男坂の岩場のスリルがいい

奥武蔵  伊豆ヶ岳  851m
いずがたけ


1999年3月21日

西武線で秩父市へ抜ける正丸トンネルその正丸峠の南の山

名栗少年自然の家付近〜男坂〜伊豆ヶ岳〜女坂〜名栗少年自然の家付近

伊豆ヶ岳は西武線沿線の奥武蔵にある標高851メートルの山です。21日はお彼岸なので入間に有る母の墓にお参りし、その足で山に行きました。天気が悪そうなのでとりあえず車に山の道具を積んで、天気が良かったら登ろうという感じででした。入間では急に雨が降る感じでは無かったので、飯能に向かいましたが山に近付くにつれ雨は本降りになってきました。

せめて雪になってくれればと思いながら、車で正丸峠に行く事にしました。すると正丸トンネルの上の山が白いではありませんか。さっきまでは雪の「ゆ」の字でもなかったのに、思った事がこんなに簡単に実現してしまうと恐いくらいです。奥武蔵で雪山に出会うとは幸運ですよね。というわけで今日は伊豆ヶ岳に登る事になりました。



雪の正丸峠。

12時52分、正丸峠を少し下った分岐の林道に車を止め、山支度をして伊豆ヶ岳めざして出発した。今日の標高差は290メートルである。雪の中を稜線への急な尾根を登る。積雪は10センチ程だが、新雪を踏んで歩くのは気持ちが良い。残念ながら15分程で稜線に着いてしまった。

稜線は伊豆ヶ岳の頂上まで立派な道が続く。途中に分岐が有り、正面の岩場を登る男坂と右から樹林帯の中を巻く女坂に分かれる。昨年、男坂は登山禁止になっていたが、今日は登山注意になっている。ストックをリュックに固定し、男坂を登る事にする。この男坂の岩場は50メートル程の逆層の岩で、侮れない岩である。


岩場の下部。

岩が雪で濡れて滑るのでクサリを頼りに登ることにする。軍手が雪で濡れて冷たい。しだいにジンジンしてくる。中間地点のバンドでビデオ撮影するが、上の岩を見て「しまった」と思った。岩からつららがたれている。今日はまさかの雪なのでアイゼンは無い。氷に乗らぬよう気をつけて登る事にする。なんとか無事に登りきった。雪と氷は山を何倍も難しくしてくれる。それが楽しい。


つららの有る岩場上部。

小さな岩を2つ越えて伊豆ヶ岳の頂上に着いた。誰もいない頂上だ。雪は相変わらず降っているが、風が無いのでさほど寒くない。13時49分、今日は伊豆ヶ岳の頂上でコーヒーブレークにする。登山者が一人やってきた。少し話をして別れた。子の権現に向かうという。


伊豆ヶ岳山頂。

下りは女坂から行く。あっけなく30分程で車に着いてしまった。短かったが雪と岩のおかげでピリッとした山行であった。

今回は車で最短のルートから伊豆ヶ岳へ登ったが、西武線の正丸駅あたりから2時間ぐらいかけて登るのが良い。子の権現へつなげて縦走すると5時間程度かかるが、充実した山行になる。

岩登りに自信が有る人以外は男坂の岩場には挑戦しない方が良い。特に先行者がいる場合は落石の危険が有るので登るべきではない。

場所 高度(m) 到着 出発
名栗少年自然の家付近 560 12:52
伊豆ヶ岳 851 13:49 14:24
名栗少年自然の家付近 560 14:50


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