Cosmos International
 Mail : desk@nepal-news.net
溝の埋まらぬマオイスト派とネパール国軍
2009年2月3日

 カトマンズ市内ではいつマオイスト主導の政府がネパール国軍参謀総長 カトワル大将を罷免するのか固唾を持って見守っているグループ7がいる。

 カトワル将軍の任期は2009年9月半ばまでであるが、昨年11月2日国軍が新規に2800人の新平を補充することを発表したことから、参謀総長とタパ国防大臣(マオイスト派)の間で軋轢がおこり、12月24日には大臣が参謀総長宛新規採用について、これを止めるよう指示したが国軍側ではこれを拒否した。理由は単純でこの新規補充がここ数年新規補充を行っていない事、またマオイスト派と7政党による2005年に調印された平和協定に反していないことなどである。

 マオイスト派と国軍の関係は悪くなるばかりであるが、閣内にいるCPN−UML(共産党統一派)、マデシグループやコングレス派など他の3大政党も国軍側を支持しており、簡単には罷免することは出来ないようである。仮にカトワル大将が任期前に、退役若しくは罷免された場合次期参謀総長はK.・.B・.Khadka 中将であるがカドカ中将も2009年6月で退役が決まっており、昇任するには手続上急ぎ大将に任命されなければならない。また、カトワル大将が9月まで任期一杯で円満退役した場合には、C・S・Gurung 中将が次期参謀総長となるだろう。

 周辺の状況であるが、インド政府はすでにネパール政府にカトワル参謀総長の罷免は新たな問題を起こすので止めるべきとの書簡を送っている。中国は昨年後半から人民解放軍指揮部の高官がネパールを頻繁に訪れているが公には沈黙を守っている。

 一方、マオイスト派と連立を組むCPN−UML(共産党)は2月16日から21日まで党全国大会があり、これを目安にマオイストがどう動くか注目されている。

 マオイスト派も6月には党全国大会を予定しているがカトワル大将の罷免を主張するバイデイア組織局長、タパ国防大臣等の強硬派と言われるグループに穏健派のダハール、バッタライ両首脳が対処するのか。どのグループにとっても国軍の取り扱いは頭の痛い問題である。



戻る
Copyright (C) 2009 Cosmos International All Rights Reserved