紅葉の中の散策

北アルプス    上高地、乗鞍高原   1500m〜2700m
かみこうち、のりくらこうげん


2001年10月6日〜7日

北アルプスの南部に位置する

10月6日

大正池〜田代池〜河童橋〜明神池〜河童橋〜上高地バス停

10月7日

乗鞍高原=畳平(大黒岳、魔王岳)=乗鞍高原(三本滝、善五郎の滝)

10月の連休は、八ヶ岳の家をベースに西宮に住む親戚夫妻と私の父と妻の5人で上高地と乗鞍高原へ行きました。雨の谷間に素晴らしい天気に恵まれた2日間、紅葉の山を散策し、十分に楽しみました。


5日は人間ドックを終えてすぐに八ヶ岳へ向かい、夕方には原村の家に着く事ができた。ここで1年半ぶりに広島の親戚(西宮在住)の祐成さん夫妻に会うことができた。

5日の夜は懐かしさで少し飲み過ぎてしまったが、6日は朝8時に原村を出発した。諏訪南から中央高速に入ると、東京方面からの車がバンバン走っている。渋滞するほどではないが念のため塩尻で高速道路を降り、沢渡へ向かう。特に渋滞にあう事も無く順調に沢渡の駐車場に着き、タクシーに乗り換えて上高地へ向かった。大正池ホテルの前でタクシーを降り、歩き始める。焼岳からは小さな白煙が上がっていた。

大正池と焼岳をバックに。


ホテルの裏手から少し歩くと湖岸の広場にでる。ここからの穂高岳の眺めは素晴らしい。左手に西穂高岳の岩峰群がゴツゴツと並び、その奥に奥穂高岳岳が聳えていおり、素晴らしい迫力だ。

大正池から穂高岳を望む。
左が西穂高岳、中央は奥穂高岳、右の沢が岳沢。


大勢の観光客と共に木道を歩き次の湖岸の広場へ向かう。大正池の水中の立ち木は既にほとんど枯れていて昔の面影は無いが、周囲の山の景観と梓川の清流は昔のままのようだ。

大正池の広場で焼岳をバックに。


再び林の中の木道を歩き田代池へ向かう。T字路にぶつかり、左に行くと梓川、右に行くと田代池である。正面には湿原が広がり、紅葉の林の奥に穂高岳が聳えていて絵になっている。

田代池手前の湿地から望む穂高岳と岳沢。
左から奥穂高岳、吊尾根、前穂高岳、明神岳。


T字路を右に行くとすぐに田代池に着く。田代池は霞沢岳を見上げる位置にあり今までの風景とは趣が異なる。

紅葉の林を映す田代池。


再びT字路に戻り、木道を歩いて行くと梓川のほとりにでる。少し早いが、穂高岳の眺めの良い場所を見つけて昼食にする。梓川ではカモが愛嬌をふりまいている。お湯を沸かしながら、穂高岳の眺めをつまみに飲む赤ワインが美味い。

梓川のほとりで穂高を眺めながらの昼食。


昼食を終え、しばらく河畔を歩くと帝国ホテルへの道を右に分け、すぐに田代橋に着く。ここで田代橋と穂高橋を渡り梓川の右岸に移る。川沿いに歩いて行くと上高地温泉ホテルがあり、その先にウエストン碑がある。

田代橋から梓川と上高地温泉ホテル。


梓川のほとりのウエストン碑。


さらに川沿いに進むとしだいに賑やかになり河童橋に着く。河童橋に父を残し、明神池を目指すことにした。岳沢へ向かって少し歩いた所の河畔に奥穂高岳と岳沢の眺めの素晴らしい場所が有った。

河童橋の少し先から見た奥穂高岳と岳沢。


岳沢への道を分け、清流の上を木道で歩く。人は多いがとても気持ちの良い所だ。さらに木道を進むと頭上に明神岳の岩壁が覆い被さるように聳えている。

紅葉の明神岳の岩壁を見上げる。


時々車道に出ながら梓川に沿って歩くと左手に明神池が見えてきた。左に曲がり鳥居をくぐると神社がある。ここで250円を払い明神池に入る。明神池そのものよりも、見上げる明神岳が素晴らしい。

盆栽のような明神池。


再び梓川に戻り、川沿いに徳沢方面へ少し歩き、明神橋を渡る。

明神橋で梓川を渡る。


明神橋を渡り、直進すると明神館に出る。上高地から徳沢方面に向かう人、徳沢方面から上高地へ帰る人、大勢の人が行き交っている。我々はひたすら歩き慣れた上高地への道を歩き河童橋へ戻る。河童橋で待っていた父と橋の横のベンチでお汁粉を食べて一休みした。

