2003年1月12日〜13日
稲子湯〜ミドリ池〜中山峠〜黒百合ヒュッテ〜天狗岳(東天狗)〜根石岳〜夏沢峠〜本沢温泉〜ミドリ池〜稲子湯
JMIA伊藤グループのガイド新年会は八ヶ岳の天狗岳で行われました。しかし。中谷さん金丸さん成田さんの3人が行かれなくなり、伊藤さんと伊藤さんのお客さんのともえさんと正子の4人で行く事になりました。好天に恵まれて冬の八ヶ岳を楽しく歩きましたが、車中でともえさんが高校の後輩だったという意外な事実も判明しました。
1月11日
夜、6時に新宿駅の南口に集合して伊藤さんの車で八ヶ岳へ向う。甲州街道、首都高、中央道と順調に進み、9時過ぎに原村の家に到着した。正月以降また雪が積もっていて、少しラッセルして家に入った。ストーブで暖をとりならしばらくワインで歓談して11時ごろ就寝した。
1月12日
朝、時半に起きてお湯を沸かし朝食をとる。まだ星空だが、今日は良い天気だ。朝食後、水抜きなど家の後始末をして7時過ぎに出発した。鉢巻道路で清里方面へ向う。道路は凍結しているのでゆっくり走る。まだ薄明るくなったばっかりなのに、意外と車が走っていた。海ノ口あたりで左手に朝日に輝く八ヶ岳を見ることができた。
佐久方面へ向けて北上し、松原湖で左折する。松原湖を右に見て直進し、斜め右に集落へ入る。集落を抜けてしばらく山の中を行くと左に稲子湯がある。さらに林道を行くとミドリ池の入口の林道の脇に駐車スペースがあり、ここに駐車する。
車を降り、ゆっくり支度をしてストレッチをしてから出発する。車止めの脇を抜けて橋を渡るとすぐに右にショートカットの山道がある。再び林道に出てカーブを曲がると右に山道がある。しばらく樹林の間を直登して、再び林道に出て、林道を右に行く。川を渡ったT字路を左折して川沿いに真っすぐ進む。振り向くと小海あたりの山が望める。
林道に通行止めのロープが張ってある手前で左の山道に入る。小川を渡り、登山道が始まる。樹林の中の道にはしっかりとトレースがついているので歩きやすい。伊藤ガイドを先頭に快調に登って行く。樹林のため見晴らしは無いが、気持ちの良い雪道である。
やがて傾斜が緩み、ミドリ池が近いことを感じる。静かな樹林の中で一休みする。
出発するとすぐにミドリ池に到着した。しらびそ小屋の前を通って池の脇で休憩する。ここでオーバーズボンを着けて、アイゼンを付ける。時折雪が飛んで来るが、あまり風は無く快適である。
しばらく平坦な道を行くと、本沢温泉との分岐に出る。ここは直進して中山峠へ向かう。右手の樹間に稲子東壁を望みながら平坦な道をゆっくり歩く。やがて短い急登があり、平坦になった所でストックをしまい、ピッケルを出す。
一休みして紅茶を飲んでから出発する。雪はよく踏まれて歩きやすいが、中山峠までは急登が続く。道を外してラッセルをしてみると雪の深さがすごい。途中で一本立てて再び急斜面を登る。
中山峠の直下の雪壁で高齢の女性が一人、こわごわ降りて来るのに出会った。危ないなと思いながらも、我々は快適に登って行く。振り返ると白い奥秩父の山々が眼下に広がっている。
雪壁を登り切って左にトラバースすると中山峠に到着した。少し天狗岳方面に行き、天狗岳をバックに写真を撮る。東天狗岳の岩峰が聳えている。
中山峠から樹林の平坦な道を道を一投足で黒百合ヒュッテに到着する。小屋にチェックインして支配人の米川さんに挨拶して、小屋の前の斜面で雪遊びをする。初めは雪の斜面を怖がっていた正子も伊藤ガイドの指導で雪の斜面を楽しめる程になってきた。
しだいに陽も落ちて寒くなってきたので小屋に戻る。八ヶ岳の小屋は昨年の補助でトイレが水洗化されて風力や太陽電池の発電に切り替わっている。この黒百合ヒュッテも屋根は一面の太陽電池になり、トイレは暖房の入った立派な建屋になっていた。
4人で個室に入ったのでゆったりできた。夕食で呼ばれて下に降りると、家庭料理風のなかなか素晴らしいおかずで、米川さんの工夫が感じられた。夕食後、あまり早く寝ると夜中に起きてしいまいそうなので、眠気を我慢しながら部屋で歓談する。9時を過ぎても消灯にならないので電気を消して眠りにつく。階下のストーブでだんだん暑くなり、暑さと戦いながらも熟睡した。
1月13日
5時半に起きて、支度をして6時に朝食をいただく。食後、小屋の蔵書から興味のある本を探してメモをとる。リュックを持って外に出るといつもより温かいとは言え寒い。今日は目出帽をかぶって出発する。
