北アルプスのシンボル

北アルプス   槍ヶ岳   3180m
  やりがたけ




2003年9月19日〜21日

9月19日 多摩=(車)=沢渡=(バス)=上高地〜横尾(幕営)
9月20日 横尾〜槍沢ロッジ〜ババ平〜大曲〜殺生平(幕営)槍ヶ岳往復
9月21日 殺生平〜大曲〜ババ平〜槍沢ロッジ〜横尾〜上高地=(バス)=沢渡=(車)=多摩

もう何度も登った槍ヶ岳ですが、登るたびに新鮮な感動があります。今回は曇り時々小雨という条件の中で登りましたが、行列を作ることも無くとても静かに登れ、それはそれで楽しい槍ヶ岳でした。今年は紅葉はしないのではと言われているようですが、稜線近くは少し紅葉していました。10月の紅葉シーズンになると大混雑する槍ヶ岳の静かなひと時を楽しめたのは良い思い出になります。


9月19日

朝、5時半に多摩を出発し、中央高速で松本へ向かう。順調に進み、途中の諏訪湖SAで朝食にする。今日は平日なのですいていて気持ちが良い。諏訪湖を眺めながら朝食を取る。松本で高速道を降り、順調に沢渡へ向かい、沢渡大橋の駐車場に車を止める。

上高地行きのシャトルバスが10分間隔で出ているので、バスにもゆったりと乗れる。まだ人の少ない上高地に到着し、山行計画書を提出して梓川沿いの道を行く。西穂高岳、奥穂高岳、前穂高岳が聳える岳沢の眺めが雄大だ。



岳沢と穂高をバックに。


観光客で賑わう河童橋を後に、明神へ向かう。時々左手の樹間に見える明神岳が素晴らしい。



聳える明神岳。


明神で一休みした後、徳沢へ向かう。梓川沿いの道は平坦だが時々小さなアップダウンがある。徳沢に近づくと左手に前穂高岳が見えはじめる。徳沢のテント場は気持ちの良い所だが、一休みして先に進む。



前穂高岳が見えると徳沢は近い。




徳沢にて。


左に屏風岩が見えてくると横尾はもうすぐだ。空模様はだんだん悪くなっていおり、とうとう雨が降り出した。雨具を着けて歩く。今日はババ平にテントを張る予定だが、初日から濡れては辛いので横尾にテントを張る事にする。横尾のテント場はトイレもきれいで環境はまずまずである。早めに夕食を済ませて、5時過ぎに寝た。

9月20日

朝3時に起床して5時過ぎに出発した。小雨が降っており、雨具を着けて歩く。まだ少し薄暗いが明りが無くても十分に歩ける。途中の槍見河原からはもちろん槍ヶ岳は見えない。一ノ俣で一休みしていると雨はさらに小降りになってきた。しばらく川沿いの平坦な道を行き、樹林の中をひと登りすると槍沢ロッジに到着した。



もうすぐ一ノ俣。




槍沢ロッジで一休み。


雨もほとんど止み、槍沢ロッジのベンチでしばらく休憩してから出発する。ここからは少し登りになる。赤岩山のガレ沢をいくつか横切って行くが、見上げる岩峰が素晴らしい。しばらく樹林の中を歩き、ひょっこりとババ平に出た。ここで一休みして雨具を脱ぐ。



赤沢山方面に聳える岩峰を見上げる。




ババ平から見る槍沢のU字谷。


ババ平からは開けており、槍沢の大曲あたりが眺められる。もう盛りは過ぎたが、お花畑にはいくらかの花が残っており、気持ちも明るくなる。水俣乗越分岐を過ぎると眼前に氷河跡のU字谷が広がる。花も増え、頭上には東鎌尾根の岸壁が聳える。とても気持ちの良い場所なので大岩の所で一休みする。



大曲から見上げる槍沢。




大曲から見るグリーンバンド。




大曲付近のお花畑。


対岸の樹林がわずかに紅葉しているように見える。しばらく緩やかな登りが続くが、しだいに傾斜を増し斜面の登りになる。道はしっかりしており、ジグザグにゆっくり登る。



まだ残っている槍沢の雪。


登りきるとモレーンの上に出る。槍沢は大きく右に曲がっており上部にグリーンバンドが見える。さらに急登が続き、グリーンバンドの上に出る。見上げると殺生小屋の向こうに槍の穂先が見えた。槍と対面するまでにどれだけ歩いた事か。大感激である。しばらく休んで写真を撮る。



やっとグリーンバンドを登り切った。




やっと見えた大槍をバックに。


トラバースぎみに沢の中央に出て、、今度は沢の中心を登る。下から上がって来たガスがたちまち槍を隠してしまった。雨も降り始め雨具を着ける。播隆窟の前で手を合わせさらに登ると殺生小屋への分岐が有り、右に小屋へ向かう。



播隆窟の前で手を合わせる。




殺生ヒュッテ手前の大喰岳側壁。


小屋でテントの申し込みを済ませテント場へ向かう。今日も一番乗りなので一番良い場所にテントを張る。明日はさらに天気が悪くなるので、少し疲れているが今日槍を登る事にする。

