Cosmos International
 Mail : desk@nepal-news.net
ニューズ・ライン(11月1日〜13日)
2010年11月14日

■ 首相未だ決まらず

 議会による首相選出の投票は19回に及んでいるが未だ決定をみていない。マオイスト派が候補者を立てないためコングレス党のパウデル国会議員団長の単独立候補となっているが19回のいずれの投票で過半数を獲得するに至っていない。街中ではすでに首相選出も話題になっておらず政党間のゲームの様相を呈している。

■ 増える一方の汚職

 ネパール政府は汚職天国である。CPITI(corruption Perception Index of Transparency International) によれば、2009年には143番目、2010年にはすでに146番目にランクされており、ネパールより下位?の国はスーダン、ソマリア、アフガニスタン、イラク、ミャンマーしかなく経済協力への観点からも欧米諸国から非難されている。政府の取り締まり機関である、CIAA(Commission for the Investigation of Abuse of Authority 汚職防止摘発委員会)もお手上げの状態である。

■ 経済協力も後退か

 ネパールは2国間、多国間から膨大な有償、無償の経済協力を受けているが、政治の不安定から援助国が手を引く姿勢をみせている。経済、技術協力によるプロジェクトの視察に訪れていたDANIDA(Danish International Develop Agency デンマーク国際開発機構)のバストラップ総裁はネパールが早急に政治の安定を取り戻さないと今後の援助は難しいとのべた。
 デンマークは1989年以降450億ドル以上の協力を行ってお降り、現在26か国への援助を15か国程度に圧縮する作業をしており、ネパールがこの中にはいる可能性を示唆している。

■ インドと対話を望むマオイスト派

 インド政府との関係が難しくなっているマオイスト派は関係を修復すべくインド側に働きかけている。上海万博の閉会式に訪れていたプラチャンダマオイスト派議長の一行は期待した要人との面談はならなかったが中国共産党からも強く近隣諸国と友好を進めるよう要請された。近隣諸国とはインドをさしているがこれは、主席が11月にインドを公式訪問することをうけたものである。

■ インド・マオイストがネパールで訓練

 インド政府が公式にネパールのマオイスト派がインドのマオイスト(ナクサライトーインド極左グループ)を訓練していると抗議している問題について、スジャタ・コイララ外務大臣兼副首相は近々この問題を閣議にのせると述べた。マオイスト派はこれがネパール政府と国軍による捏造であるとしており議論は沸騰している。

■ ネパール人のカジノでのギャンブルは禁止

 カトマンズ盆地には8か所のカジノが5スターホテルに併設され24時間営業しているが、法律によりネパール人の入場は禁止されている。しかしながら、カジノによってはネパール人が入場しているところもありカトマンズ警察本部はは5か所について手入れを行い、逮捕者をだしているが経営者についても逮捕する模様である。

■ アフガニスタンのネパール人

 内戦状態がおさまらないアフガニスタンにはNATOなどの平和維持軍のほかに民間の警備会社が軍隊を補完するかっこうで多くの国から人材を送っているが、ネパールからも15000人〜20000人が働いている。報告では本年10月だけでもネパール人は78人が逮捕され、カンダハール刑務所には約200人が収容されているそうである。ネパール人の多くは軍隊経験者等であり任務は警備のため危険も多い。月給約700ドルが彼らの収入である。

■ カトマンズ市の大気はひどくない!!!

 35か国の政府、NGOなどから約600人の参加をえてシンガポールで8日から開催されているCAI-Asia(Clean Air Initiative Asia)はADB(Asian Development Bank)がスポンサーになり230のアジア圏の都市等で大気汚染の状況などを調査しているがカトマンズ市の近年の大気汚染は改善されており特にひどくはないとのことである。初日の基調講演で目立った事はシンガポールの環境大臣ジャコブ・イブラヒム博士が環境保全と経済成長がバランス良くあるべきであると述べたことである。



戻る
Copyright (C) 2010 Cosmos International All Rights Reserved