紅葉の山歩き

妙高   火打山  2462m   妙高山  2454m
ひうちやま            みょうこうさん




2003年10月10日〜13日

10月10日 多摩=(車)=笹ヶ峰
10月11日 笹ヶ峰〜黒沢橋〜富士見平〜高谷池〜火打山〜高谷池
10月12日 高谷池〜黒沢池〜妙高山〜黒沢池〜高谷池
10月13日 高谷池〜富士見平〜黒沢橋〜笹ヶ峰=(車)=多摩


10月10日

夜8時に自宅を出発し、中央高速を快調に走る。諏訪湖SAで休息した後、長野道に入るが松本を過ぎると遠く感じる。やがて上信越自動車道に入り、妙高高原で高速を降りる。

笹ヶ峰までは山道だがきれいに舗装されていて走りやすい。0時半に笹ヶ峰の駐車場に到着した。既にかなりの数の車が入っており、明日の混雑が予想される。トイレを済ませて車中で寝る。

10月11日

朝6時に起床し、7時半に出発する。我々が出発する頃には既に笹ヶ峰の駐車場は満車になっていた。昨夜は気が付かなかったが、駐車場の周りは素晴らしい紅葉だ。駐車場脇の登山口をくぐって紅葉の林に入る。緩やかな傾斜の道に付けられた木道に導かれて紅葉の中を歩く。1時間程歩くと黒沢橋に到着する。ここから見上げる紅葉も素晴らしい。



素晴らしい紅葉だ。




木道に導かれて紅葉の中を歩く。




黒沢橋に到着。




鮮やかな紅葉に包まれる。


黒沢橋を過ぎると十二曲の登りが始まる。紅葉の中、グングン高度を上げて行く。時々樹間から白馬岳も見えるようになり、見晴らしの良い所で一休みする。



十二曲の登りが始まる。




ブナの紅葉も素晴らしい。




樹間から白馬岳が見えた。


十二曲の標識を過ぎるとしばらく尾根状の登りになる。振り返ると高妻山の右に槍ヶ岳が見えた。緩い登りはすぐに終り、両手を使って登るような急登が始まる。これを越えると平凡な尾根歩きになり、大きな石がゴロゴロする道に出ると富士見平の分岐に着く。



高妻山の右奥には槍ヶ岳が。


真っすぐ高谷池への道を行く。石の道が木道に変わると登りは終り、高谷池へのトラバース道になり、眼前に焼山、火打山の眺めが広がる。三角形の高谷池ヒュッテも見えた。



火打山と高谷池ヒュッテ。




火打山の左には焼山が。


トラバース道とは言え、小さな障害物をいくつも越えるので、あまり楽ではない。高谷池ヒュッテがなかなか近づいて来ないので疲れが出てくる。しかし、高谷池ヒュッテの手前に北アルプスの山々の眺めが良い場所があり、疲れも吹き飛んだ。



北アルプスの山々の眺めが良い。


まだ昼過ぎなので、心配していたテント場もまだ余裕が有りほっとした。端の平な場所にテントを張る事にして小屋へお金を払いに行って戻ると既に立派にテントが張られていた。私のメンバーもしっかりしてきた。



高谷池のテント場にテントを張る。




高谷池のテント場。奥に焼山が見える。


雨具や行動食などをサブザックに入れて火打山へ向けて出発する。木道に沿って高谷池の北側を行き、きれいな庭園を通って天狗の庭に出る。ここまで来ると火打山が見上げるように聳えている。



木道に導かれて火打山へ向かう。




天狗ノ庭の手前にある庭園。振り返ると妙高山が見える。




天狗ノ庭と火打山。


少し登るとすぐに稜線に出る。日本海はすぐそこだ。前衛峰の急登が始まると左手に北アルプスの展望が広がる。景色の良い所で一休みする。



八ヶ岳(中央)の左に富士山が遠望できる。


前衛峰を登りきると、あとは火打山の登りである。ザレた斜面に階段状の木道が整備されていて歩きやすい。火打山からの展望は素晴らしい。眼前に妙高山が聳え、その左には上越の山が、右には富士山と八ヶ岳が見える。そしてその右には槍穂高から白馬まで連なる北アルプスが一望できる。振り向くと糸魚川と日本海が見え、佐渡島も雲の中に姿を現している。これだけの山々を見れる場所が他にあるだろうか。



