北アルプス　 不動沢 　　　１３００ｍ
ふどうさわ

• 日時

２０００年５月５日

• 位置概要

大町から高瀬川沿いに１５キロ入る

• コース概要

大町−（車）−七倉−（タクシー）−高瀬ダム〜不動沢

• 行動記録

鈴木茂夫さんと西坂百合子さんがＮＤＳ春山合宿中に船窪岳で遭難されてから２２年になりました。５月５日に船窪岳直下の不動沢にてお二人の２３回忌の追悼式を行いました。

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今回の追悼山行には２２名の人が集まった。我孫子組は横山さんの指揮の元、４日の深夜に我孫子を出発して大町温泉郷で一休みして来た。相模原組の小俣さんと杉山さんは早朝出発して、大町温泉郷へ。その他、山から直行してきた人、電車で来た人など色々いた。私は鈴木さん、板倉さん、雑賀さんと４人で、前夜八ヶ岳の家に泊まり、朝、大町へ向かった。非常に良い天気で、常念から後立山連峰の山々の眺めを堪能しがら大町へ着いた。

大町の手前で鹿島槍をバックに、鈴木さん、雑賀さん、板倉さんと私。

七倉に１２時集合だったが、前の晩からテントを張って待っかうことにしたていた池田君をはじめ１１時には車組が全員集まったので順次タクシーで高瀬ダムへ向う。

七倉の駐車場に集合。

今日は非常に良い天気で、周囲の山々がとても美しく輝いている。電車組が到着するまでの間、のんびりとベンチに座り周囲の山を眺める。七倉岳が頂を白く光らせているのが見える。

七倉の駐車場から七倉岳を望む。

電車組を大町の駅まで迎えに行った松村さんと須山さんの車が１２時前に到着し、無事全員揃った。タクシーで高瀬ダムへ向かう。長いトンネルを抜け、ロックフィルダムのつづら折れの道を登ると高瀬ダムだ。 高瀬ダムから見る水面の緑と白い山々のコントラストが神秘的だ。

高瀬ダムを不動沢へ向かう。

高瀬ダムのはずれのトンネルの手前に槍ヶ岳の展望台がある。今日はそこから初めて槍の穂先を見ることができた。高瀬川上流の山がＶ字になっているＶの所に槍の穂先が頭を見せている。

高瀬ダム上流の槍ヶ岳方面を望む。

暗いトンネルをぬけると目の前に不動沢が広がる。河原では既に先発隊の手で追悼式の準備が始まっている。吊り橋を渡らずに河原を追悼式場へ向け歩く。ここから何度船窪岳を見上げたことだろうか。いつ見ても感動的だが、今日はよりいっそう輝いて見える。全員、しばし輝く船窪岳を見上げて感慨にふけった。

不動沢に集まり、しばし船窪岳を眺める。

１２時２０分。ちょうど事故が起きた時間に２２名全員が不動沢に到着した。追悼式の祭壇には鈴木茂夫さんと西坂百合子さんの写真、生花が飾られ、お酒と果物が供えられた。前回、２１年前の追悼式の写真も飾られた。

追悼会の鈴木重雄さんと西坂百合子さんの祭壇。

準備が順調に進み、予定より早く１２時３５分に雑賀さんの司会進行で追悼式が始った。雑賀さんの開式の辞に続き、鈴木保正さんから追悼の挨拶をいただき、全員で改めてこれからの安全登山を誓った。

元山岳部部長の鈴木保正さんの挨拶。

続いて比地原が「故人を偲んで」鈴木茂夫さんと西坂百合子さんの思い出を話した。お二人の遺影を前に、船窪岳を眺めながら話していると、事故が起きたのはついこの間のような気がして、感極まる想いがこみ上げてくる。

その後、一人づつ全員で献花をし、お二人への想いを新たにした。続いて板倉さんの発声で献杯をし、お弁当を広げて歓談した。お酒、ビールを飲みながら快晴の不動沢で懐かしい昔話に花を咲かせていると、とても落ち着いた気持ちになる。２２年過ぎた今でも、こうして２２名の山仲間が集って来たのはお二人の人柄だと改めて思った。

板倉さんの発声で献杯。

最後に酒井さんの歌唱指導で「信濃の恋歌」と「剣の歌」を歌い、雑賀さんの閉会の辞で追悼式は終わった。あっという間の一時間であった。

「信濃の恋歌」と「剣の歌」を全員で歌う。

祭壇を囲んで船窪岳をバックに記念撮影。

その後も去り難く、一時間程歓談したり、散歩したり写真を撮ったりした。今日は本当に素晴らしい天気で、二人が我々を気持ち良く迎えてくれたのだと思わずにはいられない。トンネルの入口で船窪岳に別れを告げ、高瀬ダムに向かった。タクシーで七倉へ戻り、宿泊組の１７名は葛温泉の仙人閣へ車で向かった。

仙人閣では野天風呂から高瀬川の流れと唐沢岳を眺めながらくつろいだ。夕食後、部屋でお酒を飲みながら偲ぶ会を開いた。私は不覚にも快い疲労感で早々に寝入ってしまった。

翌朝、仙人閣の前で記念撮影をして、２２年前に御世話になった大町の長性院へ向かった。長性院では鈴木保正さんが２２年前のお礼を述べ、懐かしさがよみがえって来た。長性院で解散し、それぞれ渋滞にあう事無く、無事に帰宅した。

唐沢岳をバックに仙人閣の前で記念撮影。

• アドバイス

大町と扇沢の中間点に大町温泉郷があり、早朝から温泉でくつろぐことができる。七倉から高瀬ダムへのタクシーは５月１日からの運行。台数は多いので、観光バスが到着した時以外は待たずに乗れる。料金は約１８００円。

• 追悼会式次第