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ニューズ・ライン(5月1日~15日)
2012年5月16日

■ 主要政党合意の新政権

 全政党による連合政権への合意を受けてバッタライ内閣は解散し引き続きバッタライ前首相による新しい内閣が誕生した。大臣は主要4党に概ね均等に割り振られるが、政党によっては党内でのコンセンサスを得られない部分が有りなお、数日全閣僚の任命には時間がかかりそうである。

 また、各党合意は各党で若干認識や解釈の相違があり、特に5月27日の制憲議会解散の前にバッタライ政権がコングレス党に政権を引き渡すというコングレス側の認識はマオイスト派の見解とは事なっており闇の中である。

■ 大幅の削減される議員

 新憲法は現在議論されているところであるが、2院制による議員数は合意がなった。情報によれば

下院 直接選挙 180議席 上院 各州から 50議席
  比例 145議席   知識階層(大統領推薦) 10議席
合計 325議席 合計 60議席

 但し、現在州の数が決まっておらない為上院は若干の変動があるようである。

■ マオイスト・バイデイア派の新組織

 マオイスト党内の強硬派と言われるバイデイア副議長派がダハール議長、バッタライ副議長と路線の相違から党内で別の組織を構築している。

 発表によれば、バイデイア派は17名の最高幹部による新しい組織PVB(People's Volunteers Bureau)をつくり、解体され国軍に吸収された旧PLAのように発展させたいとしている。マオイスト党内からの反応はないがダハール派の青年組織は猛反対している。

■ 玄葉外務大臣カトマンズ訪問

 日本のGWは議員の外遊が多いが4月28日、29日に渡り玄葉大臣が日本の外務大臣としては35年ぶりに当地を訪問した。滞在時間は実質16時間であったが経済、技術協力を主題にネパール側に種々コミットした。大臣は29日インドに向かった。

■ 土砂流が多くの人命を奪う

 ポカラの北方を流れるセテイ川が突然大土砂流で氾濫し、バスの乗客周辺の村落などを押し流し多くの人命を奪った。現地には軍、警察などを中心とする救助隊、捜索隊が派遣されているがセテイ川そのものが埋まってしまっている為人命を含め損害はわかっていない。言われている氷河湖の崩壊ではないとのことであるが詳しい調査を行う為Geology Department が専門家を派遣する。

■ 国旗を軽視する国務大臣

 内閣府と内務省によれば、大臣には国から専用車が貸与されており使用する際には国旗を掲揚することが決められている。マオイスト派に属する国務大臣が現在の議会は正式の議会ではないと言う事で国旗の掲揚を拒否しており内閣府で調査している。

■ クウェート・ファンドが30millionのソフト・ローン

 電力の大幅な不足から一日10時間以上の計画停電が続くネパールは発電所建設の計画は多くあるものの資金調達が難しい為解決にはほど遠い。オイル・リッチの中近東諸国には多くのネパール人労働者が働いており、クウェートもそんな国の一つである。大蔵省の発表によればそのクウェートが3000万ドルのソフト・ローンをブリ・ガンガ発電建設(30MW)に提供することになった。

■ ポカラ国際空港の建設

 5月4日に入札が締め切られたポカラ国際空港プロジェクトは、中国から次の3者が応札した。

  1. China CAMC Engineering Co.
  2. Sinohydro Corporation
  3. China International Water and Electric Corporation

 プロジェクト総額はUSD180million であるがUSD145million は中国輸出入銀行のソフト・ローンとなる。


■ カトマンズ国際空港の地上業務

 カトマンズ国際空港は荷物の取り扱いなどの地上業務をネパール航空に委託しているが、盗難や紛失のクレームが多くCAAN(Civil Aviation Authority of Nepal )では一部民間委託を計画している。カトマンズには30社の国際線が乗り入れているが、タイ国際航空、インデアン・エアラインのみが自前で地上業務を行っている。

■ 大幅な入超とインドへの集中

 国立中央銀行によれば、本年8か月の貿易収支は大幅な入超となっている。

 約70%(約32.59billionルピー)がインド向け、30%(約15.96billionルピー)がその他の国への輸出となっている。一方輸入は総計295.24billionルピーで約246,68billion ルピーの輸入超過となっている。さらに問題は輸出入が殆どインド一カ国の集中しておりバランスがとれていない事である。政府と経済団体は他の周辺諸国へのアプローチに懸命である。

■ 経済成長率は4.5%、個人所得は735ドル

 ADB(Asian Development Bank アジア開発銀行)によればネパールの直近の統計では経済成長率が4.5%程度と発表した。また、中央統計局によれば Per Capita Incomeは昨年度の712ドルを3.2%上回り本年度は735ドルと予想される。

■ ジョムソンで航空機事故

 5月14日ポカラからジョムソンに向かったアグニ航空のチャーター機が着陸寸前に空港近くの丘陵に接触墜落した。21名の乗客のうち15名が亡くなり、6名が奇跡的に助かった。15名のうち13名がインド人、2名がパイロット、客室乗務員とデンマーク人2名が負傷した。アグニ航空は2年前にもカトマンズ空港近郊で墜落事故をおこしている。



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