尾瀬のスキー

尾瀬  至仏山  2228m
しぶつさん




2005年5月2日〜3日

5月2日 白沢=鳩待峠〜ムジナ沢〜山ノ鼻〜鳩待峠=戸倉
5月2日 戸倉=鳩待峠〜ワル沢〜オヤマ沢〜鳩待峠=沼田=多摩

至仏山に入山できるわずかな期間を利用して久しぶりに至仏山を登りました。2度登り、初日はムジナ沢、2日目はワル沢とダイナミックなスキー滑降を楽しみました。


5月2日

朝、白沢の道の駅の車中で起床する。近くの炊事場で朝食の支度をしていると伊達さんがやって来た。愛知グループの4名も駐車場の隅でテント泊しているとの事である。昨夜の雨は止み、まずまずの天気である。

朝食後、6時半に車4台で鳩待峠へ向けて出発する。戸倉を過ぎ、山の中へ入って行く。雪崩に気をつけながら進んで行くと水上への分岐が有り、右に鳩待峠へ向けて登る。路面凍結している所は無く、順調に登り駐車場の手前に車を止める。駐車料金は2500円である。

スキーをザックに付け、兼用靴で鳩待峠へ向かう。今日は平日なので鳩待峠の鳩待山荘周辺もたいして混雑していない。スキーにシールを張り付けて出発だ。樹林の斜面を至仏山へ向けて快調に歩きだす。



スキーを担いで鳩待峠へ向かう。




鳩待山荘の駐車場。




スキーにシールを張り付けて出発。


初めは幅の広い緩やかな樹林の尾根でウォーミングアップにちょうど良い。なかなか天候は回復せず、視界の悪い霧の中を登る。樹林の中で一休みする。



幅の広い緩やかな樹林の尾根を行く。


さらに進むと傾斜がしだいにきつくなってくる。傾斜のきつい登りを越えると、樹林帯から解放されるが相変わらず視界は良くない。悪沢岳の手前辺りで一休みして出発すると、少し好転の兆しが出て来た。



傾斜がしだいにきつくなってきた。




小至仏山が見えた。


遭難防止のロープが張られた節減を越えると小至仏山のトラバースが始まる。至仏山も目前に見えてきた。右手の雲の上に燧ヶ岳が浮かんでいる。尾瀬ヶ原も見えて来た。コルで一休みして至仏山へのトラバースを登る。手前のピークを右に回り込み、直登すると至仏山の山頂に到着する。



小至仏山のトラバース。奥は至仏山。




小至仏山のトラバースを行く。




雲の上に燧ヶ岳が浮かんでいる。




至仏山の山頂に到着。


はやる心を押さえて山頂で一休みする。あまり遠望は利かないが山を眺めたり、写真を撮ったりして時間を過ごす。尾瀬ヶ原の眺めが良いので、予定通りムキナ沢を滑る事になった。シールを外して、滑走準備は完了だ。



平ヶ岳を望む。




尾瀬ヶ原の向うに燧ヶ岳が聳え、会津駒ヶ岳は雲の中だ。




至仏山の山頂にて。


山頂付近は狭く左が崖になっているので慎重に下る。ムジナ沢の上部には岩礫帯があるので真っすぐには下れない。まず右岸の尾根を滑り樹林帯と岩礫帯の間の細い雪面を滑る。岩礫帯の下を巻くようにトラバースしムジナ沢の中央に出ると尾瀬ヶ原が正面に広がる。



いよいよ滑降開始。




まず夏道通しに尾根を下る。




ムジナ沢の上部の岩礫帯を避けて右へ。




上部を快適に滑る。




樹林帯と岩礫帯の間の細い雪面を滑る。


ここからが大滑降の始まりだ。正面に燧ヶ岳を見て、尾瀬ヶ原へ向かって飛び出す。適度なザラメ雪でまずまずの雪質だ。快適にターンを重ね、気持ちの良いリズム感で滑り降りる。この一瞬のために3時間登ったのかと思うと大感激だ。樹林が出てきた所で止まり、斜面を見上げて一休みする。



正面に燧ヶ岳を見て、尾瀬ヶ原へ向かって飛び出す。




樹林が出てきた所で止まる。




ムジナ沢上部を見上げる。




滑り降りた斜面を見上げて一休み。


ここから真っすぐ沢を下らずに、右の樹林帯に入り、山ノ鼻へ下る事にする。樹林の中ではスピードは出せないが、それはそれで楽しい。登山者のトレースが沢山あり、山ノ鼻から至仏山への直登ルートになっている。樹林を抜けると尾瀬ヶ原の外れの平坦地に到着する。



樹林の中を滑る。




山ノ鼻に到着。




至仏山を振り返る。


山ノ鼻の小屋からは雪かきのエンジンの音が響いている。小屋の周辺には数張りのテントが張ってある。小屋を左に見て鳩待峠へ向かう。少し行くと橋が有り、橋を渡った所でスキーにシールを張る。しばらく川沿いの緩やかな斜面を行く。静かな樹林の中の気持ちの良いスノーハイキングである。川の水量は意外と多い。左岸からのヨセ沢を越えた辺りで一休みする。ちょうどワル沢が正面に見える所である。



