2003年3月21日〜23日
21日 八王子=原村
22日 原村=美濃戸口〜美濃戸〜赤岳鉱泉〜赤岩の頭〜赤岳鉱泉
23日 赤岳鉱泉〜行者小屋〜地蔵仏〜赤岳〜地蔵仏〜行者小屋〜赤岳鉱泉〜美濃戸〜美濃戸口=八王子
三連休の初日に友人の結婚式があったので、週末はいつものように金曜日の夜出発して八ヶ岳に行きました。天気に恵まれて楽しく地蔵尾根から赤岳に登ってきました。
3月21日
夜9時半に多摩を出発し、快調に走り12時前に原村に到着した。少し寒かったが、少しお酒を飲んでぐっすり寝た。
3月22日
早めに目が覚めてしまったが、予定通り7時に起床した。お湯を沸かしテルモスに入れ、手早く朝食を食べ、コーヒーを飲み8時過ぎに家を出発した。
10分足らずで美濃戸口に到着した。美濃戸までの林道は一般車両通行止になっており、美濃戸口の駐車場に車を止める。見ると連休のため、広い駐車場がほぼ満車になっている。
早速支度をして、トイレを済ませ(八ヶ岳山荘のトイレは50円)出発する。輪立は凍っているが、四駆の車がチェーンを付けて、車止をどけて入って来た。どうやら、自己責任で入れるようだ。美濃戸まではいつも車で入ってしまうので、ここを歩くのは久しぶりだ。
途中で林道をショートカットして、平坦な林道をゆっくり歩く。道がツヅラ折れに曲がりだすと美濃戸は近い。美濃戸の赤岳山荘の前で一休みしていると、木に水を吹きかけて小さな氷壁のゲレンデを作っているのを見れた。美濃戸山荘の前には赤岳鉱泉の雪上車が止まっていた。南沢を右手に見て、北沢沿いの林道を歩き、ショートカットを過ぎ、橋を渡った所で雪上車が追いついて来た。
堰堤で一休みして赤岳鉱泉へ向けて出発する。出だしの丸木橋が幅より高く雪が積っていて、最初の難関である。その後も雪の積もった細い丸木橋がいくつか有った。
樹林の間をしばらく歩くと突然正面に横岳の大同心が見えた。ルンゼの氷壁が緑に光って見え、登っている人が蟻のように見える。鉱泉の手前で一休みして、鉱泉に到着した。少し小雪が舞っているが、部屋でゆっくり昼食を取った後、計画通り硫黄岳へ向けて出発する。
小屋の前の2メートル程の雪の壁を登って硫黄岳へのトレースを行く。右に大同心やジョウゴ沢へのしっかりしたトレースが有るのでそちらへ行かないよう要注意だ。
尾根に取り付くと突然急になる。樹林の登りだが途中、赤岳、阿弥陀岳の眺めが良い所がありしばし眺めを楽しむ。急な登りが続くのでアイゼンを付け、ストックからピッケルに代えて登る。樹林帯を越えると急な雪壁になる。夏はハイマツの斜面になる所だ。
赤岩の頭で時間切れになり、硫黄岳は断念する。下りは正子とアンザイレンして行く事にする。樹林に入った所で一休みしてザイルを外す。後は樹林の中をドンドン下る。雪の下りは速い。4時過ぎに小屋に着き、暖房のきいた個室でゆったりと夕食を待つ。
評判の美味しい夕食をいただき、後はウイスキーをチビチビ飲みながら9時の消灯を待つ優雅なひと時を過ごす。
3月23日
朝5時半に起床し、6時15分の朝食を待つ。たっぷり食事をして、パッキングを済ませ、不要な荷物を乾燥室に預け7時半に出発する。
今日は快晴である。左に横岳を眺めながら中山乗越へ向かう。中山乗越の登りが始まる手前に左に小同心へのトレースが有るので要注意だ。中山乗越を越えると目の前に阿弥陀岳と赤岳の素晴らしいパノラマが広がる。ここから一投足で行者小屋に着く。行者小屋でトイレを済ませ、小屋の前でアイゼンを付けて地蔵尾根を目指す。
行者小屋の中山寄りの樹林の中に地蔵尾根のトレースが有る。しばらくは樹林の中の緩い登りが続く。樹林が低く薄くなると左手に横岳の大同心を見ながら登るようになり、しだいに傾斜が増して来る
真っすぐな尾根を登り、樹林帯を過ぎると正面に急な雪壁が行く手を阻む。下部は緩いが雪壁を登るとしだいに傾斜がきつくなり、コブの直下で右にトラバースして尾根上に出る。
