穂高南部の荒涼とした山

北アルプス　 焼岳 　　２４５５ｍ
やけだけ

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千石平園地を通り過ぎて西穂山荘まではゆっくり歩いて１時間ほどだ。歩いているのはハイカーばかりである。

賑わう小屋を後に下りはじめる。１５分ほど下ると上高地との分岐に出る。ここを右に焼岳へ向かう。ここからの稜線は初めてのルートだ。さらに１５分下ると左にきぬがさの池が見える。樹林の中の登下降が続き、振り返ると西穂高や前穂高が見えたりして楽しい。槍見台の手前のコルで一休みする。槍見台を越えると眼下に大正池が見下ろせるようになった。ここまで来て休むんだった。ここから見ると大正池というより川のように見える。

割谷山の右を巻く様になると笠ヶ岳が遠望できる。この巻道には所々小さな崩壊があり、固定ザイルが設置されている所もある。やがて急な下りになると焼岳小屋は近い。

中尾温泉からの道を合わせるとすぐに小屋に到着する。小屋に着いたのは２時近くになってしまった。焼岳に登って新穂高温泉へ下ると夜８時を過ぎてしまいそうである。登って焼岳小屋に泊まるか、焼岳に登らずに下るか考えたが、結局焼岳に登り、明るいうちに林道へ降りられそうなら中尾温泉へ下るという事にした。

小屋のベンチの横から高台を登ると展望台に出る。そこから少し下り中尾温泉への分岐を分けると焼岳への登りが始まる。左手にはベンチと小さな岩がある。

しばらく単調なツヅラ折れの道を登ると「ここから危険地帯」の看板がある。少し登り煙を吹く沢を渡ると本格的な登りが始まる。のしかかるような頂上の岸壁の左を目指して登る。登山道の目印はしっかりしているが、ルートを間違えると落石しやすいので注意が必要だ。

やっとコルに着いた。コルから頂上へは一投足である。コルにザックを置いて頂上へ向かう。途中、硫黄を吹く岩を左に見て急な登りを５分で頂上に着く。目の前に登山禁止になっている南峰が有り、眼下の緑色の池が美しい。３６０度の展望を楽しんだ後、コルに下り、下山の準備をする。

分岐までルートを外さないように慎重に下り、分岐で一休みする。７時までに林道に下れそうなので、このまま下る事にする。太陽との競争である。

しばらく沢沿いに下ると右から小屋からの新道が合わさる。さらに沢通しに下るとやがて、登山道は沢を離れて斜面を下るようになる。中尾温泉の灯は見えるがなかなか近づかない。

川の音がだいぶ近づいてきた。見ると左手の薄明かりの中、滝が落ちている。白水ノ滝である。少し薄暗くなってきたが、道は緩やかに歩きやすくなったような気がする。廃道のような林道を横切って再び山道に入る。右からも川の音が聞こえるようになり、しだいに高度を下げて右手の川を渡ると舗装された林道に出た。暗くなるギリギリの時間だ。

カンテラを出して速足で林道を下る。車止めを過ぎるとボチボチと宿泊施設等が現れてきた。中尾温泉のホテルでタクシーを呼び、タクシーで新穂高温泉の駐車場へ戻った。急いでパジェロに乗り、空いた道路を松本へ向かう。諏訪湖のサービスエリアで遅い夕食を取って、何とか今日中に八王子の自宅に戻れた。翌朝、見るとパジェロの右後輪の空気が減っていた。どうやら二本やられたようだ。タイヤを二本交換する事になった。

• アドバイス

焼岳から中尾温泉への下りは意外に長い。焼岳小屋へ一泊してゆっくり焼岳に登るほうが良い。

• コースタイム