明神岳、穂高岳の展望

北アルプス 徳本峠・大滝槍見台   2365m
とくごうとうげ・おおたきやりみだい




2003年5月1日〜3日

1日 永山=沢渡=上高地〜明神〜徳本峠
2日 徳本峠〜大滝槍見台〜徳本峠
3日 徳本峠〜明神〜上高地=沢渡=永山

春の連休は前半のすいている時期を利用して北アルプスへ行きました。当初は4月29日に入山の予定でしたが、30日の天候が悪いため1日から入山する事に変更し、場所も槍ヶ岳から徳本峠に変更しました。おかげで毎日好天に恵まれ、穂高の眺めを満喫してきました。


5月1日

朝、5時過ぎに永山を出発した。府中から中央道に入りすいた高速道路を快調に進む。今日はパジェロなので運転が楽だ。双葉サービスエリアで朝食をとる。ここでは焼きたてのパンを売っていた。松本で高速道路を降り、沢渡へ向かう。道路はすいていて快調だ。沢渡の駐車場に車を止め、タクシーで上高地へ向かう。釜トンネルは上半分の二車線化が完了し待ち時間が半減したようだ。

今朝の上高地はまだ観光客も少なく静かである。計画書を提出し、支度をして出発する。一度、梓川に出て昨日の新雪に覆われて真っ白に輝く岳沢をバックに写真を撮る。



昨日の新雪で輝く岳沢をバックに上高地を出発。


明神までは左手に明神岳を眺めながら単調な車道歩きだ。1時間程で明神に着き、トイレ休憩をとる。明神の少し先に白沢の橋があり、橋を渡ると徳本峠への分岐がある。



明神へ向けてのんびりと歩く。




徳本峠への分岐。


分岐を右折してしばらくは幅の広い林道が続く。しかし、人通りの無い静かな道である。平坦な道をのんびり歩いて行くと左手に車が駐車している。どうやら小屋関係の車らしい。やがて左の黒沢沿いに歩くようになり、枝沢にかかった橋を二つ渡ると山道になって、雪が出て来た。雪の無い所を見つけて一休みする。



白沢の流れの音を聞きながら静かな林道を歩く。


しばらく黒沢右岸の夏道通しに登り、黒沢に降り立つ。沢は雪がびっしり詰まっており、雪渓歩きになる。振り返ると明神岳と前穂高岳が聳えている。ここまで来て休むんだったと少し後悔。



黒沢下部の雪渓の登り。




明神岳、前穂高岳をバックにご機嫌な登り。


雪渓は登るにつれて斜度を増してくる。左右の枝沢からの雪崩の跡が不気味だが、デブリは黒沢本谷ま端で何とか止まっている。さらに登ると右のジャンクションピークから急峻な雪渓が降りて来て二股になっている。二股の左の雪渓を少し登った辺りに斜度の緩い所を探して一休みする。相変わらず明神岳の眺めが素晴らしい。



黒沢雪渓上部の二股でアイゼンを着ける。ここから傾斜がきつくなる。


ここから急な雪渓が続くのでピッケルとアイゼンに切り替えて登る。沢は途中で右に曲がっているのであまり高度感はない。かなり登った所に沢を横断してロープが張ってあり、そこから左にトラバースになる。



快適に雪渓を登る。


樹林の中のトラバースだがかなりの急斜面なので慎重に行く。長い斜上ぎみのトラバースが続き、しだいに稜線が近くなってきた。やがてひょっこりと徳本峠の幕場に出た。

早速、見晴らしの良い一等地を確保して小屋に行く。我々は明日は蝶ヶ岳まで縦走の計画だが、小屋のおやじさんの話によると今年はまだ誰も入っていないらしい。雪も不安定でルートも分かりづらいので、無理をせず大滝槍見台までのピストンに変更する事にした。

小屋の前のベンチでのんびりしていると、今日、島々谷を登って来た相模原の山村さんという方から島々谷の様子を聞く事ができた。話が盛り上がり、明日は大滝槍見台に同行してもらう事になった。