コブを越えた所で正子とアンザイレンしてタイトロープで登る。しばらく樹林のまばらな緩い傾斜の尾根を行き右手のルンゼに導かれる。やがてルンゼの左の急な雪壁を登る。雪の締り具合はイマイチだが雪崩る心配は無さそうだ。
急な雪壁を登り切ると鎖場の下に出る。鎖に沿って左のルンゼの頭をトラバースぎみに登り尾根上に出る。尾根上を歩くのはわずかで、今度は右のルンゼの上部をトラバースする。ここは夏道より上部の稜線近くを行く。
次は尾根の左をトラバースする。左下に切れ落ちるルンゼを見ながら細いスタンスを慎重に進む。後は簡単な雪稜をひと登りで稜線にある地蔵仏に着く。展望荘まで歩いて一休みした。
展望荘から見上げる赤岳はなかなかの迫力だ。だが実際には地蔵尾根に比べれば緩い登りである。まず程よい傾斜の雪壁を登り、風で雪が飛ばされたガレを登る。小さなコブを3ツ越えるが右側は赤岳の西壁でスッパリ切れ落ちており、赤岳への登りの核心部である。危険な割に高度感が無いので注意が必要な所だ。
コブを越えると簡単な斜面をひと登りで赤岳北峰に到着した。そのまま南峰へ行き写真を撮り、しばし眺めを楽しんだ。先々週登った三ツ岳もすぐ近くに見える。
再び北峰に戻り、頂上小屋のテラスで景色を楽しみながら昼食にする。帰りは同じ道を下る。相変わらずの急斜面だが登ったばかりの道なので気が楽だ。
無事に行者小屋に到着し、アイゼンを外して赤岳鉱泉に向かう。赤岳鉱泉で預けてあった荷物をパッキングして美濃戸へ向かう。横岳の稜線に別れを告げてどんどん下る。途中美濃戸の美濃戸山荘に寄って北原さんに挨拶しておでんを食べて一休みする。
美濃戸口への道は昨日とうって変わって雪解け水が流れている。川を渡り、最後の上り坂を歩き美濃戸口へ到着した。帰りは談合坂で夕食を済ませ、渋滞の中央高速を行き、9時過ぎに無事に帰宅した。
地蔵尾根上部は急な雪壁と細いトラバースがあるので初心者はアンザイレンして登ったほうが良い。降雪時のルンゼの登下降時は雪崩に注意が必要。下りで尾根通しに下ると行き詰まる場所があるので、その場合は少し引き返して北側の斜面を下る。赤岳の登りはさほど急ではなく危険個所も無いが、登り切った頂上直下のコブの通過時に西壁側への転落に注意が必要。
3月22日 | 標高 | 到着 | 出発 |
美濃戸口 | 1480 | 8:27 | 9:02 |
美濃戸 | 1670 | 9:55 | 10:03 |
堰堤 | 1960 | 10:50 | 11:03 |
一本 | 2130 | 11:42 | 11:49 |
赤岳鉱泉 | 2210 | 12:05 | 13:19 |
アイゼン装着 | 2370 | 13:51 | 14:05 |
赤岩の頭 | 2656 | 15:10 | 15:25 |
一本 | 2600 | 15:37 | 15:45 |
赤岳鉱泉 | 2210 | 16:26 | − |
3月23日 | 標高 | 到着 | 出発 |
赤岳鉱泉 | 2210 | − | 7:30 |
中山乗越 | 2370 | 7:56 | 8:00 |
行者小屋 | 2350 | 8:10 | 8:35 |
地蔵仏 | 2710 | 10:05 | − |
赤岳展望荘 | 2730 | 10:10 | 10:28 |
赤岳 | 2899 | 11:05 | 11:40 |
地蔵仏 | 2710 | 12:17 | − |
行者小屋 | 2350 | 12:55 | 13:15 |
赤岳鉱泉 | 2210 | 13:38 | 14:15 |
堰堤 | 1960 | 14:52 | 15:00 |
美濃戸 | 1670 | 15:27 | 15:49 |
美濃戸口 | 1480 | 16:36 | 17:00 |