緊張の稜線歩き

信州  独鈷山   1266m
とっこさん




2002年10月26日

沢山湖〜独鈷山〜沢山湖

上田の別所温泉の近くに住む友人の柳沢さんと以前から独鈷山へ登ろうと話していましたが、やっと実現する日が来ました。雨の予報の中、八王子のテニス仲間と柳沢宅へ集まり、好天の独鈷山を登って来ました。標高は低いけど、なかなか手応えの有る山でした。


10月25日

金曜日の夜は、原村の家に集まり5人で独鈷山登山前夜祭を行った。早く寝るつもりがいつものように遅くなってしまった。



原村の家で前夜祭。


10月26日

朝、6時半に起きて7時半に出発する予定が、家の水抜きなどをしていて15分遅れてしまった。それでも道がすいていたので、5分遅れの9時5分に別所温泉の柳沢宅へ到着した。久々の再会なので柳沢宅でゆっくりくつろいだ。



柳沢宅で愛犬と。


今日の天気は午前中が勝負なので懐かしい時間を後に、3台の車で沢山湖へ向かう。9時35分に柳沢宅を出発した。独鈷温泉の前を過ぎ、山道を走り、独鈷山の登山口を過ぎ、10分ほどで沢山湖に到着した。ダムを渡った所に駐車場があり、車を止める。5分程で登山口に戻り、とりあえず元気な姿で記念撮影をする。



ダムの上の道を渡って独鈷山登山口へ。




登山口での元気な姿。


尾根までは地元の柳沢さんに先導してもらう。出だしから急な登りになる。地元の山なので、登山道は自然のままで道標も少ない。それなりに素朴な山歩きができて楽しい。30分程歩いて一休みする。



しばらくうっそうとした樹林の中を歩く。


登山道は沢沿いに登って行くが、沢の水はいつの間にか消えていた。沢沿いの樹林がうっそうとした中を滑りながらひたすら登り続ける。



急登が続くがまだ元気だ。


所々にある紅葉した木々を糧に登って行くと、正面に稜線と思われる明るさを感じた。しかし、なかなか稜線にたどり着かない。ようやく稜線に着くと道は左に稜線通しに登って行く。ともかく、ここで一休みする。

さあ出発という時に一波乱有った。一匹のスズメバチが我々の近くを、まるで偵察するように飛び回り始めたのだ。緊張した一時だったが、スズメバチが目を離したすきに上へと逃げ出した。

稜線上も樹林の中だが、時折展望も楽しめる。比地原を先頭に紅葉を眺め、栗を踏み、楽しみながらゆっくり歩く。小さなコブを二つ越え、稜線の右側をトラバースぎみに登ると大きな岩の下に出る。岩の間を向こう側へ越え、岩の左から稜線上に出る。さらに登り、小高い展望の良い場所で一休みする。振り返ると美ヶ原の平な頂上が望める。



小ピークからの下り。




そろそろ疲れてきた。


少し行くと突然、右側が開ける。独鈷山南面の岸壁が紅葉に包まれて素晴らしい眺めだ。しかし、右側が切れているので気をつけて歩かなくてはならない。見晴らしの良い岩の上から稜線通しに下るとやや難しい下りだった。ここは少し戻って左の巻道を行くべき所だ。ここには短い残地ロープが設置してある。



紅葉の独鈷山南面の岸壁。


少し下り、再び登りになる。最後の登りだろうか。稜線が左に曲がるあたりから道が不鮮明になってきた。右斜面に下り気味の道があり赤布があったのでそちらへ行ったが左の稜線上に戻った。落ち葉の斜面を踏み跡らしきものをたどって登ると、小さな岩峰の上に出た。頂上は、まだ先だ。

しばらく展望を楽しんだ後、岩峰を下り右から岩峰を巻いて下る。右側が切れていて注意を要する所だ。すぐに小さな岩を越える所があり、ここでロープを出す。岩の上の木にロープを固定して登りと下りにロープを垂らす。しばらく右側が切れた道を行くと10メートル程の急な下りになる。ここを木の根につかまりながら下る。

すぐに頂上直下の広場に出て、右から宮沢口からの道を合わせる。広場からは危険の無い斜面を一登りで独鈷山の頂上に着く。20人程でいぱいになりそうな狭い頂上だが、360度の素晴らしい眺めだ。柳沢さんの家も見える。早速お湯を沸かし、ラーメンを作り、コーヒーを入れる。最高のひと時である。



