大峰山
八経ヶ岳
1,915m
はっきょうがたけ
2002年4月30日〜5月1日
奈良県南部。
行者還トンネル西口〜弥山〜八経ヶ岳〜弥山〜行者還トンネル西口
大峰山へは行者還トンネル西口から日帰りで登る予定でしたが、計画が遅れて午前中に大台ヶ原を歩いたので、小屋泊まりで登る事になりました。これが正解で、登るにつれて雲が切れ、頂上に着いたら素晴らしい展望が待っていました。翌日は雨だったので、本当に一瞬の晴れ間でした。
4月30日
大台ヶ原からの大台ケ原ドライブウエーを下り、長いトンネルを抜けて、上北山方面へ向かう。上北山の手前、小さな橋を渡った所に天川村への分岐がある。ここを右折し、狭い道を行くと右に橋が有るがここは直進する。物置のような小屋が並ぶ前を過ぎると二又に出る。左に大きく曲がった方が道なりであり、そちらへ向かう。すぐに道幅が広がり立派な道になる。道路は山腹を巻いて、北へ向かい、再び南へ戻る。
トンネルを越え、山の反対側へ出た所が登山口の行者還トンネル西口である。車を十数台とめるスペースがあり、端の空いている所に駐車する。車を降りてびっくり、大台ヶ原で横にいたステージアが、再び横にいた。
驚いた事に隣にまたステージアが。
もう昼を回っているので、小屋泊まりになる可能性が高い。行動食をほうばりながら、自炊の道具や食料をリュックに詰める。車の中が散らかっているので、忘れ物が心配だ。登山口は駐車場の反対側で、橋の手前にある。小さな電話ボックスのような物があり、ここに計画書を提出し登り始めた。
はるか上に稜線が見える。
橋を渡ると尾根に取り付く。
木の階段を登り、川の右岸を歩く。このあたりは平坦で、テント場の跡がある。右に堰堤があり、その先で川は二又になる。やがて登山道は川床に降り、しっかりした木の橋を渡る、ここが尾根への取り付き点である。橋を渡ると左に沢の右岸沿いに踏跡があるが、こちらはほとんど踏まれていないので行ってはいけない。
尾根に取り付くと数本のシャクナゲが咲いていた。この尾根もシャクナゲの尾根だが、時期が早いので咲いていたのは尾根の取付きだけであった。一度、傾斜が緩み、新緑の斜面を歩くようになるが、すぐに急な尾根状の登りになる。ほぼ急峻な尾根通しに道が付いており、木の根につかまって登る所もあるが、気持ち良く高度を稼げる登りである。
シャクナゲが咲きはじめていた。
急な尾根をガンガン登る。
左の頭上に見える稜線がしだいに近付いて来て、少し傾斜が緩くなると稜線に着く。ここには木の切り株で作った椅子が有り、一休みする。1時間少々の気持ちの良い登りであった。ここから稜線通しに下る行者還岳への道があるが、あまり踏まれていないようだ。
やっと稜線に到着。
ここからしばらくは緩い稜線歩きが続く。登山道付近にはバイケイソウが生えていて、群生している場所もある。登るにつれて頭上の雲が上がってゆくのがわかる。下山してくる人に聞くと、今日は朝から霧の中で、降りて来てやっと晴れて来たとのことである。
道端にはバイケイソウが沢山はえている。
1時間ほど歩いて、小さなピークを2つ越え、銅像のある聖宝ノ宿跡に着き、一休みした。歩いた割りには高度はほとんど稼いでいない。ここから1時間、弥山小屋まで最後の登りになる。斜面は急だが、登山道はなだらかに作ってあり楽だ。暗い東側の斜面をしばらく登り、回り込むように北側の斜面にでると明るくなり、近くの山々が望めるようになる。
大普賢岳方面を望む。
雲は上がり、弥山の頂上を見ながら北斜面を登る。稜線に出ると小屋は近い。南側の山々を眺め、一頑張り登ると、突然目の前に小屋が現れた。
弥山小屋に到着。