徳本峠小屋の前で。




穂高の見える一等地にテントを張る。


幕場はきれいに除雪されているのでテントの設営も楽である。入り口を穂高側にして最高のテントが張れた。テントの入り口を開けておいても寒くない程の天気なので、しばらく景色を楽しみながらテントの中でくつろぐ。水を小屋から買い夕食の支度をし、ゆっくりと食事をして8時に寝た。

5月2日

朝4時起床の予定だったが、皆よく寝ているのと今日は時間の余裕があるので4時半起床にした。ゆっくり朝食をすませ7時過ぎに出発した。今日、同行してもらう山村さんを待たせてしまった。



徳本峠のテントから輝く朝の穂高岳と明神岳を望む。


テントに不要な荷物を残して、アイゼンとピッケルで出発する。テント場脇の雪の無い尾根に取り付き、水タンクの横を通って登る。今日は時間の制約が無いのでルートファインディングの練習のため15分ごとにトップを交替しながら行くことにする。

夏道の赤ペンキを頼りにルートをとって行くが、時々見失ってしまう。二重背稜が多く、登り下りの多い尾根なので、ルートファインディングの難しいルートである。最初の二重背稜は左の尾根から一旦下り、右の尾根に取り付く。短いが急な斜面を登ると尾根上に夏道がある。登り切った所が2247ピークである。樹林の間からわずかに大滝山と蝶ヶ岳が望める。ここで一休みする。



2247ピークにて。


しばらく下って行くと右に雪に埋まった小さな池がある。池から登りになり、明神見晴らしの近くで樹間から穂高を眺め、急な斜面を下る。登りは高い所を目指せばほぼ間違え無いが、下りのルートファインディングは難しい。下り切った所に地図に示される池が有り、雪に埋まった池の上で休む。



下りのルートファインディングが難しい。




雪で埋まった池の上で一休み。


池から右の尾根状に取り付くが、すぐに斜面の登りになる。まとまった登りであり、気合を入れて登る。登り切ってもまだ小さな登下降が続く。やがて針葉樹林帯に入ると槍見台は近い。木から落ちた雪で雪面がでこぼこになり歩きにくい所だ。

薮の登りを登り切るとヤグラが有り、大滝槍見台に到着した。目の前に穂高から槍ヶ岳に続く雪の山が感動的である。しばらく槍穂高の山々を眺め、写真を撮ってから思い出したように昼食を取る。こういう景色を眺めながらのコーヒーは何とも言えないひと時だ。



同行してくれた山村さん。ありがとうございます。




大滝槍見台で槍穂高をバックに最高のショット。




素晴らしい天気に恵まれて言うことは無い。




大滝槍見台から槍ヶ岳遠望。




やぐらの上に乗ると景色も変わる。


1時間半程ゆっくり眺めを楽しんで、徳本峠へ向けて出発する。行きと同じようにトップを交替して行く。自分たちの足跡があるので楽だと思っていたが、表面の雪が溶けて足跡が分かりにくくなっているので意外に苦戦する。二重背稜は登った時の記憶と地図で判断が容易だが、広い斜面の下りは判断が難しい。同行してもらった山村さんに助けてもらいながら明神見晴らしに到着した。明神岳、前穂高岳が迫力があり、ここでもしばらく休憩する。



明神見晴らしからの明神岳と前穂高岳。


後は樹林の中の登り下りを繰り返して徳本峠に戻るだけだ。2247ピークで休んで夏道の出た尾根を下る。この尾根は適当な所で右の尾根に移らないと谷に下ってしまうので要注意である。小屋の屋根が見えた所で一安心した。



