Cosmos International
 Mail : desk@nepal-news.net
ニューズ・ライン(5月1日~15日)
2013年5月17日

■ さらに広がる貿易収支の赤字

 Trade and Export Promotion Center (貿易振興センター)の報告によれば、今会計年度(2012年7月15日から2013年14日)の9カ月間(4月14日)までの実績でRS.385.29Billionにのぼる輸入超過が確認された。統計によればこの間、Rs.56.53Billionの輸出に対し、Rs.441.82Billionの輸入で昨年同期を25.7%上回っている。

1)主な輸出品目(インド、中国、アメリカ、イギリス、バングラ)
1. テキスタイル Rs.3.96Billion
2. 羊毛カーペット Rs.3.94Billion
3. 鋼管 Rs.2.80Billion
4. 衣服 Rs.2.73Billion
5. カルダモン Rs.2.63Billion

2)主な輸入品目(インド、中国、UAE,タイ、インドネシア)
1. 石油製品 Rs.80.59Billion
2. 鋼板 Rs.43.42Billion
3. 車両 Rs.25.08Billion
4. 工作機械類 Rs.24.36Billion
5. 金(Gold) Rs.18.93Billion

■ 最低賃金の値上げ

 近年の物価の上昇は激しく、とりわけカトマンズ等都市部においては顕著であり、労働組合等も経営者、政府の3者間による協議で最低賃金の値上げと賃金体系の修正が検討されている。2011年3月24日に調印された3者間の協定によれば、例えば一般労働者の最低賃金は月額6200ルピー(日額231ルピー)であったが、インフレの激しさから、現在全国に11団体ある組合連合会の一つは最低12500ルピーの要求をしている。3者間でインフレ懸念は認識されているが、どの程度が適正値上げか当事者も困っているようである。

■ 2022年までに開発途上国を卒業する!

 ネパールの国家基本政策はNPC ( Nepal Planning Commission国家計画委員会)で策定される。現在進行中の第三次3年計画は2030年までにはネパールがLDC(Least Development Country開発途上国)を卒業するとしているが最近開催された委員会はこれを修正し2022年までに成し遂げたいとしている。この会議には首相、大蔵大臣、次官、官房長官及びNPCの幹部委員が出席しているが、4月22日以来実質上のNPCリーダーであるクセトリ副委員長と3人の最高幹部が辞任しており後任が決まらないまま開かれた委員会が有効なのか疑問もあるようである。

 国連経済社会委員会は一定の基準をもとに国家の社会経済的ステータスを決めているが、このシステムが出来て以来、開発途上国を抜け出せたのはボツワナ(1994年)、カボベルデ(2007年)、モルデイブ(2011年)の三カ国である。現在アジア・太平洋地域には14カ国、アフリカには34カ国が開発途上国とされているが、南西アジア地域ではネパール、ブータン、バングラデッシュ、アフガニスタンが含まれる。GNI(個人収入)の3年平均USD1086を超えると取りあえずLDCを卒業となるが、現在の統計局の数字ではネパールは721ドルとなっており道は遠いようである。

■ 法廷への入室を禁ずる

 最高裁はジャーナリストの法廷への入室を禁ずる措置をとると発表した。これは一部のジャーナリストが無許可で法廷等裁判所の内部を出入りすることが法廷の尊厳を損なうとの観点から裁判所がけっていしたもの。ジャーナリストや弁護士会など司法関係から抗議は続いているが、従来から、メデイア関係者はいろいろな場面でひんしゅくをかっており彼らの反省も必要との意見も多い。

■ 航空機事故

 ネパール航空のツイン・オッター機がジョムソン空港でオーバーランし滑走路の先のカリガンダキ川に転落した。乗客、乗務員等22名を乗せて早朝8時10分にポカラ空港を離陸したツインオッター機には日本人も8名乗っていたが5名が負傷した。幸いなことに死者はなかった。

■ カトマンズ盆地内の下水処理

 ADB(Asian Development Bank アジア開発銀行)はカトマンズ盆地内の下水処理に$80 Million を融資する。カトマンズの下水処理設備は非常に貧しく2012年現在僅か5%ほどの人口しか恩恵を受けておらず、計画は 2018年には80%をカバーすることになっている。また、下水管の埋設と同時に現在5か所にある下水処理場を整備することによって、16Million リッター/ day の処理能力が90Million/day と大幅に改善される。

■ カトマンズ空港に新しいタクシー

 カトマンズ空港には多くの旧いタクシーが待っているが、このタクシー群を取り仕切るAirport Pasenger Transportation Management Boardは新年度(2013年7月15日)から新車の導入を決めた、現在フォード、スズキ、現代が購入の対象となっている。



戻る
Copyright (C) 2013 Cosmos International All Rights Reserved