頂上はもうすぐだ。




妙高山の眺め。左に苗場山も見える。




槍ヶ岳から白馬岳へ続く北アルプスのパノラマ。




白馬三山は近い。


写真を撮り、行動食を食べ、妙高から黒姫に続く紅葉の絨毯を眺める。先程まで大勢いた人達も下り、静かになった頂上でゆったりと時間を過ごす。



火打山の頂上で。




隣の焼山は噴火のため登山禁止だ。


いつまでも居たい気持ちを抑えて下山を開始する。3日分の天気を集めてしまったような素晴らしい天気の中、素晴らしい景色を眺めながらゆっくりと下る。夕焼けで雲が赤く染まるころ高谷池の辺のテントに到着した。

テント場にはびっしりとテントが張られ足の踏み場も無い程だ。夕食をとり、7時過ぎに寝た。今晩は不思議な程に暖かいと思っていたら、深夜になって雨が降り出した。

10月12日

30分寝坊して4時半に起きた。まだ雨は降っているが、少しは弱くなったようだ。朝食を済ませ、雨具を着け、サブザックに防寒着や行動食を詰めて、妙高山へ向かって出発する。

小屋の脇から高谷池に沿って火打山方面へ木道を少し歩き、分岐を右に稜線へ向けて登る。黒沢池方面からの登山者とすれ違うと、「黒沢池ヒュッテは殺人的な混雑だった」とぼやいていた。霧雨の稜線を歩き茶臼山を越えると、やや急な下りになる。霧の中の黒沢池が幻想的だ。しばらく歩くと、目の前に黒沢池ヒュッテが現れた。



小雨の中、高谷池から稜線へ向けて登る。




幻想的な霧の中の黒沢池。


小屋でトイレを済ませ、ベンチで一休みする。雨は止んで来たようだが雨具を着たまま出発する。素晴らしい紅葉の中の大倉乗越への登りを行く。景色は良いが、道はどろどろだ。大倉乗越に到着すると眼下に長助池が見え、妙高山も近く迫って来る。大倉山の下りは急斜面だ。昔、この斜面をスキーで滑った記憶がよみがえる。登山道にロープが張られた所も有るが、さほど危険な場所は無い。



妙高山が近く迫って来た。




眼下の長助池の紅葉が素晴らしい。


すぐに下り切って燕新道との分岐へ向けてトラバース道になるが、このトラバース道も歩きにくく時間がかかる。沢を横切るとすぐに分岐に到着する。燕温泉から登って来る人も大勢いて、にぎわっていた。

ゆっくり行動食を食べて、妙高山の急登に備える。沢状の急斜面につけられた山道は効率的に高度を稼がせてくれる。雨具の上着は脱ぎ、Tシャツ1枚でちょうど良い登りだ。霧も晴れ、周りの山が見えるようになった。対面の三田原山と同じ高度の場所で休む。見上げると妙高西面の岸壁が素晴らしい迫力で聳えている。西陵にはコンドル岩(我々が銘々した)も見える。



妙高山へのの急登。




三田原山の向うに焼山、火打山が姿を現した。




西陵で山頂を見上げるコンドル岩。


小さな岩峰が林立する急斜面を登って行くとダケカンバのコルに着く。右に北峰目指して登るが、相変わらず急登が続く。ロープが張られた岩を乗り越すと頂上は近い。北峰の頂上は広場になっている。標高は南峰よりわずかに低いが妙高山山頂の標識はこちらに有る。



北峰の方で野尻湖方面を眺める。




賑わう妙高山北峰の山頂にて。


岩の間を抜けて南峰へ向かう。南峰には妙高大神の祠が有るが狭い。適当な場所を見つけて昼食にする。今日は雲が低く、遠望はきかない。雲の中から焼山や火打山が頭を出している。



南峰の妙高大神の祠にて。




北峰から東に切れ落ちた南峰を望む。


北峰に戻り、登って来た400メートルの急登を一気に下る。ストックが無ければ辛い下りだ。眼下に見えていた三田原山がいつの間にか遥か頭上になっていた。傾斜が緩く、沢状になると燕新道の分岐に到着する。



下りも楽ではない。


この時間になると燕温泉へ下る人が多い。我々は長助池を眼下に見ながら黒沢池へ向かう。長いトラバース道を行き、黒沢乗越への急登を越えると、泥道を下り黒沢池ヒュッテに到着する。