中山峠まで戻って天狗岳に向かう。樹林が切れると右手に北アルプスのパノラマが広がる。雪原を西風に吹かれながら、北アルプスの展望を眺めながら登る。最高の気分だ。振り返ると浅間山が白く輝いている。
樹林を抜けると左が切れた急な雪壁の登りになる。念のためザイルを出すが、ステップがしっかりしているのでそのまま登る。天狗の庭からの道を合わせさらに登り、岩峰下の登りも難無く通過する。
岩峰を左に見ながら、岩がゴロゴロするトラバース気味の登りを一息で越えると東天狗の頂上に着いた。頂上からの展望は素晴らしい。近くの八ヶ岳の連山はもとより、南アルプス北部の山々、中央アルプスの山々、北アルプスの山々、奥秩父の山々、浅間山方面の山々と素晴らしいパノラマだ。特に11月に登ったばかりの木曽駒ヶ岳が懐かしい。
頂上から根石岳への下りは短いが左にルンゼが切れ落ちたリッジになっている。念のためそこにフィックスロープを張ってカラビナをかけて下る事にする。
ザイルを張って一人づつ下る。悪いのは一ピッチだけであとは気楽に下る。雪と岩のミックスした歩きにくい下りをゆっくり下る。コルに着くと西風の通り道で、体を右に傾けながら歩く。コルから根石岳へは右にトラバースぎみに登る。根石岳の頂上も見晴らしが良い。
再び岩と雪の斜面を下りコマクサで有名な根石山荘の前を通り過ぎる。再び登りになるがすぐに樹林に入る、樹林に入るとウソのように静かだ。適当な場所で荷物を降ろして一休みする。冬山とは思えないほど穏やかだ。
アイゼンとハーネスを外して夏沢峠に下る。しばらく平坦な樹間の道をを歩くが、下りになると左がスッパリ切れてくるので気は抜けない。見上げると硫黄岳の壁が聳えている。
夏沢峠に到着し、こまくさ山荘の脇で一休みする。ここからは下りが続き、西風の心配も無いので薄着になる。夏沢峠からの下りはツヅラ折れで歩きやすい道だ。
しばらく下り河原が近づくと眼下に露天風呂が見える。さらに下り、本沢温泉の前を通り過ぎ、ミドリ池への分岐で一休みする。温かく感じるが、ちょうど零度で休んでいるうちに寒くなってきた。ここからは少し登りになる。登りながらカモシカの噂をしていると、道が水平になったあたりで突然カモシカに遭遇した。登山道に立ち止まっているカモシカとしばらくにらみ合ったが、道を譲ってもらった。
尾根を回り込むとミドリ池への下りになる。この下りが思ったより長かった。動物の足跡を見ながら下ってゆくと中山峠との分岐に到着した。ここからは昨日歩いた道だ。すぐにミドリ池に到着し、しらびそ小屋で休憩する。ストーブを囲んで、美味しいコーヒーをいただきしばらく歓談する。町田から来たという泊り客がいて、聞くと山のバッジを300以上集めているというので驚いた。二匹の犬に別れを告げて小屋を後にした。
歩きやすい雪道をどんどん下り、林道に出る。しらびそ山荘の車の他には我々の車が一台あるだけだ。山靴を脱ぎ、車に乗り出発する。海ノ口を過ぎると右手に八ヶ岳の夕景が広がる。野辺山の手前で夕食を食べ、一路新宿へ向けて走る。
東天狗岳から根石岳への降り口が危険個所である。クサリは雪に埋まっており、左には細いルンゼが切れ落ちている。右も急な崖になっている。
1月12日 | 標高 | 到着 | 出発 |
原村 | − | − | 6:15 |
稲子湯車止 | 1575 | 7:47 | 8:38 |
一本 | 2030 | 10:07 | 10:19 |
ミドリ池 | 2035 | 10:24 | 11:09 |
一本 | 2150 | 11:58 | 12:05 |
一本 | 2330 | 12:51 | 13:02 |
中山峠 | 2410 | 13:30 | 13:50 |
黒百合ヒュッテ | 2390 | 14:00 | − |
1月13日 | 標高 | 到着 | 出発 |
黒百合ヒュッテ | 2390 | − | 7:40 |
天狗岳 | 2625 | 9:30 | 9:54 |
根石岳 | 2603 | 10:45 | 10:50 |
一本 | 2580 | 11:10 | 11:35 |
夏沢峠 | 2420 | 12:04 | 12:20 |
本沢温泉 | 2100 | 12:58 | − |
分岐 | 2075 | 13:11 | 13:24 |
ミドリ池 | 2035 | 14:28 | 14:59 |
稲子湯車止 | 1575 | 15:48 | 15:59 |