川沿いの気持ちの良いスノーハイキング。


ヨセ沢を過ぎるとしだいに傾斜が出てくる。悪沢岳から鳩待峠への稜線がしだいに近づいて来る。右手の至仏山の斜面がとても気持ち良さそうだ。明日の滑降が楽しみである。最後の一登りで鳩待峠に到着した。



鳩待峠に到着した。


車に戻り、スキーと靴を雑巾で丁寧に拭いて、シールをヒーターの送風口に置いてヒーターを強める。一度、戸倉まで下り、温泉に入る。今日帰宅する2人と別れ、スキー場付近へ戻り、テントで夕食後車中で寝る。

5月3日

5時に起床後、朝食を済ませ鳩待峠に向かう。今日は祭日で天気も良いので車は駐車場をあふれて路上に連なっている。スキーを担いで10分程歩き鳩待峠に到着した。峠には清潔なチップトイレがある。ベンチでゆっくりとシールを貼り、出発の支度をする。



鳩待山荘のベンチでシールを貼り出発の支度をする。




賑わう鳩待峠から、後方は至仏山。


昨日と同じルートで緩やかな樹林の尾根を登る。今日は快晴で少し登ると右手に至仏山が望める。今日は登っている人も多く、スキー、スノーシュー、アイゼンと手段も色々だ。さらに登って行くと右手後方に燧ヶ岳が姿を現わす。



緩やかな樹林の尾根を登る。




樹間から至仏山を望む。


悪沢岳の手前の樹林の中で休憩した後、至仏山へ向けて出発する。やがて樹林から解放されると、右手に今日滑るワル沢の斜面が広がる。小至仏山とのコルで一休みして今日の滑降コースを眺める。



至仏山へ向けて登る。




至仏山が近い。




振り返ると燧ヶ岳も輝いている。




悪沢岳と小至仏山とのコルに到着。


ここまで来ると至仏山は手が届きそうな近さだ。小至仏山のトラバースルートを大勢の登山者が登っている。この先はどこからでも右の沢へ快適な滑降ができる。誘惑に負けずにトラバースルートを登って行くと、至仏山の山頂に到着した。



鳩待峠を振り返ると遠方に日光白根山が見える。




至仏山の山頂から右に下るワル沢の上部。




一番快適なワル沢の中間部。


山頂は昨日の何倍かの人で賑わっている。今日は時間が有るのでシールを乾かしながら1時間ほど山頂でのんびりする。周辺の山々も白く輝いて、とても良い眺めだ。



至仏山から越後駒ヶ岳の眺め。




平ヶ岳は大きい。




谷川岳方面の山々。




巻機山が大きく聳える。


いよいよワル沢の滑降が始まる。川上川の徒渉を敬遠して、樹林帯の手前で大きく右にトラバースしてオヤマ沢に下る事にする。ワル沢に飛び出すと気落ちの良い大斜面が待っている。雪質も良く、スピードに乗って気持ち良くターンを繰り返し、トラバース地点まで一気に下る。



ワル沢上部の滑降。




左に燧ヶ岳を望む。




快適な滑降。


右へ長いトラバースの後、オヤマ沢へ向けて滑り、やがて樹林の中に入る。斜度の緩い樹林の斜面をゆっくり下って行くと雪解けの中に小さな水芭蕉の群生があり、ここで一休みする。



右へ大きくトラバースしてオヤマ沢へ向かう。




樹林の向うに燧ヶ岳を望む。




平坦な樹林の中を滑る。




雪解けの中に小さな水芭蕉の群生を見つけた。


右の悪沢岳側の斜面は急なのでオヤマ沢沿いに下る。最低部でオヤマ沢のスノーブリッジ渡りスキーをザックに付ける。急斜面を登ると鳩待峠へのルートに出る。今滑り降りた悪沢の上部が樹間から望め充実感がある。



今滑り降りた悪沢の上部を樹間から望む。


鳩待峠にはすぐに到着した。舗装道路を10分程下って車に到着した。スキーを車に積み、沼田へ向かう。沼田で昼食を取り、後は高速道路で一路、多摩の自宅へ向かう。まだ渋滞しておらず、4時半には帰宅できた。

至仏山からの滑降コースは大きく、ムジナ沢ルートとワル沢ルートの2つがあり、尾瀬ヶ原へ滑り降りるムジナ沢ルートが人気である。特にワル沢は下部の雪の状態に気を付けて下るルートを選ばないと川上川を徒渉する事になる。

5月2日 標高 到着 出発
白沢 560 6:35
鳩待峠 1591 7:51 8:45
樹林帯 1735 9:17 9:27
悪沢岳下部 1905 10:04 10:14
至仏山手前コル 2115 11:09 11:29
至仏山 2228 11:53 12:15
ムジナ沢中間部 1715 12:45 12:59
山ノ鼻 1405 13:13 13:47
ヨセ沢出合 1475 14:23 14:32
鳩待峠 1591 15:07 15:32
戸倉 970 15:53
5月3日 標高 到着 出発
戸倉 1020 6:10
鳩待峠 1591 6:29 7:23
樹林帯 1785 8:03 8:15
小至仏山手前コル 2025 9:06 9:18
至仏山 2228 10:08 11:06
オヤマ沢出合 1495 11:26 11:42
鳩待峠 1591 12:11 12:40
沼田 485 14:02 14:26
堀之内 115 16:30
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