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国軍とマオイスト武装部隊の統合
2008年11月14日

 共和制に移行したネパールで最大の懸案事項になっている

 NA(Nepal Army-国軍)とPLA(People's Liveration Army)の統合問題は遅々として進まない。2週間ほど前に統合に関する委員会が設置されたが、主要4党の委員の割り振り等でコングレス党は不満を表明し現在まで委員を送っていない。5名の委員に内訳はマオイスト派2名、UML,コングレス、JMF各1名であるが、人数の割り振りもさりながら、国防大臣(マオイスト派)が委員に送り込まれたことも問題を複雑にした。

 各党思惑があってそれぞれ議論を展開しているが、整理すれば
   マオイスト派は
   1.国軍の反乱への脅威
   2.統合されない場合の武装部隊の就職口

   コングレス党は
   1.国軍がマオイスト派に乗っ取られる脅威

   JMFは
   1.コングレスと同様に国軍がマオイスト派の傘下になる事への脅威
   2.この機会に国軍への影響力を強めたいという作戦。

   UMLは
   1.国軍とは過去20年の経験から共同歩調をとれるが、閣内にある現在でもPLAとは相容れない。

 などが本音であろうが、殆どの場合公にはストレートに論議してない事が話の進まない原因のようである。マオイスト派にとっては国軍は国王の私兵であり、その他の政党にとってはPLAはマオイスト派の私兵であり、民主主義の社会に政党が武装部隊を持っていることがおかしいといのが言い分である。

 国軍は参謀長談話で政治に関与しないと宣言しているが、同時にある特定の政党の武装部隊との統合は認めないとも言っている。

 過渡期であるから早急の解決は難しいだろうが、例によってウヤムヤにするのか。結果が待たれる。



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