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7政党、マオイスト派 などで当面の方針で合意
2007年12月24日

 7政党連合は12月23日23項目にわたる懸案事項について合意した。この合意事項は包括的に各政党のリーダーにより署名されたがNWPP(Nepal Worker's and Peasants Party) は同党の主張する"Socialist Republic"が取り入れられなかった為署名を拒否した。

主な合意事項は

1. 議席を601とし、335議席を比例代表制、240議席を直接選挙、26議席を首相の指名とする。
2. 選挙で構成された最初の議会にて "Federal Democratic Republic"を宣言する。
3. Republic が履行されるまで首相を元首とする。
4. 選挙は2008年4月12日までに実施する。
5. マオイスト派は暫定政府に再度戻る。
6. 政府機能の効果的運営の為各政党の代表で構成する委員会を設置する。
   委員会は次の6つとする。
  1. Investigation Commission
2. Reconciliation Commission
3. Commission for Restructure
4. Study and Recommendation Commission for Scientific Land Reform
5. Monitoring Committee for effective implementation of the Peace Accord
6. High Level Peace Commission
7. マオイスト派によって差し押さえられた国民の財産を元の返還する。
8. 拘束されているマオイスト派活動家の釈放。
9. マオイスト派による寄付の強請,誘拐、各種の強要を禁止する。

等である。

 この合意事項は各政党及びマオイスト派による度重なる交渉で11月22日の選挙の延期以降一ヶ月を要して漸く結実したものであるが、これは7政党とマオイスト派が合意したという事であって、国王、軍など対極にいるとされる側が了解したということではない。

 ここ数十ヶ月各政党などの交渉を見てきたが,最も難しいとされる幾つかの点については激しい議論や合意を避けている。避けているどころか、7政党、マオイスト派共に過去一度も国王、軍などと話し合いをもっていない。利害関係者が一同に会してはじめて真の解決策が見出せると思うのだがいかがなものであろうか。

 たとえば本当にマオイスト派が要求している彼らの武装組織と軍の合体が可能なのか。軍は、はっきり拒否しているが。国王をどのように排除するのか、本当に国王が240年続いた権力を簡単に話し合いも無く放棄するのか。共和制、共和制というがどのような共和制なのか、アメリカ、ドイツ、フランス、北朝鮮、中国など右や左も共和制をしいているとは気がついているのか。

 この合意で採択された "Federal Democratic Republic(連邦民主共和制)の国は現在世界でエチオピア一国であるが、これとて国体として成功しているとは言い難い。

 この合意で将来ネパールがどのような国体を築くのか明らかではないが、問題先送り、山積した合意のようである。



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