笠ヶ岳の展望台

北アルプス 新穂高ロープウェイ  2155m
しんほだか


1999年8月5日

西穂高岳をはさんで上高地の反対側に位置する。

車で松本から上高地方面に入り、安房トンネルで平湯にでる。平湯から 栃尾経由で新穂高にはいる。

夏休みに父と乗鞍岳へ登る計画でいたが、原村の家の屋根の修理の都合 で8月5日しか日がとれなかったのですが、5日の朝5時ごろ起きると 天気は小雨でした。とりあえずテレビの天気予報で天気図を確認したと ころ、北の方はそれほど悪くなさそうなので出発する事にしました。


時々降る小雨の中、中央高速から長野自動車道に入り松本で降りる。松 本から上高地方面へ向かうが、まだ時間が早いので道路はすいている。 それでも上高地への駐車場の沢渡は 人で賑わっていた。

沢渡からさらに進むと釜トンネルの分岐になる。ここから釜トンネルを 越えて上高地への道は一般車両は通行止である。分岐から左に安房峠へ 向かう。自転車を追いぬきながら細い峠道を行くと安房トンネルの 工 事で移転した 温泉がある。さらに峠を登ると安房峠に着くがガスがか かっていて展望は悪い。トンネルができたおかげで随分さびれてしまっ ている。

安房峠を下ると平湯に着く。ここから飛騨高山へはすぐそこである。平 湯から乗鞍岳を見ると絶望的な雲の中にある。さてどうしようと考えて いるとバックミラーの中で呼んでいる山がある。振り返ると笠ヶ岳だ。 なつかしい、初めての冬山合宿で登った笠ヶ岳が日の光を浴びて光って いる。


平湯から笠ヶ岳を望む。

Uターンして栃尾へ向かう事にした。栃尾で川を渡り右に曲がり新穂高 温泉を目指す。道を登って行くにしたがって穂高の山々が顔をのぞかせ てくる。


新穂高温泉付近から穂高を望む。左が奥穂高のジャンダル ム、右が西穂高岳。

新穂高ロープウェイの駐車場に車を置き、リュックをしょってロープウ ェイの駅まで歩く。残念ながら今日乗鞍岳の頂上を踏むはずだった登山 靴は車に残してきた。新穂高のバスターミナルは昔の面影を残している。 25年前の暮にここで寒さで緊張しながら体操をして笠ヶ岳へ向かった 思い出がなつかしい。

ロープウェイは二段になっていて下のロープウェイは短い。白樺平とい う駅で降り、遅い朝食を食べる。


ロープウェイの白樺平駅から笠ヶ岳を望む。

ロープウェイの上段は2階建ての車両になっている。上るにしたがって 頭上の笠ヶ岳がだんだん目線になってくる。と同時に進行方向左の西穂 高岳がダイナミックにせまってくる。

ロープウェイの終点は千石平という所である。駅の上は展望台になって おり北アルプスの雄大な眺めを思う存分満喫する事ができる。残念なの は、ここからだと槍穂高が重なってしまい、迫力が感じられない事だ。 やはり槍穂高を眺めるには、向こう側の笠ヶ岳や抜戸岳に登らなくては ならない。

上高地側はガスっているようで、雲が湧き上がっている。槍ヶ岳もガス の中で、なかなか顔を見せてくれない。しばらく待ってやっと顔を見せ た。ここからだと南岳の方が迫力が有って、槍ヶ岳はほんの小さなコブ にしか見えない。


真ん中の小さなコブのように見えるのが槍ヶ岳。

正面の笠ヶ岳からずっと右方向へ眺めてみよう。


ロープウェイの展望台から笠ヶ岳を望む。

笠ヶ岳からの平らな稜線は抜戸岳からガクッと下る。下った所に見える 尖った岩は秩父岩と呼ばれている。写真では見えないが、弓折岳の奥に 双六岳、三俣蓮華岳、鷲羽岳が見える。


左が抜戸岳その奥は弓折岳の稜線。

さらに右に目をやると樅沢岳がそびえている。


雲がかかる樅沢岳(もみさわだけ)。

さらに右へ西鎌尾根が槍ヶ岳へ続くのだが手前の尾根のかげで見えない。


左は樅沢岳から槍ヶ岳への稜線。

笠ヶ岳から左に目をやるとはるかかなたに白山がみえ、さらに左に焼岳 が有る。焼岳は槍穂高の稜線に連なる最南端の山であり、今でも煙をは く火山で、大正池を作った張本人である。先ほどまでずっと雲の中に隠 れていたが、やっと顔を出した。


焼岳の雲がやっと切れた。

千石園地を散歩して、昼食のヤキソバをつくり西穂高を眺めながら食べ る。食後にコーヒーを飲んだのは言うまでもない。食後、展望台に戻り 再び山を眺める。父も私もよく飽きないものだと感心する。妻も文句を 言わずに眺めているから不思議だ。最後に西穂高をバックに写真をとっ てもらい下る。


西穂高岳をバックに。

帰りは平湯から安房トンネルで松本側に抜けた。峠越えにあれだけ時間 がかかったのにアッという間に抜けてしまった。


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