岩登りの練習

奥武蔵 日和田山
ひわだやま




2003年5月10日

高麗駅〜日和田山ゲレンデ〜高麗駅

初歩の岩登りのトレーニングとして無名山塾の三点確保を学ぶ会で日和田山のゲレンデへ行きました。私は見学だけでしたが、岩崎元郎さんの初心者への岩登りの教え方を学んで来ました。


5月10日

朝6時半に永山を出発して高麗へ向かう。途中渋滞も無く、入間、飯能を経由して8時前に西武線の高麗駅に到着した。二人を降ろして車を置きに行き、歩いて駅に戻る。8時40分の集合時間に合わせて、岩崎さんを始め参加者が到着した。駅前の広場でストレッチ体操をして、岩崎さんを先頭に日和田山へ向かう。



高麗駅前の広場でストレッチ体操。


踏切を渡り飯能からの道を渡り、右に遊歩道のような道に入ると正面に日和田山が望める。川を渡り左に秩父方面へ歩き、日和田山の登山口に着くが、非常に分かりにくい所だ。沢に沿って20分程登り、ゲレンデ(練習場)に到着した。今日は手前の通称子供岩という小さな岩で講習をする。先行した無名山塾の研修生によって既にロープがセットされており、すぐに岩崎さんの講習が始まった。



日和田山を眺めながら歩く。




岩崎元郎さんの指導で講習が始まった。


まず、ゲレンデの下部で三点確保による岩の登り方を練習する。スタンス(足の置き場)が指定され、自分でホールド(手で掴む場所)を探して三点確保を意識して登り同じように下る。岩が初めての人、慣れた人、色々いるが慣れない人はホールドを頭より上に探す傾向が有り、体か伸び切ってバランスを悪くしている。スムーズな足の体重移動と次を考えたスタンスの移動がポイントである。また、上体は脇を締めて、指を寄せて岩を掴むよう指導があった。



指定されたスタンスで三点確保での登下降の練習。




岩から体を離してバランスよく登る。


全員一度、岩崎さんの指導を受けてから二班に分かれる。我々の班は、先程と同じように三点確保での登下降の練習を繰り返す。全員が3回練習を終えた所で次の班と交替する。

次は、岩崎さんからロープの結び方を習う。トメ結び、8の字結び、フィッシャーマンノット、グローブヒッチ(インクノット)と基本的な結び方を教わり、自分で実習してみる。8の字結びは基本なので何度も練習させられていたが、後の実演の場ではうまくできない人も見受けられた。簡単な結び方でも体で覚えていないと、登攀の場面ではあせってしまい、うまくできないようだ。



ロープの結び方の講義。


昼食の後はいよいよ肩がらみの懸垂下降である。懸垂用のザイルは3本セットされていて、3人並行に練習する。懸垂下降する人を確保する人も3人いて安全を確保する。まず、岩崎元郎さんの懸垂下降の実演で開始した。次にゲレンデの下でロープに乗る練習をする。



岩崎元郎さんの懸垂下降の実演。




ロープに体重をかける練習。


肩がらみの懸垂下降は、全員苦労しているようだ。ロープに乗り切れず、手で上のロープにぶら下がって足で降りようとするためバランスを崩して振られてしまう。出だしが垂壁になっているので初心者には辛いようだ。体を半身にして、上の足と下の足の位置関係を保つ事も重要である。



確保されながら懸垂下降の練習。




うまくロープに乗るのがポイント。


岩に慣れる為の懸垂下降という事で、できない人はクライムアップ、ダウンの繰り返しをする事になった。結局、全員が3回練習をして、実技は終了になった。全員、講習の始めに比べてだいぶ岩に慣れてきたようだ。懸垂下降はまだまだだが当初の目的は達成したように思う。



確保されながら三点確保による登下降で岩に慣れる。




岩の上部では緊張する。




体を伸ばしすぎると岩にへばりついていまう。


最後は、岩崎さんからフェラータの紹介が有った。フェラータとはハーネス、スリングとカラビナを使って鎖場等を安全に通過する方法で、イタリア語だそうだ、本当のフェラータ、簡易フェラータと色々話を伺った。縦走路の鎖場を通過する安全な方法である。ガイドとしてはお客が落ちた時のリカバリー策まで考えておきたい。

3時半に岩崎さんの講習が全て終わり、片付けが終わったところで岩崎さんとの写真を撮らせていただく。皆、課題を残しながらも満足した感じで山を下った。途中、駐車した車の所で岩崎さんに挨拶をして、皆さんと分かれる。途中、渋滞が有り、2時間くらいかかって永山に到着した。



岩崎さんとの写真を撮らせていただく。




岩崎元郎さんとのツーショットに感激。


初心者ほどスタンス(足の置き場)に自信が持てず、手で登ろうとする傾向がある。できるだけ高い所にホールド(手で掴む場所)を得ようとするため体が伸びきってしまい、その結果スタンスが危うくなってしまい、また次の一歩が出にくくなる。何度も練習して岩に慣れて、岩の上を歩く感覚をつかむのが近道である。

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