北アルプス
乗鞍岳3026m
のりくらだけ
2000年8月12日
上高地の南
八ヶ岳原村=畳平〜富士見岳〜肩の小屋〜剣ヶ峰〜肩の小屋〜畳平=八ヶ岳原村
日本には三千メートル級の山が21座有ります。私にとって残っているのはあと4座、御嶽山、南アルプスの悪沢岳、北アルプスの前穂高岳、乗鞍岳です。乗鞍岳は不幸にも頂上近くまで車で行けるので観光の山になってしまい、登山の対象にはなりにくいのです。昨年も夏に父と妻と三人で乗鞍岳を登ろうとしたのですが雨のため新穂高に変更してしまいました。今年も同じメンバーで乗鞍岳に向かいました。
今日は午後から台風の影響が気になるが、まずまずの天気だ。今日は長野道の塩尻インターで降りて、松本空港の南を通って島々にでてみたが、使える道であった。奈川渡ダムの先、前川渡で上高地への道と別れ乗鞍岳へ向かう。乗鞍岳は山麓に温泉、民宿が多く夏休みで賑わっている。スキー場の横を過ぎると道はだんだんきつくなる。森林限界を超えると見晴らしが良くなり、山頂付近が見えてきた。雪渓の下まで2時間ほどで着いたが、そこから駐車場までは渋滞しており、1時間以上かかってしまった。
妻と運転を代わり車から降りてトイレにいったりしているうちに駐車場へ入る事ができた。トイレは有料で、環境保護協力金として100円支払う。乗鞍スカイラインのほうからも車が延々と連なっており、我々は畳平の手前の亀池の駐車場に止めた。駐車場は無料である。父は心臓が悪いので、畳平の近くを散策することにして、私と妻は剣ヶ峰へ向かった。亀池から肩の小屋まで非舗装の道路があるが、これを行かずに、まず富士見岳へ登る。
畳平は標高2700mの所にあるので、どの山も簡単に登れてしまう。20分程で富士見岳の頂上に立った。富士見岳から見下ろす不消ヶ池には、まだ雪渓が残っており水の色もきれいだ。
富士見岳から一度、先ほどの道路に下る。すごい人出だ。天文台への道を右に分け、左の道を行くと雪渓が見え、スキーやボードをしているのが見える。駐車場を待つ車の列は、先ほどより長くなっている。
肩の小屋はさしずめ観光地のお土産屋さんである。肩の小屋の裏手から剣ヶ峰への登りが始まる。広い登山道だが、岩がゴロゴロする、妻の苦手な道だ。先ほどから高度障害のせいか「気持ち悪い」と言っていた妻が案の定「歩けない」と言い出した。彼女にとっては三千メートル級の山に登る最初で最後のチャンスではあったが、このペースでは父との待ち合わせ時間に間に合わないので、妻を残して一人で剣ヶ峰へ向かった。
下から見えたピークは手前の朝日岳(2817m)で、剣ヶ峰はその先にあった。オーバーペースで少しあごがでたが、しっかり権現池の写真も撮りながら頂上を目指す。
左のルートから頂上小屋の前を通り頂上に着いた。狭い山頂に二つの祠が建ててある。裏に回り、岐阜県側の祠の前で写真を撮ってもらう。祠に比べて、剣ヶ峰の頂上を示す表示は悲しいくらいに小さかった。
写真を撮るとすぐに下山した。妻が登ってくるのが心配だったので、すれ違う人を確認しながら下る。待っていた妻と合流し畳平へ下る。途中、道路からお花畑に下り、柵で囲われた遊歩道を歩く。
お花畑にはクロユリが咲いていた。意外にも小さな花である。こんな人の多い所で咲いているとは、奇跡のような気がする。
約束の1時を過ぎてしまったが、畳平で父と合流した。近くの小屋の横で富士見岳と亀池を眺めながら昼食のラーメンをつくり、コーヒーをいれた。今日一日、雨にあわず楽しい三千メートルのハイキングであった。
できるだけ早めに車で入り、駐車場待ちのロスを減らすべきである。午後も2時過ぎまでは混雑する。
8月12日 | 標高 | 到着 | 出発 |
八ヶ岳原村 | − | − | 7:00 |
畳平 | 2705 | 10:30 | 10:43 |
富士見岳 | 2817 | 11:07 | 11:16 |
肩の小屋 | 2760 | 11:39 | − |
剣ヶ峰 | 3026 | 12:14 | − |
肩の小屋 | 2760 | 12:41 | − |
畳平 | 2705 | 13:23 | 15:03 |
八ヶ岳原村 | − | 17:30 | − |