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制憲議会選挙−その後の中間報告
2008年4月22日

 ネパール選挙―その後の中間報告

 4月10日に実施されました制憲議会選挙は現開票作業が行われていますが先に開票されました小選挙区の結果が90%以上終わりマオイスト派が現在までのところ240議席中119議席を獲得しほぼ過半数に達する勢いで、すでにプラチャンダ議長勝利宣言し王制を共和制に移行して政権を担当する準備をしております。また比例代表335席は現在選挙管理委員会にて集計中ですが30%強がマオイスということです。小選挙区、比例代表の最終確定にはなお、10日以上が見込まれております。

 さて、今後のネパールですが実際のところ誰も(マオイスト派も含めて)予想しなかった結果になり驚きと戸惑いが国全体に広がっているのが実情です。

 選挙の最終確定がありませんので、今後の国政のスケジュール等は一切決まっておりませんが、王制が共和制になるというシナリオもこれまでコングレス、共産党の率いる現政権と王室、マオイスト派との話し合いで結論が先送りにされており、国軍、マオイストのゲリラ部隊の問題、政党であるマオイストの武器放棄の問題などすぐには決着のつかない懸案事項もありますのでスムーズな政権移行は難しいと考えられます。

 政権を担うことになるマオイスト派は最近幹部が非常柔軟な対応を各所でみせていますが、本物かどうか見極めるには早すぎると考えます。例えば、これは、外国ではあまり知られていませんが、マオイスト派は過去一度も正面から軍と戦ったことはありません。これはネパール国軍は傭兵や国連平和維持軍での実戦経験が世界で最も豊富といわれる歩兵部隊をもっており、とてもマオイストのゲリラ部隊のような素人ではたちうち出来ないことをマオイスト派がしっているからですが、今回の選挙で勝ったことを理由に軍に圧力をかけることは、虎の尻尾を踏むことになりますので、兎も角丁寧に対応しています。

 ビズネス界は実際はマオイストを歓迎していませんが先週FNCCI(Federation of Nepal Chamber of Commerce and Industry ,ネパール商工会議所)とマオイスト派が会談を行い、マオイスト政権は経済の発展を最優先の課題あげ、資本主義と市場原理主義の尊重、官民一体となった経済政策、外国からの投融資の歓迎等を強調しておりネパール経済界も一旦落ち着いているようです。

 以上簡単ですが、現在までの情報をお送りいたします。



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