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ネパールの電力事情
2008年9月30日

 本来ならば雨季(6月から9月)は水力発電に頼っているネパールでは計画停電が無いはずであるが、今年は現在でも週30時間以上の停電が続いている。原因は何なのか、関係官庁の役人や政治家の話を聞いて見よう。

▲ NEA(Nepal Electricity Authority 電力局)

 計画停電はすぐには解消されない!!!

 NEA System Operation Department によれば、現在のような計画停電はすぐには解消する見込みはない。原因は幾つかあるが、第一番にはカタリヤ/ドハビ間の(インド・ネパール国境の地名)送電塔が8月の大洪水で倒壊した為、インドから購入している60MWの送電が途切れた事。第二番目にはクリカニ(ネパール国内の地名)ダムの貯水量が例年より25Mほど水位が低いこと。三番目にはネパールの発電所は流れ込み式で、これから乾期に向かう為水量が期待できないこと。そして最後に漏電、盗電の問題がある。およそ15%から25%が失われており早急な解決は難しい。

 残念ながら非常に悲観的である。


▲ 電源開発はセカンド・トップ・プライオリテイ

 大蔵省により議会に提案された2008/2009年度の予算では農業開発に続いて電源開発への予算が多く配分されている。首相を委員長とする電源開発委員会によればこの10年で10,000MWの発電を実現するとのことである。

 列挙すれば
1. Upper Tamakoshi 456MW
2. Upper Trishuli-A 60MW
3. Rahughat 30MW
4. Naumure 245MW
合計791MWの建設は本年度中に始まる。

 同時に
1. Upper Trishuli-B 30MW
2. Tamor-Mewa 110MW
3. Upper-Seti 127MW
4. Dudhukoshi 300MW
5. Tamakoshi 2&3 500MW
6. West-Seti 750MW
合計1,827MWの建設が始まるだろう。

 しかしながら、いずれのプロジェクトも明確に発電開始の時期は明記されていない。


▲ 環境アセスメント(EIA)調査は不要

 政府は民間からの電源開発投資に対する規制を大幅に緩和しているが、この中で環境調査が従来大きな障害となって民間からの投資が無かったことを受けて50MW規模までの電源開発にはEIA(Environment Impact Assessment)は免除されることになったが、専門家はこれは環境問題への深刻な挑戦であると述べている。

▲ 計画停電スケジュール

 カトマンズを中心に7つグループに分けて停電は実施されている。 ある地域の場合。
日曜日 15:00〜18:30 17:30〜20:30
月曜日 07:30〜09:30
火曜日 05:00〜07:00 16:00〜19:00
水曜日 13:00〜16:00
木曜日 07:00〜10:00 17:45〜21:15
金曜日 06:00〜08:00 18:00〜21:00
土曜日 10:00〜13:00



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