落合集落から

大菩薩  黒川・鶏冠山  1716m
くろかわ・けいかんざん


2001年10月20日

青梅街道の柳沢峠の東

落合集落〜横手峠〜黒川山〜鶏冠山〜落合集落

雲取山から富士山を眺めた時に、大菩薩の手前にゴツゴツした山が見えます。ちょっと気になる、その山が鶏冠山です。今日は奥多摩の紅葉の状況を眺めながら鶏冠山を登ってみました。


今朝はゆっくりし過ぎて出発が遅れてしまったので、歩く距離が少ない鶏冠山へ登ることにした。セローで奥多摩道路を青梅へ向かい、青梅街道を柳沢峠へ向けて走る。奥多摩の紅葉はまだまだで、丹波を過ぎてやっと道路付近の紅葉が見られるようになる。

丹波を過ぎ、柳沢峠の手前で一ノ瀬への道を二本右に見送ると落合の集落に着く。左に旧道のカーブのふくらみを利用した駐車エリアがあり、その100m先に左に入る小道がある。その小道を左折し橋を渡りカーブした急坂を登ると廃校になった小学校の前を通り、行き止まった。周辺に数軒の民家があり、登山口付近に適当な場所が無いので橋まで戻ってバイクを止める。

柳沢川の橋のたもとにバイクを止めて出発。


支度をして、再び廃校の前を通り、登山口に着く。登山口と言っても何の標識も無く、民家の脇の山道と言った感じである。しばらく暗い樹林の中を歩くと小さな沢沿いの道になる。標識も無く、作業道のような心細い道だ。道が左に曲がり、沢を離れ尾根を回り込むようになると登山道らしくなる。傾斜の緩い登りを落ち葉を踏み締めながら、倒木をまたいだり、くぐったりしながら歩いて行くと左の尾根がしだいに近付いて来る。紅葉のきれいな尾根である。

登り始めてから40分程で分岐に着いた。直進すると鶏冠山への近道で、右に行くと横手峠経由の道である。ここは右に行く事にする。少し登ると尾根の反対側に出て日当たりが良くなり明るくなった。今日の道では人に会う事も無いだろうと思っていたら、少し登った所で食事中の人に出会った。聞くと、頂上には団体がいて、場所が無いので下りて来たとの事である。

横手峠へ向けて紅葉の山道を歩く。


分岐から10分ほどで横手峠に着いた。峠まで林道が来ていて作業用のトラックが二台止まっていた。ここから黒川山の南面を歩くが、南面は植林されていて樹林の趣が異なる。横手峠を過ぎると登山道はさらにしっかりとしてくる。よく踏まれていて、柳沢峠からこちらの道が主流のようだ。右に樹林の間から富士山や大菩薩嶺を眺めながらほぼ水平な道を20分ほど歩く。

横手峠のすぐ下まで林道が来ている。


横手峠から右手に富士山と大菩薩嶺を見ながら歩く。


尾根を大きく左に回り込んだ所に黒川山への分岐がある。ここを左に行くと黒川山の展望台へ行ける。展望台へは稜線通しに山頂経由で行く道と左を巻いて直接行く道がある。どちらも大差は無く5分もかからずに展望台に着く。黒川山の山頂には三角点があるが、展望台の方が6mほど標高が高い。

展望台は小さな岩峰状で三角点が有る東側は樹林で見晴らしが利かないが270度の大展望を楽しむ事ができる。分岐に20個ぐらいのリュックがころがっていたので展望台は団体で満員かと心配したが、私が到着した時には2人しかおらず、その2人もすぐに立ち去って行ったので一人で欲しいままに展望を楽しむ事ができた。

黒川山展望台から紅葉の尾根の向うに奥秩父の飛竜山を望む。


さっそくお湯を沸かし、富士山を眺めたり、南アルプスの山々を遠望したり、奥秩父の山々を眺めたりしながらラーメンを食べる。暑くも無く、寒くも無い、とても心地よい天候である。山頂付近は紅葉も盛りで良い眺めだ。

黒川山展望台と奥秩父の山々。


黒川山の紅葉。


コーヒーは鶏冠山での楽しみに残して展望台を下る。すぐに分岐に降り立つ。リュックが沢山ころがっていた場所には人が沢山いてリーダーが何やら喋っている。分岐から左にだらだらとした下りを行くと右手の樹林の間に鶏冠山の岸壁が見えた。紅葉の岸壁はとても美しいが、残念ながら樹林がじゃまでよく眺める事ができない。

樹林越しに鶏冠山の岩峰を望む。


すぐに黒川山と鶏冠山の鞍部に着いた。左に尾根を回り込むと落合集落への下山路で、右に行くと鶏冠山である。鶏冠山へ向かうとすぐに稜線通しの直登ルートと左の巻道に分かれる。直登ルートを行くと、小さな岩峰を越えた所で巻道と合流する。鞍部から頂上の岩峰の左を回り込むと鶏冠山に着いた。山頂には3名の人が休んでいた。

鶏冠山の山頂にて。後ろは鶏冠山神社奥宮の祠。


鶏冠山の山頂から大菩薩嶺と富士山を望む。


早速コーヒーを沸かして一休みする。頂上の岩峰には鶏冠山神社奥宮の小さな祠があり、その後ろは樋岩という数十メートルの垂壁がスッパリ切れ落ちている。鶏冠山からは黒川山展望台から見えなかった西側の山、雲取山から三頭山、扇山等を望む事ができる。

鶏冠山の樋岩と黒川山。


鶏冠山から、左が飛竜山、中央は雲取山。


岩峰を巻いて再び黒川山との鞍部に戻る。右手の自然林の中の道を落合へ向けて下る。この辺の山は東京都の水源として管理されていて原生林が残っている。いくつかの沢を横切ると横手峠との分岐に着く。ここからは登って来た道と同じ道を下る。程なく登山口に到着し、廃校の小学校の横を通ってセローの所に着いた。

横手峠から見た横手山泉水谷林道が気になったので、遠回りだがこの林道を走ってみる事にする。青梅街道を柳沢峠に向かい、途中で左の林道に入る。久しぶりにダートを走った。良く整備されたダートだが小さな石が多くうまく走れない。一カ所駐車エリアが有り、セローが一台淋しく止まっていた。そこから少し下った所を柳沢峠からの登山道が横切っていた。

横手山泉水谷林道から見た黒川山。


途中、行き止まりの看板が有ったが行ける所まで行ってみよう。ダートの運転にも少し慣れてきた。左に鶏冠山を見ながら紅葉の林道を走る。とうとう行き止まってしまった。左の路肩が崩れて、残った道は幅一杯に砂利の山になている。ここさえ越えれば後は何とかなりそうだが、無理をせず引き返す。暗くなってきた青梅街道を、八王子へ向けて帰宅した。

鶏冠山へは柳沢峠からのルートが一般的のようである。しかし、落合からのルートも入口こそ淋しいが、きつい登りも無く自然林の中をゆっくり歩けるので捨てがたい。

10月20日 標高 到着 出発
自宅 9:31
落合集落 1170 12:11 12:22
横手峠 1558 13:13
黒川山展望台 1716 13:38 14:06
鶏冠山 1710 14:20 14:45
落合集落 1170 15:38 15:48
自宅 19:25