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ニューズ・ライン(6月1日~15日)
2012年6月17日

■ 政界は混乱が続く

 5月27日に制憲議会の任期切れで議会が解散になったが、バッタライ首相が引き続き管理内閣首相として政府を運営することにマオイスト・ダハール派を除く全政党が反対していることから政府は混乱している。最も難しいのはネパールの会計年度が7月15日までであり、大蔵省は来年度の予算を管理内閣が承認できるのかということである。FNCCI等経済界は市場の活性化の為Full-Budgetを求めているが、他の政党等は管理内閣には権限が無いと判定し細切れの予算などを主張している。

■ 第3回ネパール・中国通商会議の延期

 政府は6月3-4日に予定していた中国との第3回通商交渉を延期した。理由はネパールに沿うチベット地区の政情不安が解消されない為である。会議は第1回の2010年4月21日、第2回の2011年5月9-10日から4810品目に及ぶ関税と非関税障壁の撤廃、国境にある両国税関の手続の簡素化等が討議されている。

■ 麻薬取締の強化

 警察本部はカトマンズのみならず地方にまで麻薬による影響が出てきていることを受けて、取り締まりを強化するチームを立ちあげた。本部長にはビノード・シン副長官が就任しキャンペーンを開始した。

■ 2.6トンのハッシシが没収される

 カトマンズ市内で2.6トンのハッシシが没収された。カトマンズ警察によればこれほど大量に没収されたのは初めてだそうである。ハッシシはネパールの寒冷地で大量に栽培されておりインドや中国などに密輸されるそうである。

■ 危うし総理大臣!

 ネパール東南部サプトコシ川の氾濫を視察に向かったバッタライ首相の国軍ヘリコプターがエンジン・トラブルでウダイプールで緊急着陸した。けが人などは無かった。

■ マオイスト派は資本主義に賛成である!

 マオイスト派の最高幹部で強硬派と言われるガジュレル氏はテライ地方で開催された現地のビジネス・グループとの会合でマオイスト派は資本主義に賛成であり、個人に財産所有について支持すると述べた。真意は明らかで無いが地元では歓迎されている。

■ タパ元首相緊急入院

 王制時代に最も活躍し現在でも大きな影響力を持つスルヤ・タパ元首相が心臓病で緊急入院した。バイパス手術が必要な為インドからも医師団がかけつけ現在ヘ平静を保っている。元首相が84歳である。

■ 石油掘削会社撤退か

 ネパールでは南部テライ地区で石油埋蔵調査が続いている。政府はテライ地区を10調査区に分けて入札を行い掘削大手のTexaca Esource Company(USA)が第3、第5鉱区を、Cairn Energy (UK)が第1、2、4、6、7などを落札し、各鉱区とも順調に調査は進んでいたがここに来て、掘削会社がネパール政府の協力が得られないとして調査からの撤退をほのめかしている。すでに1鉱区につき年間5万ドルの調査費と4000万ドルのロヤルテイが政府に支払われるとともにUS30million以上を調査に費やしていることからよほどの事が無いかぎり撤退は難しいとも言われている。

ブロック 1.ダンガリ
  2.カルナリ
  3.ネパールガンジ
  4.ルンビニ
  5.チトワン
  6.ビルガンジ
  7.マランガワ

■ 熱帯日続く

 ネパール全土に渡って暑い日が続いている。カトマンズ盆地の最高温度は1989年5月の36.6度であるが、これに続く暑さが全土をヒート・アイランドにしている。ちなみに各地の最高温度は

ダン 39.5度
ダンガリ 44.6度
マヘンドラナガール 44.2度
ネパールガンジ 44.9度
カトマンズ 35.2度

■ 投資環境が整わず

 ネパールは2011年7月から2012年6月までを外国からの投資誘致年としてその環境を整えていたが、準備不十分ということで来年度の計画を持ち越した。政府の策定によれば邦貨1000億円程度の外国からの投資を期待しており国際金融機関や日本政府が興味を示している。



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