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ニューズ・ライン(3月16日~31日)
2013年4月1日

■ バッタライ首相退陣

 昨年5月に制憲議会が解散し管理内閣としてバッタライ首相が内閣を率いていたが、主要4党派の協議が合意しバッタライ内閣は来るべき選挙に備える為準備された選挙管理内閣にバトン・タッチした。新しく内閣を率いるのはキル・ラジ・レグミ最高裁判所長官であるが同氏が現役の長官であることから三権分立の建前からも不適当であり裁判官を辞任すべきとの声もある。

 選挙管理内閣の長は首相であるが、呼称は閣僚会議議長となっておりレグミ議長(首相)の下に10人の閣僚が各省を担当しており大臣と同格の待遇となっている。選挙は6月21日までに行われることになっているが法律の改正やら4月18日が締め切りとなっている選挙人名簿の作成等準備すべきことが多くスケジュールは定かではない。また選挙に要する予算はすでにバッタライ前内閣が10billion Rupee計上しているが
充分とは言えないようである。

■ 6月選挙は蜃気楼か!

 選挙管理内閣や選挙管理委員会の努力にもかかわらずこの管理内閣を作り上げたマオイスト党、コングレス党、共産党マデシ・グループ等の内部からも6月の21日までに選挙実施は難しいとの声が多い。問題は比例代表を335議席から240議席に減らす為の法律改正等よりむしろ物理的な準備、作業が間に合わないというのが実情らしい。

■ カーター元米国大統領来ネパール

 29日カーター元米国大統領がカトマンズ入りした。2004年に続く2回目の訪問である。5日間の日程でヤダブ大統領をはじめとする政界の要人や人権擁護活動を行っている団体等と面談が予定されている。このミッションはカーター・センターが送ったものである為かネパール政府側からのコメントは無い。

■ 来年度国家予算のシーリング

 ネパールの会計年度は7月15日から始まるが国家政策立案の最高機関であるNPC (Nepal Planning Commission国家計画委員会)は来年度についてシーリングを行い各省に通達した。予算規模の決定は大蔵省で行われるがNPCは上限を示したものである。総額は560Billion Rupee、歳入は税収345Billion Rupee、 無償資金援助116 Billion Rupee 等であるが不足分については国債等でまかなわれる。主なシーリングは

教育省 76BillionRupee
地方開発省 46BillionRupee
公共事業省 34BillionRupee
内務省 30BillionRupee
厚生省 29BillionRupee
電力省 26BillionRupee
国防省 24BillionRupee
農業省 20BillionRupee
都市開発省 19BillionRupee

等である。

■ 貿易収支は大幅な輸入超過

 TEPC(Trade and Export Promotion Center 貿易輸出振興会)によれば今会計年度7か月(7月15日~2月15日)の貿易収支は大幅な入超であると発表した。この間の輸入総額は340.16 Billion Rupeeに対し輸出は44.2 Billion Rupee で295.96 Billion Rupee の入超である。輸出入の最大の相手国はインドであり、輸入の65.46%(約230 Billion Rupee)、輸出の65.61%(約29 Billion Rupee)。

主な輸出品目 主な輸入品
1.繊維製品 1.石油
2.鉄鋼製品 2.鉄鋼製品
3.ポリエステル 3.車両、部品
4.コットン 4.工作機械類
5.羊毛カーペット 5.建設重機

また、とりわけ輸出が増えたのは中国(220%増加)、バングラデッシュ(62,6%増加)、トルコ 315%増加)、タイ(95%増加)である。

■ 飲むには不適な飲料水!

 DFTQC(Dept of Food Technology and Quality Control 食品検査局)によれば、今回調査した70社73サンプルのボトル入り飲料水(通称ミネラル・ウオーター)のうち三分の一が飲料に適してない事が判明した。標準値を超える鉄分、マグネシュウム、カリウム、アンモニアが含まれており検査局では飲料には不適としている。国内には約300社の飲料水の製造会社があるが約半数は無許可の会社と言われている。



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