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ニューズ・ライン(2月12日〜3月20日)
2011年3月21日

■ 東北地方太平洋沖大地震

 想定を大きく超えた大地震と津波が日本に住む多くのネパール人の命や財産を奪った。東京のネパール大使館によれば現在確認されている日本在住のネパール人は約15000人であるが、このうち200名以上が宮城県に在住している。

 情報が錯綜している為正確な数字はわからないが57人が救助されすでに東京に向つた。在京ネパール大使館ではガネッシュ・ヨンジャン大使、ドルガ・タパ次席を先頭にネパール人社会のレスキュー・ボランテイアを4つのグループに組織しさらに救助活動を強めている。一方、原発の放射能漏れなどを警戒して通常の大使館業務を大阪に移した。

■ 未だ進まぬ組閣

 マオイスト派のサポートを受けて成立したカナール首相は一か月経た現在でも組閣に苦慮しているようである。法律上規定はないが通常30名を超す大臣が構成する内閣は椅子の取り合いで、目下のところすでに任命された大臣による兼任でしのいでいる。マオイスト派はすでに4つのポストを得ているが、残る内務省に固執しているためUMLとの懸命の談合が続いている。また、カナール首相はコングレス党にも閣内入りを要請しているが、コングレス党は副首相内務省を割り当てることを条件としている。

1. Mr.J.N. Khanal UML 首相
2. Mr. Bharat M. Adhikari UML 大蔵
3. Mr. Bishunu Poudel UML 副首相兼国防
4. Mr. Mr.Gangalal Tuladhar UMl 教育
5. Mr. Krishna B. Mahara Maoist 情報、司法、土地改良、保健
6. Mr. Top B. Rayamaji Maoist 公共事業、労働交通
7. Mr. Barsaman Puna Maoist 平和復興、青年
8. Mr. Khadka B. Biswokarma Maoist 観光、女子社会福祉

■ 汚職の摘発と裁判

 汚職天国と言われるネパールではそれを摘発する側と不正財等を貯め込んだ政治家、役人との激しい鍔迫り合いが見えている。1990年に当時のビレンドラ国王が民主化に同意し複数政党による政体になった以後大幅に政治家や役人による汚職が増大し、かってのクリーンと言われた政治は消えてしまった。

 担当するCIAA(The commission for Investigation of Abuse of authority 汚職等防止、摘発委員会)は現在までに135人にのぼる政治家、役人のリストを持っており、順次検察側が裁判に当たるスケジュールに成っている。その、ほとんどが大臣経験者、や高級官僚であり一部の名前がすでに公表されている。最高裁判所もここ一か月以内にすべての氏名を明らかにし早急に決着をつける声明を出している。

■ 焼却場の建設

 カトマンズ盆地は人口の急増とともにゴミが大幅に増え、収集、運搬、埋め立てが追いつかず、また労働者のストライキ、担当する省、自治体の運営のまずさが重なって道路上のゴミが放置されることも珍しくない。全てのゴミがカトマンズ郊外で埋め立てされているが、すでに限界にきており代わる広大な土地の取得が難しいこともあり、ようやく盆地内に焼却場を建設することになった。

 計画はフジビリテイ調査(F/S)、基本設計、詳細設計、施行の順番であるがF/S 業務の入札で一番札と成ったインドとネパールの合弁企業はMOLD(Minisyry of Local Development 地方開発省)と2010年11月29日仮契約にサインしたにもかかわらず、大臣が不在の為最終契約に至っていない。政府に資金が無い為BOOT(Build,Own,Operation and Transfer)になるが建設には2年以上要すると言われている。

■ マオイスト派武装組織(PLA)の行軍への編入

 パウデル国防大臣はPLAの国軍への大量編入は難しいと述べた。国内にはPLAが編入を受け入れる組織として、国軍、警察、武装警察の3つがあるが、いずれの組織もPLAの受け入れに難色を示している。

■ 第二国際空港のフィジビリテイ調査完成

 Bara地区に予定されている第二国際空港のフィジビリテイ調査が韓国の会社”Land Mark WorldwideGroup"により完成した。調査書は未だ政府に提出されていないが、担当する観光省では提出されれば早速委員会で検討したいとしている。このプロジェクトはBOOT(Build,Own,Operation and Transfer) で計画されており、完成の暁にはA380を受け入れることができる。



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