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ニューズ・ライン(11月1日~15日)
2012年11月17日

■ 内閣の正当性と国家予算

 いつ頃本選挙は行われるのか。2012/2013年の予算はどのような方式で誰が決めるのか。国政は混乱している。主要政党間では連日会議が続いているが結論は出ないようである。

本来事は単純である。
1)今のバッタライ内閣(管理内閣)が適法であるか否か
2)もし適法で無いならば誰が予算を決定するのか

 バッタライ首相が属するマオイスト派はこの管理内閣は適法と主張するが、コングレスや共産党は無効であるから、バッタライ内閣は解散し全政党合意の内閣を作ることが先決であるとする。大蔵省ではシーリングしてあった新年度予算Rs.428Billion をRs450Billionまで膨らませて各政党の期待に答えようとしているがお金の問題ではないようである。

 コングレス党と共産党は共同してヤダブ大統領に予算決定を迫っているが、マオイストはこれを謀略であると非難しており決着を見るのは時間がかかりそうである。すでに公務員は給料をもらえず各種政府事業は予算が無い為頓挫していいる。

■ APECFがルンビニ・プロジェクトと調印

 中国が主導するINGO Asia Pacific Exchange Cooperation Foundationは7日LDSC(Lumbini Development Steering Committee)と$3Billionにのぼる開発投資を行うMOU(Memorandum of Understanding 覚書)を交換した。LDSCはダハール・マオイスト派議長が率いる組織で直接的には政府組織でな無い。中国側は投資条件は政局の安定等厳しい条件を提示しており実現については疑問視する向きも多い。

■ ネパールが UN ECOSOC(国連経済社会委員会)理事国に

 国連総会は社会経済委員会理事国にネパールを選出した。委員会は54カ国で構成されており、ネパールは過去にも2度理事を務めた事が有る。任期は2013年1月から3年間。

■ マオイスト・バイデイア派が目指すものは!

 マオイスト・バイデイア派は同党が戦うべき敵とする階層、組織について中央委員会に提出、承認された。同党は従来から主要な敵はインドの覇権主義者としており今回はさらにマオイスト党(ダハール派)、コングレス党、共産党、主要なマデシ・グループ、政府官僚、財界のリーダー等を含めて攻撃の対象としている。

 マオイスト派は2年前の拡大総会でダハール議長、ヴァイデイア副議長が主張する主敵インドに対し、これを否定するバッタライ副議長が袂を分かつ寸前であったが、その後ダハール議長派がバッタライ副議長に同調する大転回をしたことが、ヴァイデイア派がマオイスト党から分離した原因となっており、憎しみは強いと言われている。

■ この冬も電気が無いのか

 NEA(Nepal Electrisity Authority ネパール電気局)によればこの冬、乾季の電力需要は1100MWであるが、供給は最大261MWであり最大で一日19時間の計画停電になるとコメントした。

■ カトマンズ・ヘトウダ・トンネル計画

 ここ30年計画が進まなかったカトマンズ・ヘトウダ間のトンネルが実現しそうである。計画を進めているネパールの会社によればこの計画は官民と周辺の自治体、住民参加によるプロジェクトで詳細設計は今月末にも完成し、政府との話し合いが順調に行けば来年2月から実施に入りたいとしている。

 トンネルは3か所あり、カトマンズ側のチョバヒル・クレカニ間が360m、クレカニ・ビンペデイ3690m、ビンペデイ・バインセ620mが片側2車線の道路で結ばれる。現在はムグリン経由が227km、
トリブバン道路経由が133kmでいずれも5-6時間要していたが、実現すればカトマンズ・ヘトウダ間が1時間で行き来できる。

■ IRS(インデイアン・ルピー)のブラック・マーケット

 ポカラやインド国境の町ではインド・ルピーの不足から闇屋が出回っており、公定で100IRSが160NRSであるが168NRS-170NRSで取引されている。これはこれ等地域はインドと商取り引き等に出かけるケースが多いにもかかわらず国立銀行からのIRSの供給が不足している為である。

■ 前国王が南部ネパール訪問

 ギャネンドラ前国王が宗教儀式に参加の為ノーワルパラシ(インド国境)を訪問した。この際現政権に批判的発言が有った為政府はこれを警告するとともに、引き続き発言が有るならば現在政府が供与している各種の便宜を剥奪するとしている。

■ サウデイアラビアからの援助、投資は期待できない

 ネパールはサウデイアラビアに現在でも60万人を超える労働者を派遣しており、昨年は超富豪と言われるサウデイ王室関係者がカトマンズを訪問し同国からのネパールへの援助、投資などを約束したが、その後のネパールの対応が充分でなかったのかサウデイ側がこれを全面的に撤回し、エギプト、スーダンが新たな投資先と表明した。



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