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ニューズ・ヘッドライン(4月27日〜5月6日)
2010年5月7日

■ 終わらないストライキー混迷続く政治

 5月1日のメーデーに10万人以上を全国から動員しカトマンズで集会を開いた共産党マオイスト派は引き続き2日よりマダブ・クマール・ネパール政権打倒を目指してストライキに入っている。マオイスト派と連立政権のリーダーである共産党統一派コングレス党は連日話し合いを行っているが6日現在進展は確認されていない。

 市内の商店街、銀行、交通は全く閉鎖されておりオープンしている会社の社員は連日歩いて通っており、カトマンズ盆地全体が歩行者天国となっている。食糧も逼迫してきており特に野菜類の値上がりは激しい。わずかに在外公館、UN,救急車、警察の警備車両が時折走っているが、観光客は観光省が特別に手配したツーリスト・バスで所定の場所から空港を往復しており観光業界への打撃は大きい。

 共産党マオイスト派の主張は簡単で、現内閣の解散と全政党合意政権であるが、基本的にはマオイスト派主導の全政党合意政権であるため各党の同意を取り付けることは簡単ではないようである。また、ストライキ中止の前提が全て同党の要求を受けいる条件となっているため政府がこれを受け入れることも難しいようである。

 一方、連立政権側は当初からの懸案であったマオイスト派の下部組織YCL(共産党青年団)の解散、略奪した財産の返還、武装組織の取扱等パッケージにした包括案を前面にだして交渉しており、これまた、マオイスト派には受け入れ難いと思われる。

 交渉は場所を変えて連日続鋳ているが、当初の交渉事項が少しずつ変わってきており6日の会議で政権側は
   1.マオイスト武装組織を特別委員会の基におく。
   2.5月29日に任期の切れる制憲議会を6カ月延長する。
   3.YCLの解散
   4.新憲法原案の早急なる作成へのマオイスト派の協力。
等を5月24日までに決定し、その後全政党合意による政権作りの話し合いにはいる。

 マイオスト側は
   1.現政権の即時解散しその後全政党合意の政権をつくる。
の1点のみで論議している。

 情報によればマオイスト派はインド政府との話し合いのため5日幹部数名をニューデリーに派遣しており、6日にはインド大使が両派の首脳に面談しているため、ストライキの中止も考えられるが同時にカトマンズでは反ストライキ、反マオイストの大規模集会も計画されており予断は許されない。

 日本の新聞社のネパール人通信員によれば、結局2006年の国王退位の時と同じようにネパール人特有の”ウヤムヤ”のうちに決着するのではないかと。いずれにしても、電気は無い、飲料水は無い、燃料は無い、など国民のシビル・ミニマムに答えることが先であると思うが。





マオイスト街宣車


警備する武装警察


歩行者天国


 5月7日午後9時ストライキは終わり正常にもどりました。



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