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ニューズ・ライン(9月16日~30日)
2012年10月1日

■ 国政選挙は来年4-5月か

 5月27日に任期が終わり解散となった制憲議会は政党間の惑が先行して本年内には難しく来年度の持ち越されるようである。

 政府選挙管理委員会によれば、各政党の思惑とは別に手続上法律を改正する必要が多くあり、現在の管理内閣や大統領府が若しくは最高裁がどのような判断を下すのか何も決定されていない。一方、法律に詳しい専門家によれば現在の暫定憲法には国政選挙に関する項目がなく、なにを基準に選挙が行われるのか疑問であるとしている。

■ インドの車や映画は駄目!

 マオイスト・バイデア派はインドの車のネパール国内での通行を禁止やヒンズー映画の上映に関して検閲するとは述べた。また、1950年の調印されたネパール・インド友好条約の廃棄を声明した。すでに一部地域ではインド車への妨害がが始まっているが、バイデア派を除く殆ど全政党や各団体からの猛烈な反対が有り、混乱はあるが実現は難しいと考えられる。
 ⇒結局各方面から圧力がかかり日常生活に必要な物品を運ぶ車両については許可する?と譲歩している。

■ スイス銀行への預金はいかがか。

 SNB(Swiss National Bank によれば、ネパール人のスイス銀行への預金は2010年に比べて大幅に減ってきている。

 スイス銀行は2年前その激しい預金条件を緩和したが、この為秘匿性が薄くなり各国からの預金者が減ったもののようである。これはアメリカをはじめとする欧米主要国からの預金の透明性を開示する要求に答えたものである。ネパールでは国策としてネパール人、もしくは企業の海外への投資は禁止されており国内商業銀行もスイスに預金をしてない事から、海外と取引したネパールの会社等が利益をそのままスイス銀行に預託したものとされている。ネパール人、法人の預金高は(単位百万スイス・フラン)

2006年 89.672
2007年 108.492
2008年 86.221
2009年 68.885
2010年 97.148
2011年 74.662

■ ネパール・中国会談

 中国を訪れていたナラヤン・カジ・シュレスタ外務大臣は17日中国共産党幹部、国務院外務大臣と会談し経済協力を中心とする広範な案件について協議した。

 懸案事項であるBIPPA(Bilateral Investment Promotion and Protection Agreement 相互投資振興と保護の関する協定)に関しては、中国側はすでに2度のわたって文書で提案しているがネパールが未だ検討中と言う事で見送りとなった。BIPPAはインドとは2011年10月に調印されており、中国はこれに対抗したものである。経済協力案件では750MW西部セテイ川の電源開発、ポカラ国際空港、東西山岳道路建設等が協議された。

■ メラムチ・プロジェクトーー中国企業がギブ・アップ

 取水の困難なカトマンズ盆地内に盆地外から導水するメラムチ・プロジェクトの一環であるメラムチ川から盆地北部のスンダリジャルへの導水トンネル26.5kmの掘削は2009年2月中国企業の連合軍が落札工事にかかったが、2013年9月に完成引き渡しの計画は頓挫し結局このプロジェクトから撤退することになった。現在までに26.5kmのトンネルの僅か6.5kmしか掘削されておらず、この業者の能力が疑われている。

 このプロジェクトはトンネルのみならず盆地内の貯水場、浄水場、配水管の整備等総合的な給水環境の整備でありアジア開発銀行が資金の主導をしており総額$317.3millioの事業費には$55millionの日本政府援助も含まれている。もともとこの計画はWB(世界銀行)が提唱し、トンネルを含む取水サイドは世銀、盆地内の浄水場、貯水場の新設、整備は日本政府、各戸への配水管の整備は世銀と言うシナリオであったが、世銀からコンサルタントに起用されたオーストラリアの会社が否定的見解を出したためこの計画から世銀は撤退し、その後スウエーデン、ノルウエー等が関与しかかったが資金量の大きさにこれまた撤退したもものを」ADBが引き継いだ経緯がある。

■ ネパール人の海外旅行が増える

 観光統計によれば、ネパール人の海外への観光旅行は毎年増え続いている。

 主な渡航先は、タイ、マレーシア、シンガポールであるが富裕層は日本、ヨーロッパが人気が有る。6泊7日のバンコク旅行は航空運賃を含めて45000ルピーから50000ルピー前後、アムステルダム、パリの7泊8日旅行は190000ルピー程度である。2009年は27679人、2010年は29904人、2011年は32063人であった。

■ 多いひき逃げ、当て逃げ

 カトマンズ市交通局によれば、近年夜間におけるひき逃げ屋、当て逃げ増えており警察はとりしまりを強化している。ここ2カ月間で60件が警察に届けられている。

■ ギャネンドラ前国王の中西部訪問

 前国王がガンダキ、ダウラギリ地区訪問の為ポカラに滞在した。前国王は武装警察の護衛と500を超えるモーターバイクや住民の歓迎を受けてポカラ入りし、市中では約1kmに渡って市民の歓迎に答えた。一方、マオイストなどの政治団体はこれに反対して訪問反対のキャンペーンを行った。

■ 年間5000名以上が韓国に向かう

 ネパール政府と韓国政府の間にはEPS(Enployment Permit Systen)が結ばれており、この協定により年間9000人が韓国で働くことが認められている。労働省の2011/2012実績によれば5359人が韓国で働いているが、韓国政府はさらに15000人程度の増員を考えている。



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