いつの間にか霧が出てきた。黒沢池は今朝と同様、霧に包まれている。茶臼山への緩やかな道を登って行くと小雨になったので雨具の上着を着る。茶臼山を越え、稜線から高谷池への下りになるころ、黒沢池に向かう20名以上の団体とすれ違った。

高谷池のテントに到着に到着し、早速お湯を沸かし温かい飲み物で乾杯する。天気予報では明日は午前中は天気が崩れるとの事である。夕食を済ませ7時半に寝る。今日も秋とは思えない温かさだ。

10月13日

朝4時に起床した。曇ってはいるがまずまずの天気だ。しかし、朝食を済ませるころには霧に包まれてしまった。雨具を着けるかどうか考えていると雨が降り出した。小雨の中、テントを撤収して、7時過ぎに出発した。泥と障害物の歩きにくいトラバース道をかなり歩き、やっと木道になりほっとする。少し下り、富士見平で一休みする。富士見平からは平凡な下りが続くが、しだいに傾斜がきつくなる。部分的に垂直に近い下りがあり濡れた岩で滑らないように慎重に下る。十二曲りの標識に到着し、まず一安心。

十二曲りの下りは少しは楽だ。景色は見えないが周りの紅葉がとても素晴らしい。まさに黄色いトンネルの中を下って行く感じだ。紅葉を楽しみながらしばらく下って行くと、沢の音が聞こえ、黒沢橋に降り立つ。



黒沢橋に到着しホッとする。


黒沢橋の先はゆるい傾斜の木道の下りなのでとても楽だ。各自気ままに紅葉の林の中を下って行く。雨はまだ降っているが、紅葉の林は明るく、解放された気分である。林の向こうに車が見えると笹ヶ峰の駐車場に到着する。登山口の屋根の付いたベンチで濡れ物を整理して車に積み込む。

車で笹ヶ峰を出発し、しばらく素晴らしい紅葉の道をドライブする。雨だが上がって来る車も多い。とても気持ちの良い所だ。スキー場の中を下り、杉野沢に到着して温泉に入り、すっきりした。妙高高原の焼肉屋で昼食をとり、一路、八王子を目指す。連休なので車は多い感じだが甲府までは順調に走れた。勝沼から恐れていた渋滞が始まったが、何とか7時半には無事に帰宅できた。

妙高山と火打山の間には高谷池と黒沢池の二つの小屋がある。高谷池ヒュッテの方が少し大きいが予約客しか泊めない。黒沢池ヒュッテの方は60名の定員だが、予約は不要で定員の5〜6倍は泊めるらしい。高谷池ヒュッテはハイシーズンには1年前には予約が必要らしいので、予約できなかった場合は殺人的な混雑覚悟で黒沢池ヒュッテに泊まるしかない。

黒沢池のテント場は傾斜地で狭く、あまり快適そうではない。高谷池の方は平でよく整備されていて快適だ。いずれにしても張れる数に限りがあるので、ハイシーズンでは早めに到着しないと場所が無くなるので注意。

10月10日 標高 到着 出発
多摩 115 20:15
笹ヶ峰 1325 0:43
10月11日 標高 到着 出発
笹ヶ峰 1325 7:25
木道 1470 8:05 8:10
黒沢橋 1575 8:30 8:42
十二曲り下 1760 9:27 9:35
富士見平 2060 10:50 11:01
高谷池 2100 11:55 12:41
稜線 2230 13:30 13:39
火打山 2462 14:25 14:45
高谷池 2100 16:04
10月12日 標高 到着 出発
高谷池 2100 6:58
黒沢池 2010 8:08 8:29
大倉乗越 2140 9:00
長助池分岐 2045 9:49 10:03
妙高山コルの下 2350 11:08 11:13
妙高山北峰 2445 11:37
妙高山南峰 2454 11:47 12:19
妙高山北峰 2445 12:28 12:32
長助池分岐 2045 13:50 14:01
大倉乗越 2140 14:51
黒沢池 2010 15:18 15:29
高谷池 2100 16:39
10月13日 標高 到着 出発
高谷池 2100 6:58
富士見平 2060 7:58 8:02
十二曲り 1770 9:06 9:12
黒沢橋 1575 9:53 10:00
笹ヶ峰 1325 10:55 11:20
杉野沢 720 11:47 12:55
妙高高原 590 13:10 14:15
多摩 115 19:32
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