アバランチセルフレスキュー

上越  土合  678m
どあい






2007年2月24日〜25日



2月24日 基本技術講習
2月25日 捜索実習



 2月14日に八甲田山でスキーの雪崩遭難事故があったばかりですが、谷川岳の山麓の土合山の家の近くで雪崩捜索訓練を受けました。上級登攀ガイドでレスキューの専門家である新保ガイドの講習を労山のメンバーと共に受講しました。



2月24日

10時過ぎに土合山の家に集合し、午前中は労山救助隊副隊長からオリエンテーション。昼食後、雪が降る中、探索犬による埋没者の捜索実演を見学する。探索犬は雪の上を臭いをスキャンするように右に左に走り回り、見事に埋没者を発見した。見事な仕事だったが、埋没後15分が勝負となる雪崩遭難に対しては常に探索犬を連れて歩かない限り役には立たないと実感した。ただし、死者でも探索できるというので長期戦になる埋没死亡者の発見には役立ちそうである。実際に北岳の大樺沢での遭難者捜索に成果をあげた実績もあるとの事だ。



探索犬が埋没者を発見した。


探索犬による埋没者の捜索実演の後は土合山の家に戻り室内での搬送実習を受けた。今回の講習は労山の救助隊を対象としているので基本的に救助装備を活用した搬送実習である。セルフレスキューを中心とするガイドレスキューとはやや趣が異なるが大変参考になった。

2月25日

今日は西黒尾根下部で搬送訓練をするグループ40名と山の家の駐車場で埋没者探索訓練をする40名に分かれる。私は埋没者探索のグループに参加した。今日は昨日とは打って変って素晴らしい天候である。探索用の装備は、ビーコン、プローブ、スコップの3点である。ビーコンは電波を発信する機械で受信モードに切り換えて埋没者が発信する電波を探し出す事ができる。プローブは以前はゾンデと呼ばれていたもので、雪に刺して埋没者を探す。全長は3mほどだが携帯用に折畳みができる。スコップは雪を掘って埋没者を探し出すためのものである。

午前中はこれらの装備の基本的な使い方を練習した。リーダによるメンバーのビーコンの発信受信機能チェックの方法がまず重要である。ビーコンを持っていないメンバーが居る場合にも誰が持っていて誰が持っていないか把握しなくてはならない。デジタル式のビーコンは電波の方向を示してくれるので探索が非常に効率的になっているが、ビーコンが発する電波の流れを理解していないと縦に埋まってしまった場合の探索で混乱してしまう。プローブは折畳んだ状態からいかに早く延ばすかを練習する。そして、横一列になって掛け声を上げながらプロービングする練習を繰り返す。

午後はグループ毎に捜索実習である。課題は「雪崩発生、先行グループの3名が埋没、2名はビーコン装着、1名はビーコン未装着」である。探索活動はもちろんであるが、安全確認、見張り、記録、指示など役割分担して捜索が実行される。今回は雪が浅かったのでビーコン装着者の探索は容易である。しかし、ビーコン未装着者の探索は雪崩の流れ、遺留品の散乱状態などから場所を絞ってプローブによる探索になるのでなかなか難しい。それでもほとんどのグループが何とか15分以内に埋没者3名を無事に見つけ出すことができた。



プローブによる探索風景。






最近は雪山登山者のみならず、オフピステのスキーヤーやボーダーもビーコン、プローブ、スコップを持つようになってきた。しかし、これらの装備について日ごろから正しい使用法を訓練していないといざと言う時に役に立たない。このような訓練は毎年1回は受けておいたほうが良い。

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