紅葉の八ヶ岳

八ヶ岳   硫黄岳   2760m
  いおうだけ




2003年10月3日〜5日

10月3日 多摩=(車)=原村
10月4日 原村=(車)=桜平〜オーレン小屋〜夏沢峠〜硫黄岳〜赤岩の頭〜オーレン小屋〜桜平=(車)=原村
10月5日 原村=(車)=麦草峠〜丸山〜高見石〜麦草峠=(車)=多摩

紅葉のカラマツ林を眺めに桜平から硫黄岳に登りました。まだカラマツの紅葉は始まったばかりでしたが、周囲の山肌は色とりどりに紅葉していました。天気に恵まれ北アルプスや南アルプスの山々も眺められました。硫黄岳の頂上に着く頃にはガスが湧いて来て、幻想的な赤岳や横岳も眺められました。翌日、麦草峠まで車で入り、丸山から高見石を登りました。丸山の苔はなかなか素敵です。


10月3日

夜、8時に多摩を出発し順調に中央高速を走り10時半に原村の家に着いた。少し寒いくらいの気温だ。明日は朝早いので11時半には寝た。

10月4日

5時に起床し、出発の準備を済ませ朝食をとる。6時過ぎに原村の家を出発し、三井の森へ向かう。朝は少し曇っていたが、すっかり晴れて北アルプスの眺めが素晴らしい。

三井の森から唐沢鉱泉方面に進み、舗装が切れたあたりで直進ぎみに桜平への林道に入る。少し色づいた林の中を走り桜平へ到着すると、既に沢山の車が入っていた。何とか車を止める場所を見つけ登山の準備をする。

ゲートのあるT字路まで戻り、ゲートを越えて川へ向けて下る。下り切った橋の横に仮設のトイレがある。カラマツの紅葉はこれからのようだが、周囲の山肌は色とりどりに紅葉している。気持ちの良い林道を40分歩いて夏沢鉱泉に着いた。夏沢鉱泉からは北アルプスの槍穂高の眺めが素晴らしい。



夏沢鉱泉に到着。




夏沢鉱泉からの槍穂高の眺め。


夏沢鉱泉から少し歩くと林道は切れ山道になる。右に沢の音を聞きながら紅葉の山道を登る。ここの紅葉は派手ではないが気持ちが良い。登るにつれて沢筋に近づいてくる。苔むした沢がとてもきれいだ。登りが急になる手前の沢の所で一休みする。



紅葉の山道を登る。


急な登りを越えると道は平坦になりオーレン小屋までは楽な道が続く。見上げると樹間から硫黄岳が見える。すぐにオーレン小屋に到着し、小屋のベンチで休ませてもらう。



樹間から硫黄岳が見えた。


夏沢峠までは緩やかな登りが続く。樹林は薄く、清々しい登りだ。時々樹間から望む硫黄岳は、しだいに険しく見えてくる。夏沢峠に着くと目の前に浅間山から奥秩父のパノラマが広がる。眼下の本沢温泉あたりはきれいに紅葉しているが、見上げる硫黄岳は威圧的に聳えている。



夏沢峠で硫黄岳をバックに。


樹林の中を少し登るとガレ場の上を歩くようになる。これを越えるといよいよ硫黄岳の急登が始まる。眼下の夏沢峠の小屋がだんだん小さくなり、天狗岳がだんだん姿を現して来た。風も少し強くなってきたので、雨具を着ける。岩陰で一休みしながら周囲の山の眺めを楽しんだ。



夏沢峠の小屋が遥か下に見える。




天狗岳が姿を現した。


少し寒いが、良い天気だ。硫黄岳の頂上への道は急登ではないが、手が届きそうでいてなかなか着かない。諏訪湖の方から流れて来る雲が気掛かりだ。硫黄岳の迫力ある火口壁を眺めながらゆっくり一歩づつ登って、やっと頂上に到着した。



硫黄岳の火口壁は凄い迫力だ。




ケルンの間をぬって頂上へ向かう。




硫黄岳の頂上に到着。




迫力ある火口壁。


あいにく頂上は雲に覆われてしまったが、時々、横岳や赤岳が姿を見せる。雲を纏った横岳の岩肌が迫力ある。赤岳方面に座って迫力有る眺めを見ながらゆっくりと食事にする。

下りは赤岩ノ頭を経由して行く。下り始めは岩っぽいがすぐに普通の山道になる。降り立った赤岩ノ頭のコルは白いザレになっている。赤岳、横岳の眺めを惜しみつつ、ハイマツの道をオーレン小屋へ向けて下る。



