身近かな雪山

丹沢　 仏果山 　７４７ｍ
ぶっかさん

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雪は１０センチほど積もっているが、湿っていてアイゼンをつけていないのにダンゴになる。足裏の雪を落としながらゆっくり登って行く。鹿止めの柵をくぐってゆくと猿が登山道に居た。我々の姿を見てすぐに柵を越えて消えて行った。登山道には意外と大きな猿の足跡がしばらく続いていた。林道に出た所で一休みする。今日は他の登山者に会う事は無いと思っていたが、休んでいると単独行の男性が追い越して行った。

林道脇の階段を登って登山道に戻る。少し登ると前方からパチパチというような変な音が聞こえてきた。どうやら高圧線から放電しているらしい。送電線を過ぎるとしだいに尾根状の登りになってくる。正面の仏果山の山頂は雲の中で見えないが、右手に高取山への尾根がうっすらと見えてきた。白い山肌に雪が降り続き、東京近郊とは思えない素晴らしい雪山の景色だ。

林相も良くなり、気持ちの良い雪の尾根を登って行くと、いったん傾斜が緩む。この辺りは左の斜面が切れているので、樹林があるものの注意が必要だ。再び階段状の登りが始まる。これを登り切ると仏果山の山頂である。登り口で２人のパーティーとすれ違う。じっくり登り、展望矢倉のある山頂に到着する。写真を撮り、ベンチに１０センチほど積もった雪をどけて昼食にする。

下りは念のためアイゼンを着用する。少し経ヶ岳側へ行くと右に高取山への分岐がある。早速、急斜面の下りになる。危険な箇所ではないが、ロープを頼りに慎重に下る。下り切るとしだいに右方向へ向かうようになり小さなピークを登る。高取山への稜線は小ピークがいくつか連なっている。やがて、右手に大きく聳える仏果山が望めるようになる。

宮ヶ瀬越で左に宮ヶ瀬湖への道を分け、小ピークを登る。正面の高取山は相変わらず雲の中だ。そろそろ最後の登りと登って行くとあっけなく高取山の山頂へ到着した。写真を撮り、一休みする。ここにも見晴らしの矢倉があるが、今日は登るまでもない。

静かな山頂を後に愛川へ向けて下る。始めは少し斜度があるが、しだいに緩やかな斜面になる。しばらくは広い気持ちの良い雪の斜面が続き、雪山散歩の気分である。降り切った所に鹿止めのゲートがあり、暗い樹林の中に入る。

しばらく下って行くとＴ字路にぶつかる。どちらへ行っても「愛川ふれあいの村」だが、左から行くと遠回りなので右の道を行く。時々樹間から見える愛川の集落がまるで雪国のようで面白い。林道を横切って少し下った所でアイゼンを外す。

さらに下って行くと、また分岐がある。ここは左が正解だったかもしれないが、右に行く。細いトヨ状の下りでとても歩きにくい。沢筋に降り、対岸に林道が見えると今朝の分岐は近い。橋の下をくぐるのを避け、左に行くと宮ヶ瀬へ行く道路のトンネルの前に出る。道路の下を抜ける階段があるがガードレールを越えて道路を渡る。舗装道路を下って行くと今朝登ってきた道になり、駐車場に到着する。相変わらず雪は降っているが道路の状況は良好だ。半原のコンビニで飲み物を買い豊田駅へ向かう。

• アドバイス

高取山からの下りは分岐が多く分かりづらいので登りに使った方が良い。低山の割りには眺めの良い山である。

• コースタイム