小屋の前には小さなテントが3張り張ってあった。小屋に入ると小屋の管理人が出て来た。いかにも事務的な人で、事務的な事だけしゃべって2人分の宿泊代一万円を受け取って引っ込んで行った。日暮れが近いので、急いで荷物を置いて、八経ヶ岳へ向かう。幸運な事に、雲は無く、良い展望である。
弥山小屋から八経ヶ岳を望む。
小屋の脇から南へ向かって下る。一気に50メートル下るとコルに出て、八経ヶ岳への登りになる。鹿避けの扉を四つくぐると頂上はもうすぐだ。最後の登りは少し急だが難無く八経ヶ岳の頂上に立つことができた。今日はあまり遠望は利かないが、近畿で一番高い山からの初めてのパノラマである。
八経ヶ岳への最後の登り。
八経ヶ岳の山頂にて。
八経ヶ岳から弥山を望む。
紀伊半島南方の山々。
夕刻がせまっているので急いで下る。小屋に着くと2人が自炊を始めていた。その横で湯を沸かして、我々も夕食の支度を始めた。話していると、全員関東からの登山者である事がわかり笑ってしまった。部屋はすいており、非常に快適だ。既にほとんどの人が寝ていた。我々もゆったり布団をひいて8時過ぎに寝た。
5月1日
朝、5時に目が覚めた。激しい雨音がしている。しかし起きて外に出てみると、あまり降っていない。どうやら屋根の雨音が実際以上に大きく響いているようだ。正子を起こして朝食の支度を始める。ラーメンが朝食なので極めて楽だ。
朝食後、雨具を着けて出発の支度を始める。靴を履いていると、小屋の朝食が終わったので玄関が混んできた。外に出ると、時々ザッと降るが小雨である。雨とは言え風があまり無いので快適だ。道も昨日登って来た道なので雨の中でも安心して歩ける。それにしても昨日の夕方の晴れ間はラッキーであった。
昨日と同じ場所で休み、少し下ると登って来る人に出会った。その後も十パーティー程とすれ違った。稜線から下る急な道も難無く下り、無事に橋まで下った。川で泥だらけの靴を洗い、車に戻る。駐車場で広島弁の登山者が話しかけてきた。どうやら、この雨の中登ろうかどうか思案しているらしい。
今日も道中が長いので、雨具を脱いですぐに出発した。ともかく名阪道路を目指して北上する。途中の道の駅で昼食をとるが、これが極めてさえない食事になってしまった。名阪道路から国道1号線に出て鈴鹿峠を越えるが、鈴鹿峠を走るのは久しぶりだが名阪道路のお陰で全く寂れてしまっていた。水口から再び北上し、彦根に向かう。
彦根で車のガソリンを満タンにし、「カンポの湯」で琵琶湖を眺めながら温泉につかり、長浜で腹一杯寿司を食べて、琵琶湖畔の道の駅で一泊した。今日の昼食は失敗だったが夕食で満足できた。
行者還トンネルからの尾根道はまだ新しく、急登が続くが良く整備されている。5月中旬のシャクナゲの時期が見ごろである。
4月30日 | 標高 | 到着 | 出発 |
大台ヶ原駐車場 | 1580 | − | 11:48 |
行者還トンネル西口 | 1105 | 12:49 | 13:17 |
稜線 | 1485 | 14:21 | 14:30 |
弁天の森 | 1600 | 14:58 | − |
聖宝ノ宿跡 | 1590 | 15:32 | 15:39 |
弥山小屋 | 1895 | 16:43 | 17:03 |
八経ヶ岳 | 1915 | 17:35 | 17:39 |
弥山小屋 | 1895 | 18:11 | − |
5月1日 | 標高 | 到着 | 出発 |
弥山小屋 | 1895 | − | 6:25 |
聖宝ノ宿跡 | 1590 | 7:20 | 7:25 |
稜線 | 1485 | 8:20 | 8:25 |
行者還トンネル西口 | 1105 | 9:30 | 9:54 |
彦根 | − | 15:45 | − |