赤岩ノ頭への下り。




赤岳、横岳の眺めが素晴らしい。




白くザレた赤岩ノ頭のコル。


雪が積もれば雪崩の巣になる急なハイマツの斜面を下り、左の樹林に入る。樹林の斜面をトラバースぎみに下り、傾斜が緩んで来るとオーレン小屋は近い。

オーレン小屋からは歩きやすい山道になりとても楽だ。沢や紅葉の林を眺めながらいつの間にか夏沢鉱泉に到着した。あとは林道を桜平まで歩き今日の山行は無事終了した。原村で夕食をとり、温泉に入り一日を終える。

10月5日

今日も朝5時に起きて山の支度をする。車で麦草峠峠に向かう。途中の日向木場展望台で南アルプスの眺めを楽しみ、麦草峠の駐車場に着いた。いつも混んでいる駐車場だが、まだ朝早いので空いている。



日向木場展望台から南アルプスを眺める。




麦草峠の駐車場を出発する。


トイレの前を通って麦草ヒュッテに向かい、笹原の斜面の丸山への登山道を行く。すぐに暗い樹林に入る。手前のピークを登り切った所で一休みする。

しばらく樹林の中の平坦な道を歩くと正面に丸山が現れる。高度差はあまり無いはずだが意外と高く見える。丸山の登りになると、周囲の苔が美しい。振り返ると樹間から縞枯山が望める。苔のきれいな所で一休みする。



神秘的な苔と原生林。




北八ヶ岳随一と言われる丸山の苔。




苔の原生林を登る。


少し登ると明るくなり丸山の頂上に到着した。正面には大きな中山が聳えている。



丸山の頂上に到着。


丸山の下りは始めは岩っぽい。高見石へ真っすぐ下って行くので結構急な下りである。平坦になると沢山の分岐が有り、真っすぐ行くと高見石の小屋に到着する。

小屋の前にリュックを置き、大きな岩がゴロゴロする高見石を登る。正面から取り付くと少し難しいが、後は三点確保の要領で簡単に登れる。高見石の上からの白駒池は、池の周辺が赤く紅葉していて見事だ。



大きな岩がゴロゴロする高見石を登る。




高見石から見下ろす紅葉の白駒池。




高見石の頂上にて。




高見石の頂上にて。


再び岩の上を伝って小屋に戻り、一休みしてから麦草峠に下る。この下りは緩やかでとても歩きやすい。白駒池との道に合流するとすごい人出に驚く。車道に出る手前で左に麦草峠への道に入ると混雑から解放された。ここは木道になっていて、自然の庭園のようでとっておきの場所である。



国道脇のとっておきの庭園。


木道が終わると緩い樹林の登りになる。この登りに耐え、広い笹原に出ると、そこは麦草ヒュッテである。今朝登った道と合流して小屋の前を通って駐車場に着いた。

松原湖へ向かって走って行くと、八千穂高原付近の紅葉が素晴らしい。カラマツも桜平あたりに比べて、ずいぶん紅葉しているようだ。海ノ口で昼食をとり、長坂から中央高速に入り、渋滞の末、午後6時に無事帰宅した。

桜平、麦草峠ともにシーズンにはすぐに駐車場が一杯になってしまうので早めの到着が基本である。硫黄岳の登りは左(東)側が火口壁になっており切れ落ちているのでできるだけ加工壁から離れて歩くこと。特に冬は西風が強いので注意が必要。

丸山は樹林の登りなので眺めは無いが原生林の苔が素晴らしい。登山道を外さず苔を傷つけないよう配慮して登る配慮が必要だ。

10月4日 標高 到着 出発
原村 1225 6:21
桜平 1900 7:08 7:20
夏沢鉱泉 2055 7:59 8:18
2230 8:52 8:59
オーレン小屋 2320 9:23 9:45
夏沢峠 2430 10:21 10:41
硫黄岳下部 2555 11:14 11:22
硫黄岳 2760 12:34 13:25
赤岩ノ頭 2645 13:55 14:00
オーレン小屋 2320 15:02 15:23
夏沢鉱泉 2055 16:04 16:14
桜平 1900 16:40 16:50
原村 1225 17:40
10月5日 標高 到着 出発
原村 1225 6:50
日向木場展望台 2065 7:33 7:45
麦草峠 2120 7:53 8:08
手前のピーク 2210 8:31 8:40
丸山手前 2280 9:26 9:35
丸山 2329 9:54 10:02
高見石 2265 10:31 11:22
木道 2105 12:08 12:15
麦草峠 2120 12:43 12:55
海ノ口 1040 13:35 14:22
多摩 115 18:00
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