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国政選挙無期限延期される
2007年10月6日

 暫定政府は11月22日予定されていた、国政選挙を無期限延期する決定をした。

 だれも驚かないのは、この決定が当初より予想されており、何の選挙準備をしてない政党が多くあったことでも明らかである。

 この決定は暫定政府を構成する8政党の思惑の結実であり、国体をどのようにするかなどと言う高尚な問題ではなく、単なる政党間の主導権争いの妥協の結果である。もともと、政府をリードするコングレス党とマオイスト派は利害関係が一致していた。

 選挙で確実に予想される混乱を収拾する力のないコングレス党と選挙で全く勝ち目の無いマオイスト派は延期と言う点では100%同じ穴の狢と言える。

 選挙後の混乱で8政党の翼賛連合の崩壊はコングレスの一番恐れるところであり、選挙によって民意が確定し、政情が安定し自分たちの存在感が無くなることを恐れているマオイストにとっては、現在のような混乱と不安定のこそ存在感を認識できる唯一の状況であることからすれば、延期は当然である。

 マオイストの言っているような
  1.暫定政府で共和制を宣言する。
  2.選挙方式を完全比例代表制にする。
というのが11月選挙の条件である、等というのは全くの茶番であり、延期するための小細工であろう。

 1960年に一旦複数政党制を獲得した政党が権力闘争に明け暮れ、結局当時のマヘンドラ国王のクーデターで王制に戻ってしまった歴史を指摘するネパール人は多い。1990年に民主化運動の成果として立憲君主制を手に入れた政党がまたも同じ鉄を踏むとしたら、政治家や政治の貧しさからこの国が最貧開発途上国から抜け出せない事を他の陣営に責任を転化するのではなく自分たちで責任を取るべきであろう。

 最も重要な事は、システムや主義ではなく人間である。

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