時半に到着した。駐車場への入り口近くには数台の車が停まっており通行止めになっていた。とりあえず車の中で昼食にする。



御殿場口の入り口は通行止め。


ロープ等の訓練用の道具を担いで御殿場口へ向かう。舗装道路を20分程歩くと駐車場が見えた。少し登ると眼前に富士山が大きく広がり、新五合目の小屋の横を通り過ぎる。



舗装道路を富士山目指して登る。


砂漠のような黒い斜面を真っすぐ富士山へ向けて歩く。少し雪が降り始めたが、風も少なく落ち着いた天気で、登っていると暑いくらいだ。登るにつれて山中湖の湖面が見えるようになる。振り返ると箱根の山が正面に見え、右に伊豆半島が、左に丹沢の山々が望める。広々とした眺めだ。



雪の中、砂漠のような黒い斜面を富士山へ向けて歩く。




振り返ると箱根の山が正面に見える。




富士山に近づくと意外と雪が少ない。




山中湖がはるか下に見える。


途中で一度休んで1900M地点に午後1時に到着した。この雪線のすぐ下の斜面でロープワークの訓練をする。まず、ショートロープから。ガイド側とクライアント側のロープをセットして2人で組になって歩く。引っ張らず、緩めずの感覚がポイントである。

次に吊り上げのロープセッティングの訓練をする。一人づつ二分の一、三分の一のセッティングをやってみる。時間が無くなってきたので五分の一と七分の一はサブロープのセット方法だけ説明して終わりにした。

箱根の山へ向かって砂漠の斜面を真っすぐ下る。眺めは雄大だが、なかなか下に着かない。ようやく駐車場に着くと、後は舗装道路を下って車に到着した。



箱根の山へ向かって砂漠の斜面を真っすぐ下る。


道端の狭い空き地にテントを張って、早速ビールで乾杯。今日は12月にしては暖かい一日だった。夕食後7時半には寝てしまった。

12月14日

何度か目が覚めたが良く寝られた。5時過ぎに起床し、朝食を済ませ、テントを撤収して7時に出発した。昨日と同じ道を富士山へ向けて歩く。昨日より風も無く暖かい。

登っていると高さがわからないが、右の二子山を見ると登っているのがよくわかる。見上げていた二子山の山頂がいつの間にか眼下に見える。



今日も富士山が白く輝いている。




伊豆半島の西海岸がよく見える。


雪線の下でショートロープをセットして2人づつ2組で雪の上を選んで登る。緩斜面なので時々滑落のショックを練習しながら登る。止める事はできるが、ロープのループを殺しておいてもループにしっかり手を入れておかないと指がいたい。最悪、指を骨折する危険性もある。



雪の上でショートロープの訓練。


交替でガイド役と落ちるクライアント役をやり、感覚がつかめてきたので、クライアントが3人のショートロープをやる。これでトップ、二番目、三番目のそれぞれのクライアントが落ちた時の感覚と他のクライアントへの影響を確認する。

2150M付近でザックを降ろし、程よい雪田を見つけてピッケルでの滑落停止を練習する。久しぶりの滑落停止だが何とかバシッと決まった。もっとも雪が緩んでいたので難しい状況ではなかったのだが。

肩を痛めるので滑落停止はほどほどにして、雪の斜面での吊り上げをやる。二分の一はやめて三分の一から始める。実際に荷重をかけながらなのでマッシャーの具合などとても役に立つ。

三分の一でも大人一人を引き上げるのはとても大変だ。五分の一、七分の一だと一人でも楽に引き上げられるが、どうしても時間がかかる。最後にもう一度、滑落停止をやってからショートロープで下る。下りでのクライアントの滑落を何度か練習する。



ショートロープで滑落を止める訓練。




振り返ると富士山の残照が素晴らしい。


雪が無くなったあたりでロープを外し、車まで下る。4時過ぎに出発したが、渋滞で帰宅したのは9時近くになっていた。今回の練習は実践的で非常に役に立った。

ショートロープを使う場合は、クライアントに対しても事前の訓練が必要である。特に危険な個所では常にロープを張った状態で歩けないと効果が無い。

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