行動食と防寒着をアタックザックに詰め、雨具の上にハーネスを着けて出発する。荷物が軽くなったので少し飛ばし過ぎて息が弾む。もう三千メートル近いのだ。槍の肩に着き、槍ヶ岳山荘の入り口で防寒着を着て、ザイルをショートロープのセッティングにする。



槍の肩にある槍ヶ岳山荘にて。


雨の中、人の居ない槍の穂先に取り付く。階段状フェースを少し登り、左のクーロアールに出た所でザイルを結ぶ。クーロールの上部を登ると鉄梯子がある。その上は丸いフェースを鉄杭を頼りに登る。ここが穂先の登りの核心部である。



見上げる槍の穂先。


慎重に登り見上げると、頂上に二本の鉄梯子が見える。ここで下りルートと合流する。頂上への最後の鉄梯子は垂直に近く、長い。この鉄梯子を慎重に登り、槍ヶ岳の頂上に立った。残念ながら周りの山々は見えないが、長い道程だっただけに大感激である。ちょうど登って来た人が居たので、早速祠の前で写真を撮り一休みする。今日は人が少ないので狭い頂上でもゆっくりできる。双六岳の方は濃い雲に覆われているが、大喰岳や飛騨沢は時々姿を見せていた。



槍ヶ岳山頂の祠にて。


下りもショートロープで慎重に行く。まず長い鉄梯子を下り、鎖に沿って下ると登りルートとの分岐に出て真っすぐ下る。岩溝の鎖に沿って下って行くと、眼下に槍ヶ岳山荘が見えた。



槍の穂先の下り。




肩の小屋がよく見えてきた。


鎖場が終わると後は階段状の岩場の下りになり、白いペンキに導かれて、槍の肩に降り立つ。再び槍沢を殺生平へ向けて足取り軽く下って行く。途中で雷鳥も見ることができた。殺生平のテントに着いたのは5時過ぎで、今日は良く歩いた。早速夕食の支度をして、8時過ぎに寝た。ラジオのニュースによると、明日の深夜に東京の沖を台風が通過するようだ。

9月21日

4時過ぎに起床する。相変わらずの雨降りだが、朝食を終えテントをたたむ頃には少し小降りになった。時々大槍の穂先がぼんやりと見える。7時に出発し槍沢を下る。

しばらく緩い下りが続き、グリーンバンドで槍に別れを告げるとしだいに下りが急になってくる。道幅の広い所で一休みしてさらに下る。天狗原から流れ落ちる水が、昨日と打って変わって立派な滝になっている。雨のおかげで槍沢の流れも今日は元気がいい。眺めの良い場所で再び休む。

対岸の滝を眺めながら平坦な道をババ平へ向かう。ババ平を越えると再び下りになる。槍沢ロッジに着くころは少し雨足が強くなったようだ。小屋の入り口で雨をしのいで一休みする。

少し小降りになったようだ。横尾、徳沢、明神と歩き4時に上高地に到着した。台風のおかげか河童橋も比較的静かである。稜線には雲があり、幻想的な岳沢を見ることができた。



雲にまかれた岳沢と穂高。


すぐにバスに乗ろうとしたが、雨具とザックカバーは取るように言われ、5分後の次のバスで沢渡へ向かう。沢渡の車も少なく、バスも快調に走る。沢渡で温泉に入り夕食を済ませると、心地良い疲労が気持ち良い。松本から高速道路に入り、久々に渋滞の無い中央高速を走り、夜の9時半に無事帰宅した。

北アルプスの中でも人気の高い槍ヶ岳なので大槍の穂先への登りは渋滞する事が多い。時間の余裕を持って慌てずに登りたい。岩登りの基本ができている人は良いが、そうでない場合はザイルによる安全確保が望ましい。特に下りで高度感のある所もあるので自信が無い場合は穂先は眺めるだけにしよう。

9月19日 標高 到着 出発
多摩 115 5:18
沢渡 985 9:08 9:30
上高地 1505 10:02 10:18
明神 1530 11:09 11:24
徳沢 1565 12:13 12:33
横尾 1625 13:38
9月20日 標高 到着 出発
横尾 1625 5:25
一ノ俣 1705 6:33 6:43
槍沢ロッジ 1820 7:23 7:57
ババ平 1990 8:40 8:53
大曲 2100 9:40 9:53
大岩 2310 10:41 10:51
グリーンバンド上 2610 11:50 12:06
殺生平 2860 13:10 13:53
槍ヶ岳山荘 3065 14:30 14:52
槍ヶ岳 3180 15:25 15:50
槍ヶ岳山荘 3065 16:30
殺生平 2860 17:05
9月21日 標高 到着 出発
殺生平 2860 7:02
モレーン下部 2420 8:08 8:19
大曲付近 2135 9:13 9:20
槍沢ロッジ 1820 10:37 11:00
横尾 1625 12:30 12:50
徳沢 1565 13:45 13:58
明神 1530 14:56 15:05
上高地 1505 16:05 16:10
沢渡 985 16:37 18:20
多摩 115 21:30