山頂への最後の登り。




独鈷山の山頂にて。




柳沢さんの家も見える。




山頂でのひと時。




南面の紅葉は素晴らしい。


今日は誰も登って来ないのかと思っていたら、我々が休んでいる間に前山ルートから1人、宮沢口ルートから子供連れの6人が登って来た。我々もゆっくり時間を楽しんでから下山を開始した。



登って来た道を下山。


広場に下ると難所が待っている。先程ロープ無しで下った急斜面にーロープを固定して登る。左が切れた登山道を注意して進み、岩を越える所に再びロープを固定する。この先トラバースぎみに切れた所を行くが、ロープ無しで通過し、岩峰の基部に集合する。



岩を越える所にロープを固定。




切れた斜面をトラバースぎみに登る。


岩峰から左に曲がり、落ち葉に埋まった分かりにくい道を、ルートを外さないよう注意深く下る。再び分かりやすい尾根上を歩くようになると、とうとう雨が降り出した。雨具を着る事にする。雨はさほど強くならず、尾根上を行き、トラバースし、快調に進み一休みする。

小さなピークを二つ越えると下降点に到着した。ここからの下りは危険は無いが滑りやすいのでゆっくり下る。こういう斜面ではストックが非常に役に立つ。下り始めると雨が止んだ。涸れた沢沿いにかなり下ってやっと沢に水が慣れる所に着いた。登山口まであとわずかだ。



無事に登山口へ到着。


登山口から駐車場へ車道を登り返す。あたりはしだいに暗くなってきた。ダムの上から見上げると、独鈷山の山頂あたりに雲がかかり、厳粛な様相を見せていた。沢山湖の駐車場には日没寸前の4時40分ごろに到着した。



ダムの上でお疲れさん。




幻想的な独鈷山の山頂を望む。


独鈷温泉までは車でわずかな距離だ。車で数分で着いてしまう。独鈷温泉から独鈷山の頂上を眺める事はできないが、今登って来た山を眺めながら野天風呂にゆったりつかるのは、とても気持ちが良い。

柳沢さんの先導で、暗い裏道を走り、上田のイタリアレストランへ向かう。ここで柳沢さんの奥さんと合流して、ビールで乾杯する。久々の柳沢さん夫婦との再会に、ワインとおいしい料理で盛り上がった。



上田のイタリアレストランで乾杯。


正子の運転で柳沢さん宅へ戻り、懇親会の続きをやった。最近いっしょにテニスをする機会が無くなってしまったテニス仲間なので、話が尽きない。11時ごろお開きになり、上田の宿へ向かう。

10月27日

朝起きると素晴らしい天気だ。朝食後、9時に柳沢さん夫婦が来て、紅葉を眺めに湯ノ丸へ行く事になった。湯ノ丸までの道の両脇の紅葉は今が盛りである。車を止めて写真を撮ったり散策したりする。



湯ノ丸付近の紅葉。


湯ノ丸には広い駐車場がある。スキー場のリフトの脇に道があり、ハイカーの姿が見られる。この辺りの紅葉はほとんどカラマツの紅葉である。そのまま下り、新鹿沢温泉へ向かう。新鹿沢温泉からは四阿山の東面を眺める事ができた。再び温泉につかり、ゆったりと時を過ごす。

再び湯ノ丸を越えて東部にある、ベアパウという変わった名前の蕎麦屋さんへ向かう。柳沢さんの案内が無ければそれとわからない、雑木林の中の蕎麦屋である。ここでそば粉100%の美味しい蕎麦をいただき、解散する。上田の柳沢さん、黒姫へ行く平山さんと分かれ、関越自動車道八王子へ向かう。渋滞にあう事も無く、5時過ぎに無事に帰宅した。

独鈷山は標高は低いが、全体的に岩が多く切り立った山である。場所によっては転落の危険性のある所もあり、初心者がいる場合にはロープを持った方が良い。登山道はあまり踏まれていない所も有り、特に下山時にルートを間違えないよう注意が必要である。初心者だけの入山は避けた方がよい。

10月26日 標高 到着 出発
沢山湖 580 9:45 9:52
登山口 570 9:57
一本 700 10:16 10:20
稜線 1020 11:05 11:14
一本 1205 12:00 12:08
独鈷山 1266 13:09 14:16
一本 1150 15:38 15:45
沢山湖 580 16:42 17:00
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