徳本峠の小屋が見えた。




徳本峠小屋へ向かって下る。


少し下った所でアイゼンを外しテントに戻る。今日は1張り増えて2張りになった。テントの脇で祝杯をあげていると、小屋泊まりの山村さんがビールを差し入れてくれた。しばし一緒に歓談する。少し冷えてきたのでテントに入る。隣のテントはもう食事が終わって寝てしまったようだ。我々も早々に夕食を済ませ早めに寝ることにする。

5月3日

今日は急いで下山する理由が無いので朝6時にゆったりと起きた。10時間以上横になっていた事になる。今日も天気が良く、穂高が輝いている。朝食を済ませ、ゆっくり下山の準備をしてテントをたたみ、小屋のおやじさんに挨拶をして下山する。

今日は出だしのトラバースが急なのでショートロープで下る事にした。テント場でアンザイレンして出発する。トラバースでやや緊張する所もあるが、難無く黒沢の上部に降り立つ。練習のためしばらくショートロープで下る事にする。沢の途中で休んでいると、連休初日だけあって、どんどん人が登って来る。中にはスニーカーの人もいて驚かされる。



黒沢の上部をアンザイレンして下る。


雪渓下部の傾斜が緩い所でショートロープでの確保の練習をする。前の人との間隔が短いほど、ロープが張っているほど滑落時のショックが少なく止めやすいことがわかる。また、確保によって自分が引き込まれそうになった時でも自分より上(下りの場合は後ろ)の人の確保で止まることも実感できた。練習の後はロープを短く張って歩くようになり、練習の成果を見ることができた。

黒沢の雪渓の末端で一休みしてザイルとアイゼンを外す。雪の残った夏道を下り幅の広い林道に出ると、とてものどかな気分になる。道端のミヤマエンレイソウなどを眺めながらゆったりと歩く。



のどかな林道を歩く。




道端のミヤマエンレイソウ。


横尾からの本通りに出ると、とたんに賑やかになる。連休初日で賑わう明神で一休みしてから上高地へ向かう。子供連れからスキーを担いだパーティーまで、すれ違う人はさまざまである。あまりにも天気が良いので途中、小梨平の梓川沿いのベンチで紅茶を飲みながら岳沢を眺めて一休みした。梓川沿いに上高地に向かうと正面の焼岳が白く輝いていた。



梓川に沿って歩く。前方は焼岳。


上高地に着くと、いつもの事だが、驚くほどの賑わいである。五千尺ホテルで弁当を買い、河童橋を渡って岳沢の見晴らしの良い河原で昼食にした。名残惜しいが、3日間楽しませてくれた穂高の眺めにお別れをしてタクシーで沢渡に向かう。「♪穂高よさらば、また来る日まで・・・」



岳沢をバックに。


沢渡でパジェロに乗換え松本へ向かう。今日はもう初夏の気温である。車の流れは良く、途中のコンビにで飲物を補給して高速道路に乗り、5時半には永山に到着した。

黒沢の徳本峠直下は急な所もあり侮れない。徳本峠と滝山の間は入山者も少なく、複雑な地形なので積雪期に入山する場合は詳細な地図とルートファインディングの力が必要である。ルートを熟知していない場合は、視界の悪い日には入らない方が良い。

5月1日 標高 到着 出発
上高地 1505 9:11 9:38
明神 1530 10:41 10:58
徳本峠入口 1540 11:04
樹林帯 1650 11:44 11:59
黒沢二股 1920 12:53 13:35
徳本峠 2135 14:34
5月2日 標高 到着 出発
徳本峠 2135 7:16
2247ピーク 2247 8:00 8:13
2150 9:02 9:21
大滝槍見台 2365 10:45 12:15
池手前 2205 13:09 13:20
明神見晴らし 2190 13:44 14:02
2247ピーク 2247 14:46 14:53
徳本峠 2135 15:35
5月3日 標高 到着 出発
徳本峠 2135 7:57
黒沢二股 1920 8:40 8:51
黒沢雪渓末端 1705 9:27 9:50
明神 1530 10:51 11:08
小梨平 1520 11:54 12:20
上高地 1505 12:30 13:32
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