上高地から再びタクシーで沢渡へ戻る。沢渡から乗鞍の分岐まで渋滞していたが暗くなる直前に何とか乗鞍高原に着く事ができた。今夜の宿、ペンション・アルテリーベも何とか見つける事ができ一安心した。素敵な夕食をいただき、温泉に入り、お酒を飲み、楽しい一日が終わった。

7日は朝、5時に起き、温泉に入ってから正子と散歩に出掛けた。車で善五郎の滝の入り口へ行き、素晴らしい紅葉の中を30分程散策する。一度、善五郎の滝へ下り、滝を見上げ、再び戻って展望台へ行く。展望台から見下ろす善五郎の滝は背後に乗鞍岳を従えていて素晴らしい眺めだ。

早朝の善五郎の滝。


善五郎の滝と乗鞍岳を望む。


再び車に戻り、一ノ瀬園地に向かう。一ノ瀬園地は自然の中の公園だが、やはり人工的で面白みが無い。車で宿に戻る。既に山頂へ向かう車が走りだしており、渋滞の予感がする。宿で支度をして朝食をいただき、8時に出発した。

ペンション・アルペリーベを出発。


乗鞍の紅葉は黄色がベースだが、赤いナナカマドの紅葉が映えている。山頂に近付くにつれて車がつながるようになり、山頂の渋滞が心配になる。それにしても一眼レフのカメラに大型のレンズを付けて三脚を抱えた年配のにわか写真家が多いのに驚く。峠の手前の雪渓のあたりで車の流れが止まった。ちょうど右手のガードロープ越しに槍穂高を眺めることができた。

渋滞する乗鞍エコーラインから見えた槍ヶ岳と穂高岳。


運転を正子に代わってもらい歩いて大黒岳を目指す。大黒岳の頂上から見る笠ヶ岳から槍穂高、常念岳、蝶ヶ岳のパノラマは素晴らしい。ちょうど木曽の御嶽山から乗鞍岳越しに見た槍穂高のパノラマをさらに近くから見た感じだ。

大黒岳の途中から渋滞する乗鞍エコーラインを見下ろす。


大黒岳山頂(2772m)から見た北アルプスのパノラマ。
左が笠ヶ岳、中央手前が焼岳、右に槍と穂高岳。


槍ヶ岳と穂高岳の遠望。


登ってきた祐成さん夫妻と合流して、再びエコーラインの鶴ヶ池に下る。車はやっと峠に着いた所であまり進んでいない。トイレに行ったりしてから正子と運転を代わるが、乗鞍スカイラインから上って来る車も多くなかなか進まない。畳平の駐車場へ入るまで1時間半かかったが、その間、運転手以外はトイレに行ったり、付近を散歩したりしていた。

やっと畳平の駐車場の一番奥の土産物屋の前に車を止める事ができた。祐成さんたちを追って魔王山へ登る。ここからも槍穂高の山々を望むことができるが、既にかなりの雲が湧き上がっている。

魔王岳(2763m)の山頂にて。


魔王岳(2763m)の山頂にて。左の尖った山が乗鞍岳。


眼下には乗鞍スカイラインの渋滞の車が延々とつながっているのが見える。畳平に下り、我々は早々に引き揚げることにする。エコーラインを下るが、上りはどこまでも絶望的な渋滞が続いている。三本滝の入口の駐車場に入るがここも車で一杯だ。何とか車を止め、三本滝へ向かう。

しばらく階段状の下りが続き、やがて平坦になり乗鞍岳登山道の道を右に分けると緩い登りになり、すぐに吊橋への木の階段を登る。吊橋から見下ろす三段のナメ滝とその滝壺が美しい。吊橋を渡り木の階段を登ると平坦な場所があり、ここで昼食にする。

広場から少し登ると三本の滝を見ることができる。右のナメ滝が大きく一番立派だ。中央に垂直に落ちる大きな滝がある。そして三番目の滝は少し遠くて分かりにくいが、左の山の中段あたりに落ちているのが見える。

三本滝の右のナメ滝。


三本滝の中央の滝。


三本滝の左の滝。


同じ道を戻り、次は車で善五郎の滝へ向かう。朝と同じ場所に車を止め、紅葉の林の中を滝に向かう。乗鞍岳は霞んでいてはっきりしないが、紅葉と滝と山がいい絵になっている。

善五郎の滝への紅葉の道。


同じ道を駐車場へ戻り、あとは八ヶ岳へ帰るだけだ。塩尻へぬけ、渋滞にあうこともなく原村に着いた。農協のマーケットで食材を買い、今夜はビールとバーベキューで締めくくった。

8日は朝食後、八ヶ岳に残る父を残して、西宮と八王子へそれぞれ戻って行った。甲府から雨になった。雨に挟まれた快晴の2日間を十分に楽しみ、良い思い出を残す事ができた。

乗鞍岳は2003年からシーズン中のマイカーの乗り入れが禁止になるとの事である。今のような大渋滞が解消され、乗鞍岳も登りやすくなるであろう。

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