雪の中央アルプス

中央アルプス  木曽駒ヶ岳   2956m
きそこまがたけ




2002年11月23日

千畳敷〜乗越浄土〜中岳〜木曽駒ヶ岳〜中岳〜乗越浄土〜千畳敷

多摩市山の会で中央アルプスの木曽駒ヶ岳を登りました。中央アルプスの山には登る機会が無く、私にとって初めての山でした。千畳敷カールの雪崩が心配でしたが、雪は安定していて安心して登ることができました。


22日の夜9時に6人でパジェロで堀之内を出発し原村の家に泊まり、23日の朝は6時に起床した。6時45分に原村を出発し、諏訪南から高速道路に乗る。今日は素晴らしい天気だ。

7時30分ごろに駒ヶ根橋の先の黒川平の駐車場に到着した。駐車料金は400円だが、きれいなトイレが有る。朝食を取りながら支度をして、8時13分のバスを待つ。団体のバスが2台通り過ぎ、13分のバスも通り過ぎて行った。すぐにガラガラの臨時バスが来たのでそれに乗る。バスは細い山道を巧みに登って行く。時折、バスの窓から宝剣岳を見る事ができる。



黒川平の駐車場で山支度をする。


しらび平には8時50分に着いた。前の3台のバスの客でロープウエー乗り場は満員である。9時の始発には乗れず、30分程待たされた。滝を眼下に見て、2600メートルの千畳敷目指して一気に登る。



千畳敷目指して一気に登る。


千畳敷のロープウエーの駅でトイレを済ませ南側の出口から外へ出る。風が無いのでずいぶん暖かく感じる。目の前には塩見岳を中心に南アルプスのパノラマが広がっていた。南アルプスの山々を眺めながらアイゼンを着ける。



南アルプスのパノラマ。


ホテルの北側に回ると目の前に雪の千畳敷カールが迫力を持って広がっている。左に聳える宝剣岳もなかなかかっこいい。雪はしまっていて雪崩の心配は無いようだ。ホテルの東端から雪原に降りる。一度、剣ガ池あたりまで下ってから乗越浄土への登りが始まる。



雪の宝剣岳と千畳敷カール。




剣ガ池あたりの雪原を歩く。


緩い登りをしばらく進み、ホテルより少し高いあたりで一休みする。まだしばらく緩斜面が続くが、ここから正子と横山さんをアンザイレンしてコンティニュアスで登ることにする。しばらく緩斜面を登り、急斜面になる手前でストックからピッケルに切り替える。急な雪壁だがバケツになっていて歩きやすい。上部になると夏道のロープが接面から出ている。これを乗り越えるとすぐに稜線の乗越浄土に到着する。



アンザイレンして千畳敷を登る。




上部の雪壁を登る。




乗越浄土に到着。バックは中岳。


宝剣山荘はもうすぐそこだ。風が弱いとはいえ三千メートル近い稜線の風は冷たい。目の前に聳える宝剣岳を眺めながら行動食をほうばる。

宝剣岳を背に中岳へ向かう。夏道の緑のロープに導かれて緩い雪面をトラバースぎみに登り、直登すると祠のある中岳の頂上に着く。目の前に駒ヶ岳が聳え、その裏には北アルプスの山々が広がっている。



中岳への登り。




中岳登りの斜面で。


いったん駒ヶ岳とのコルに下る。ここは夏は大きな石がゴロゴロして歩きにくい所らしいが、雪のおかげで快適に歩ける。駒ヶ岳の登りも夏道のロープに導かれて登る。頂上に着くと白いエビのしっぽに覆われた駒ヶ岳神社の祠が待っていた。



御岳を見ながら中岳を下る。右が木曽駒ヶ岳。




木曽駒ヶ岳の山頂にて。


木曽の御嶽山が意外と近く大きく見える。乗鞍岳から槍穂高も意外と近い。今日の遠望は素晴らしく、白馬岳や、さらに妙高あたりまで見える。さらに、宝剣岳に目をやると空木岳や三ノ沢にかけての岩と雪の稜線が素晴らしい。今日の眺めはいつまで眺めても飽きることが無い。行動食を食べる時間も忘れて眺めていた。最後に記念撮影をして、後ろ髪を引かれる思いで下山を開始した。



宝剣岳を望む。




御岳山を望む。




北アルプスの槍穂高を遠望する。


中岳へ向けて、登りと同じルートを下る。コンテニュアスで行くほどの雪面では無いが、練習の意味もあってロープをつないだまま歩く。お互いにだんだん慣れてきて、快調に歩く。中岳の登りも快調だ。しかし、中岳のトラバースの下りでは少し足首が苦しかった。宝剣山荘の前で風を避けて一休みする。宝剣岳の頂上は手が届きそうに近くにある。目の前には天狗岩が雪を被って寒そうだ。



宝剣山荘から望む宝剣岳。




宝剣岳をバックに。右に天狗岩が見える。


さて、今日最大のポイントである千畳敷の下りが始まった。上部はかなり急だが、バケツになっているので楽である。それでもスリップしたら止まるのは難しそうだ。いつスリップされても良いように、しっかりピッケルを刺しながら慎重に下る。



千畳敷の下り。


カールの中は、もう日が当たらず暗い。しかし風がないので、下りなのに暑い。汗をかきながら下り、緩斜面になった所でザイルを外した。最後は千畳敷ホテルへの登りである。途中で写真を撮ろうとバランスの悪い立ち方をしたら右の太ももがつってしまった。登っているうちに治ったが、久しぶりのアイゼンワークで足が疲れているようだ。千畳敷ホテルの前で宝剣岳を眺めながらアイゼンを外す。



残照の宝剣岳。


3時40分のロープウエーでしらび平へ下り、4時10分の最終バスに乗る。黒川平の駐車場に着いたのは4時40分であった。菅ノ台の「こぶしの湯」でくつろぎ、夕食を食べ、すいた中央高速で気持ち良く八王子に向かった。皆を家に送って自宅に着いたのは10時前だった。

千畳敷カールは雪崩が多発するので、特に降雪直後の行動は慎重に。ロープウエー出口の注意指示に従うこと。上部は急な雪壁になるので初心者にはアンザイレンが必要。稜線では強風に注意。

11月23日 標高 到着 出発
原村 6:45
黒川平 885 7:35 8:15
しらび平 1655 8:50 9:28
千畳敷 2612 9:38 10:20
一本 2650 10:40 10:55
一本 2755 11:20 11:29
宝剣山荘 2860 11:49 12:02
一本 2900 12:13 12:22
木曽駒ヶ岳 2956 13:00 13:25
宝剣山荘 2860 14:05 14:15
千畳敷 2612 15:00 15:40
しらび平 1655 15:48 16:10
黒川平 885 16:40
閉じる